第4週のあれこれ

おさらい

 ホームで行われたチャージャーズ対テキサンズ、結果は34-24でした。スプレッドはテキサンズに+5、ホームアドバンテージを考えるとタッチダウン1つ分くらいの実力差があると見られていました。チャージャーズは主力のケガが相次ぎ、Justin Herbertも負傷を抱えての出場なのでこれくらいの差なんでしょうね。開幕直後だったら+10とかついてそう。
 前半だけで27点も取られたのは本当に悲しかったです。チャージャーズは淡々とボールを前に進め、D#は何もかも圧倒されていました。テキサンズのO#は試合開始からインターセプト、パント、FG失敗とこちらも何をやってもうまく行かず。Dameon Pierceの75ヤードTDが無ければ見るのをやめていたかもしれません。

第1Q

 タッチバックで25ヤードからテキサンズの攻撃。シフトを3連続で使ってます。珍しい。ディフェンスのミスを誘発できれば御の字です。オフェンスが毎週批判され、Pepの意識が変わったのならいいんですけど。
 3rd-5、DEのプレッシャーがかかるなかNico Collinsに投げたボールはあらぬ方向へ飛びインターセプト。クロスしたDLの受け渡しがOL間でうまくいかなかったようです。せっかくCollinsの得意なパスコース、しかもオープンだったのに。

 エンドゾーンまで25ヤードから始まったチャージャーズの攻撃。3rd-8に追い込んだもののJonathan Greenardのペナルティで3rd-3からとなり、Jalen PitreがマンカバーしていたTEへのパスが通ってTD。7-0で先行されます。

 LBの動きに気づいてメインターゲットに投げるのを断念。右はもう通らないので、反対サイドに視線を向けたところTEがオープンだった。言うは易し行うは難し。さすがHerbertだなと舌を巻きます。
 スプレッド体形のTE、PitreでなければKGHがカバーしているでしょう。KGHにカバーさせて同じ結果だったらストレスがマッハだったので、まだマシ…なのかなぁ。

 気を取り直して再びテキサンズのオフェンス。Dameon Pierceの9ヤードのランから始まります。Pierceがディフェンスを誘導してブロックしやすくしてるのがステキ。アウトサイドと見せかけて内側に切り込んだのでChris MooreがDBをうまくブロックできました。LBのブリッツが無駄になったためにスペースが広くなったのもあると思いますが、Dameon PierceというRBは負けん気が強くただでは倒れないだけでなく、クレバーな選手ですね。
 ショートヤードをCooksへの横パスでフレッシュ獲得。次のプレイでは相手のパスインターフェアランスにより敵陣へ。イイ流れかと思いきや、次のランは1ヤードロス、その次はチェックダウンへのパスをきっちりタックルされ全く前に進めません(ちなみにこのときのチェックダウンは本当にここしか空いてませんでした)
 3rd-11、正直ムリじゃないかと考えてたらCooksに完璧なパスが決まり22ヤードゲイン!!!と思いきやホールディングでノープレイ…

 デザインもQBもWRも素晴らしかっただけに残念です。これに限らず、この試合OLはかなりよくなかった。今まではむしろOLが頑張ってたのに、って試合だったんですけどね。
 自陣46ヤードの3rd-22、通ればFG圏内というあたりにレシーバーを3人送り込んでいますがそう簡単にフリーになれるわけはなく。サックされて自陣36ヤードからパントとなります。成功する可能性は低いので投げ捨てるかチェックダウンに投げるか、判断が早ければ相手の攻撃を20ヤード以内からスタートさせられたんじゃないかなぁ。

 27ヤードからチャージャーズの攻撃、HerbertがBlake Cashmanにパスを投げてくれましたがCashmanがキャッチできず、ターンオーバーとはなりませんでした。

 TDパスを許したPitreですが、この積極性はやはり得難い才能だと思います。この後3rdのパスで更新させず、3凡でパント。

 ランランときて3rd-3、右から左へシフトしスロットからスタートしたCooksへのパスが成功。この試合のパスは今シーズンで一番工夫してる気がします。今まではただ大外に置いてフックさせるだけだったのに。
 その次のパスも逆サイドからシフトしたTEと大外のCooksがクロスし、LBとCooksのマッチアップとなっていました。パスは成功し、相手のペナルティを誘発しています。
 しかし好調はここまで、Tunsilのフォルススタート、3rd-10でBurkheadへのショベルパス、FG失敗…どうしてこうなってしまうのか。

 対照的にスルスルと進むチャージャーズ。自陣36ヤードからの攻撃は3rdは一回きりで、簡単にエンドゾーンまで運ばれました。3rd-6を更新されたのはDesmond Kingの勘違いからか、スロットがワイドオープンでした。
 QBが大きくロールアウトするプレイアクションはやっぱり苦手ですね。ベアーズ戦のように試合中にアジャストできるときもありますけど、数回はほぼ成功するので来週以降も確実に狙われると思います。
 10ヤードのTDランはPitreのミスタックルとして記録されるんでしょうか。LBはこのドライブでミスタックルしてないはずです、なぜならプレイに全く絡んでいないので。手も足も出ないまま14-0。

第2Q

 8番を誰もブロックしないのは一体なぜ。コミュニケーションエラーなんでしょうけど、なんとも力の抜ける光景です。え、本当に何?
 3凡でパントとなりチャージャーズの攻撃はあいからず止まらず。

 そりゃあオープンになるよなぁ。選手もコーチも相手の方が何枚も上手なんだと痛感します。

 きれいにドローが決まりました。たった3プレイで78ヤード進まれました。ここまで実力差があるとは。これで21-0です。

 もう3ポゼッション差となりましたが、ここでビッグプレイ!Dameon Pierceが75ヤードのラン!

 最高速度は時速20マイルを超えていたそうです。メートル換算だと時速32km、とんでもない選手ですよこの人は。
 全てのランブロックが噛み合って最高の結果が生まれました。とんでもなく陰鬱な気分だったのが吹き飛びました。21-7、TD3つ分にならないですかね。

 Tremon Smithのナイスタックルでチャージャーズは自陣18ヤードからの攻撃。ですがあっという間にレッドゾーンまで侵入されます。1つ目のTDと似た体形、今度はJonathan OwensがTEのマンカバーでしたがあっさり振り切られました。Everettが止まりませんね。直後にKGHがマンでつきましたが、16ヤードのパスを通されました。誰も止められません。
 ゴール前で味方同士が接触しファンブル、リカバーしたものの5ヤードのロスになりました。おかげでなんとかFGに抑えます。24-7。

 自陣25ヤードからの攻撃、なんとしても追加点がほしいところ。オープンになるのを辛抱強く待ってNico Collinsに20ヤードのパス成功。パスプロよくもってくれましたし、Millsの足運びも良かったと思います。ボールは若干難しい位置でしたが。
 この後もO.J.Howardへ22ヤードのパスを通し、敵陣へ侵入。ランランショートパスときて、敵陣24ヤードで4th-1。すでに2ミニッツに入り、残り時間は少ないものの1分あります。ギャンブルして攻撃継続を狙います。

 誰にもブロックされずにフリーでラッシュしてきたKahlil Mack(もうこの時点で意味不明)がMillsに襲いかかりギャンブル失敗、攻守交代です。Kahlil Mackを接待してるんでしょうか。Mackの前にいたTE2人は、正面にDLやブリッツがあればパスプロ、というようなルールは無いんでしょうか。DEをわざとブロックせずにロールアウトしてショートパス、ではないと思います。投げられるところないですし。
 あまりに不可解。言葉が出てこないくらい、酷い。

 返しの攻撃はなんとかTDは許さなかったもののFGを決められて27-9。カバー2の弱点、サイドライン際のディープを2回もきっちり通されてます。改めてHerbert上手いなと舌を巻きました。

第3Q

 後半開始直後のチャージャーズのドライブは好調だったはずのEverettが落球して更新ならず。オープンだったのでこれはラッキーな三凡。

 テキサンズの後半最初の攻撃は、3rd-5をRex Burkheadへのショートパスで更新。スロットに入ったBurkheadと大外のNico Collinsがクロスするパターンって初めて見たような。これ自体は面白いんですし、今までのような「全員フック、もしくはクイックアウト」で誰も空いてないよりよっぽどマシです。でも3rdでBurkheadのRACに頼るようなプレイを選ぶのはちょっと複雑ですね。更新したのに文句言うのは贅沢なんでしょうか。それともBurkheadを舐めすぎ?
 この後が悲惨で、TunsilのホールディングやPhillip Dorsettがイージーボールを落球(あわやインターセプト、10ヤード進めたのに)、ディレイオブザゲーム(Millsがゆっくりしすぎた?)で2nd-25です。無様な自滅。ロングパスが欲しい場面ですが当然奥のカバーは厚く、プレッシャーもかかっており2連続でチェックダウン、パント。自陣27ヤードから始まり3分以上攻撃してましたが、結局29ヤードまで戻ってのパントです。

 Cameron Johnstonのナイスパント、Grayland Arnoldのナイスカバーによって19ヤードまでボールを戻せました。スペシャルチームが優秀なのが救いです。
 前半と打って変わってランが止まってます。担当するギャップを埋めるように突っ込むようにしたんでしょうか。OLのブロックを外せないならスクリメージ付近でグチャッとなったほうがマシでしょうし。Pitreがタックルミスで3rd-1を更新させてしまいましたが、別のプレイではうまく潰してます。Derek Stingleyは、ロングパスのターゲットになったMike Willamsにピッタリくっついていましたし、ルーキーの活躍に目を細めます。

 自陣深くからの攻撃、結果的にDameon Pierceが8ヤードゲインしてくれましたけど。画面の上、TEとCooksのどちらかが空くプレイだと思うんですよね、ディフェンスの受け渡しが完璧でない限り。フェイクしてからすぐそちらを見ており、投げる一歩手前までいってます。思い直してPierceに投げてますが、そのときにCooksに投げられれば…と少し残念な気持ちになります。
 Twitterでは「Millsが見逃したワイドオープン」の画像がたくさんあります。ほとんどが2nd-longや3rd-longのプレイ。でも僕はレシーバーより手前にいるLBの存在やプレッシャーを無視して非難するそれらのプレイよりも、こちらの方が課題だと思います。
 その後Dameon Pierceがランパス両方で活躍。Chris Mooreの落球(Millsの送球もベストではありませんでしたが)で3rd-7。

 うーむ、すばらしい足運びと判断。スナップ前の1-highから、画面上のCBがディープ1/2を守る変速カバー2。Chris MooreがSFを縦に引っ張って、空いたスペースのCooksにきっちり通してくれました。パスプロもバッチリでした。Tytus HowardがKhalil Mackを完全に抑えてます。しつこいようですけど、どうしてこれだけやれるRTがGやってたんですかね。

 中央ブリッツ2枚。思い切ったパスラッシュで、危ないところでしたがPierceの献身的なパスプロとMillsの冷静な判断が功を奏しました。Jordan Akinsはタックルを振り切り30ヤードのゲイン。エンドゾーンまで詰め寄ります。
 左のレシーバー3人を中央に走らせてディフェンスの注意をそらし、どフリーのBurkheadへパス。エンドゾーンに駆け込み、これで27-14。この試合のBurkheadの使い方イイですねぇ。とりあえず持たせてインサイドに突っ込ませるような選手じゃないですよね、本来。あとはブロンコス戦では合いませんでしたけど、去年成功してたホイール走らせてくれないですかね。

第4Q

 返しのチャージャーズの攻撃ですが、Herbertの調子が乱れています。オープンのターゲットは少ないのもありますが、捕球可能な範囲に投げられず、いわゆるバッドスローが目立ちます。ハーフラインを越すことなくパント。

 自陣深く、7ヤードから始まったテキサンズO#。3rd-longでRex Burkheadのスクリーンで大きくゲイン。Kenyon Greenが完璧なリードブロックだったので素直についていけばいいところを、内にカットしたから13ヤード止まり…とか思ったりもしますがとりあえず攻撃続行。

 ここでNico Collinsへ58ヤードのパス成功!相手はJ.C.Jacksonでしたが縦にぶっちぎってます。Milssは投げた直後にヒットを食らいはしましたが、ディープが空くまで耐えたOLやPierceのパスプロも見事でした。

 Brandin Cooksへ18ヤードのパスが通り、Cooksは今季初TDレシーブ。チームのWRがTDするのも今季初です。

 その後のキックオフでターンオーバー!Tremon Smith(1番)とJalen Reeves-Maybin(44番)がクロスしてフリーになってます。たまらずリターナーが外にカットしたところM.J.Stewartがタックルしファンブルフォース。レッドゾーンから再びテキサンズの攻撃です。
 ベアーズ戦でのインターセプトもそうですが、一見相手のミスによるラッキーパンチに見えて、その実チャレンジした結果最大のリターンを得られたんだとわかるとすごく嬉しいですね。やるじゃん、と思うし応援する気力が湧いてきます。

 エンドゾーンまで16ヤードからの攻撃。6点差なのでTDが欲しいところです。が、2nd-7でサック、しかもファンブル。Jordan Akinsがリカバーしましたが、あわやターンオーバーでした。

 サックした99番はKenyon Greenの正面でした。先発してから常に安定した活躍でしたがやはりこの日はやらかしが多いです。
 O.J.Howardがオープンでそちらに投げようとしていたが、エンドゾーンでNico Collinsが空きそうだったのでターゲットを切り替えたところサックされたようです。この選択はもしかしたら人を選ぶかもしれませんが、僕はTDを狙ったMillsの判断は間違ってないと思います。この後はFGで27-24。

 できるだけ早くボールを取り戻したい場面ですが、止まりそうで止まりません。3rdコンバージョンは2/3、3rdで止めても4thギャンブルを許し、結果的に時間を潰された上でタッチダウンされる最悪の展開。34-24で残り2分半。
 ディフェンスの完敗です。ハンドオフフェイクしてロールアウトからのRBへのパス、最後まで対処できませんでした。来週対戦するジャガーズはQBもRBもこのプレイ大得意なので絶対狙われちゃいます。

 TDを取るしか無いですがまっっっっったくレシーバーが空いておらず、4th downでインターセプト、ゲームセット。

まとめ

 チャージャーズ強いですねぇ。わかっていたことですが、カンファレンストップクラスのチーフスと同地区で張り合おうってチームはこんなに強いんですね。テキサンズも第2Q終わって27-7から4点差まで追い上げましたが、やはり力の差は歴然でした。テキサンズの実力のピークがようやく、チャージャーズの実力の底をわずかに上回る程度。そんな印象を抱くような試合でした。

 それでも第3週に比べてパスのデザインやモーション・シフトは改善され、それに伴ってMillsのナイスプレイは増えました。この調子で少しずつO#を洗練していってほしいです。
 性急に手を打つべきは3rd downの成功率だと思います。リーグワーストクラスの成功率で26.9%だそうです。これはパンサーズに次いでリーグで2番めに悪い数値です。いかにドライブ継続力に欠けているか、得点力の低さもうなづけます。
 僕はO#が大事で重要なのは(得点することはもちろんですが)攻撃を継続することだと思っていて、そのためには3rd-longを回避することを重視すべきです。ショートパスの成功率が低い現状はかなりマズイです。来年のQBが誰にせよ、今のままでは勝てないですが、それでもまだシーズン中に成長する可能性はあります(去年のイーグルスは3-6で折り返してO#を変えて後半は6-2でプレーオフですし)

 実はD#もかなり問題だと思ってますが、あまり槍玉にあがってないんですよね。たぶん今までPitreやJerry Hughesが活躍したりターンオーバーが起こってるぶん「D#はまぁ頑張ってる」ってイメージなんでしょうか。前半パントに抑えたのが1回だけ、それ以外のドライブは全て得点されてるから大問題なんですが。
 この試合に限らないですがLBがランでもパスでもひどすぎてガックリします。毎回のようにフリーで走ってくるRBを止めさせられるSF2人が気の毒になってきました。

 とりあえず第4週の振り返りは以上です。次はHCガチャで当たりを引いたらしいジャガーズとアウェーで戦います。Bye前に1勝あげてほしいところです。

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