Bryce Young

はじめに

 今シーズンもお疲れ様でした。Millsで始まりMillsで終わったシーズンでした。全体1位は逃しましたけど敵地で地区ライバルを倒してシーズン終了、イイじゃないですか。コーチや選手は勝つのが仕事。

 今回はテキサンズファンが一番注目しているであろうプロスペクト、Bryce Youngについて書いていきます。2022シーズンのテキサス、アーカンソー、テネシー、LSU、カンザスステート戦を見ました。

プロフィール

身長6-0、体重194、40ヤード4.52秒(3つとも非公式)
生年月日2001年7月25日(ルーキーイヤーで22歳)

ESPNと247Sportsから5スター認定。高校時代にU.S.アーミーオールアメリカンボウルでオフェンスMVP、プレイヤーオブ・ザ・イヤー。

2020年フレッシュマン、Mac Jonesのバックアップ
2021年先発に。15試合で4872ヤード、547回投げて成功率は66.9%、パス1回あたりの平均獲得ヤードは10.0ヤード。45TD、7INT。32被サック。81回走って0ヤード。ハイズマン賞、APプレイヤーオブ・ザ・イヤーを受賞。
2022年、12試合で3328ヤード、245回投げて成功率は64.5%、パス1回あたりの平均獲得ヤードは9.9ヤード。32TD、5INT。16被サック。33回走って306ヤード。
先発27回(34試合出場)23勝4敗。

似てる選手はRussell Wilson(体格、足で時間を稼ぐ)もしくは機動力のあるDrew Brees(体格、洗練されたパサー)

長所

クイックリリース。投球動作がコンパクト。余計なタメが無く、一瞬で投げられる。ターゲットに視線を移してすぐに投げられるのでDBが反応しにくい。このあとに続くパスに関する特徴は、しかもクイックリリースで、が付く。

アドリブ。Youngと言ったらコレ。WRが完全にカバーされていても足で時間を稼げる。ポケットが崩れても、DLに追いかけられていてもかわしながらオープンターゲットを探す。スクリメージラインの間際でスクランブルからパスに変えられる。難しい体勢から逆転のパスを投げられる。サイドアームでも投げられる。常にプレイを成功させる可能性を探る。諦めない勝負強さ。

洗練されたパサー。精密なパス。高い頻度でターゲットにドンピシャの(少し跳ねたり飛びついたりせずにキャッチできる)パスを投げられる。速球。球筋はまっすぐ。キャッチ後に走りやすいようにレシーバーを少しだけ先行するパス。タイトカバーなら守備から遠い位置に投げられる。回転が綺麗で取りやすい。レシーバーの足元に投げない。なんてことないようにパスを通し続ける。走りながら正確に投げられる。左右どちらに走りながらでも投げられる。

フットワーク。スムーズなドロップバック。バランスを崩さず、フィールドを見渡しながらステップを踏める。ラッシュを避けるためポケット内を上がれる。

機動力。(QBとしては)直線のスピードや加速力がある。ランナーとしての視野もそれなりにある。オープンフィールドでかわせる。場合によっては頭からダイブするガッツ。

サックされにくい。視野が広い。感が鋭く、背中に目がある。ボクシングのダッキングのようにかがんだり、小さくターンするなど、少ない動きでラッシュに対処できる。ポケットの外では急加速急停止で翻弄。

やらかしにくい。ターンオーバーが少ない。リスキーなパスが少ない(ワイドオープンにだけ投げるのではなく、むしろタイトカバーでも恐れず投げ込む)。スクランブルしてもめったに片手にならない。ボールを体の正面で両手で持ってパスに移行しやすい姿勢で走る姿はラグビー選手に似てるかもしれない。

肩が良い。ほとんどのパスを通すのに必要十分な肩。

胆力。冷静沈着。大舞台の経験。3rd-long、セイフティの危険がある自陣エンドゾーン前、2ミニッツ(カレッジに2ミニッツはないけど)、試合を決めるラストドライブなど、シチュエーションによるプレッシャーに強い。

人格者。勤勉、スターターに昇格してからの2年で信じられないくらい成長した。周囲からリスペクトされる。フィールド外のトラブルが皆無。
↓ケガのリスクを避けるため注目プロスペクトの多くが欠場するのが昨今のボウルゲームの風潮だが、Youngは出場し3Qで5TDパスを投げる最高のパフォーマンス。大学最後のプレイの後バックアップQBと交代しベンチへ下がるYoungを迎える温かい拍手や歓声、コーチ・スタッフ・チームメイトとのハグが彼の人間性を物語っている。

短所/改善が必要な点

アンダーサイズ。身長はRussell Wilson(5-11)やDrew Brees(6-0)、Kyler Murray(5-10)の例があるが、体重が心配。あげた3人は200ポンド以上ある。カレッジよりさらに大きいNFL選手との接触は常にリスクが伴う。

パスに固執。時間がかかってもバランスを崩してもパスを通すことにこだわるきらいがある。投げ捨て、スクランブルの判断(テキサス戦では後半にスクランブルを増やすことでO#が好転していたので、ゲームプランによって変えられる。NFLへの適応にもさほど心配はない)

D#を圧倒するような走力はない。Lamar JacksonやJustin Fields、RG3、Vickではない。

スライディングは上手くない。

ハードなラッシュに弱い?アラバマが負けたテネシー戦LSU戦、LBDBのブリッツを用いた5メン6メンラッシュに苦しめられていた(ぶっちゃけOLのパスプロが相当ひどい)(その後の試合ではスナップ前にブリッツする選手を的中させRBに指示を出せていたし、この点もあまり気にしていない)

ロングパス。ショート、ミドルに比べてロングの精度は見劣りする。特に40ヤードを超えると軌道が過度に山なりになってショートすることがある。(それでも正確に投げる方がずっとずっと多い。あくまで改善点)

まとめ

 すでにプロ級のパスをいくつも投げるまさに即戦力。かつまだ伸びしろがあり、将来的にチームにリングをもたらすポテンシャルがある。QB1もしくは全体1位にふさわしい選手。

 よく「アラバマのQBはエリートに囲まれてぬくぬくプレイしてるから、NFLで成功しにくい」という通説がある。
 しかし2022シーズンのアラバマは、昨シーズンの大エースWRコンビ(Jameson WilliamsとJohn Metchie)がいなくなり、OLは守護神Evan Nealを欠いた状態。お世辞にも他の強豪校よりも充実してるとは言えない。
 そんな中、アラバマ史上初の2年連続3000ヤードパスを記録し、チームはプレーオフまであと一歩だったのだからBryce Young個人の実力に疑問の余地は無い。むしろ戦力が充実していなくとも勝てるというのは、今のテキサンズのようなチームにピッタリだとすら思う。

 1巡QBといえばC.J.Stroudもイイですよね。できれば同じように記事にしたいと思ってます。

 最後にJohn Metchieとのホットラインを。

涙出てきた。Caserio、変な気を起こすな。Youngで行こう。ベアーズ頼む、全体1位はどこにも売らないでくれ。

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