ロスター確認&FA・ドラフト注目選手 TE編
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FAになる人たち
O.J.Howard、Jordan Akins
オフシーズンからシーズン半ばまでずっとTE探してた印象があります。仕方ないですけどね。デッドマネー大量に抱えてる中で穴だらけのロスターを埋めるならTEが後回しにされるのは当然です。ロスターは「まぁこんな感じ」になっちゃいますよね。
たしかトレーニングキャンプ中にルーキーのTQともうひとり誰かがケガをして練習に必要な頭数が足りてるのか怪しい時期がありました。ドルフィンズからトレードで手に入れようとした選手はメディカルテストをパスできずトレードは無かったことになったのは覚えてます(その選手はドルフィンズでプレシーズン中に重いケガをしてたはず)。
開幕時はスターターだったPharaoh Brownは力不足でシーズン中にカット。開幕直前に加入したO.J.Howardは初戦こそ2TDの活躍でしたが、その後の活躍は散発的。
逆にシーズン途中でジャイアンツからカットされて出戻りしたJordan Akinsが一番目立ってました。15試合で37キャッチ495ヤード5TDを記録。レシーブ数もヤードもTDもキャリアハイ。細かいスタッツを見るとキャッチ1回あたりのRACは7.3ヤード(キャリアハイ)、平均ターゲットデプスは6.1ヤード(これはキャリアワースト)ということでショートパスやスクリーンで活躍したシーズンでした。Slowikのオフェンスにおける、レシーバーとしての適性はあると思います。ブロックはイマイチなのが問題ですが。
再契約するなら当然Akinsですけど、急ぐ必要ないと思います。たぶん今年もドラフト前くらいまでは在野にいるはず。TE1としては心もとないですし、安く再契約して新しいスキームにハマれば良しくらい。少なくともファイナルカットまでは残るでしょう。
残る人たち
2年目のBrevin Jordanはケガで11試合しか出られず、出ても思うような成績を残せませんでした。そもそもスロットで使うタイプなのにOLの隣に置くのはどうかと思ってます。今季も昨季も。
5巡ルーキーのTeagan Quitorianoは前述の通りケガで出遅れましたが、初出場初キャッチがTDだったり、最終週の3キャッチ75ヤードだったりと妙に存在感がありました。この2人のどちらかが伸びてくれれば嬉しいです。
ニーズ
当然TE1が必要です。Kittleみたいな選手がそこらへんから生えてくるわけでもないので、彼と似た選手を探せと言っても無理。少なくともどんなTEが合うのか考えます。
おそらくある程度以上のブロックができないと、どれだけレシーブできてもお呼びじゃないんでしょう。49ersでOCだったMcDanielがHCに就任したドルフィンズでは、それまでチームのエースTEだったMike Gesickiの出番は減っていました。
Gesickiはキャリア2年目からの3年間で177キャッチ2053ヤード13TDを記録し、レシーバーとして非常に優秀なTEでした。しかし2022シーズンは6TDしたものの34キャッチ377ヤードのみ。スナップ参加率はルーキーイヤー以来初めて50%を下回りました。タグで11ミリオン弱を支払われてる選手が、大きな怪我をしてるわけでもないのにベンチに居る時間のほうが長かったわけです。
Slowikのオフェンスも似た傾向になるはず。なので欲しいのは「サイズの大きいスロットレシーバー」ではなく、レシーバーとしてもブロッカーとしても活躍できる選手。
注目のFA選手
何人か候補はいます。
カウボーイズのDalton Schultzは2020年から3年間、レギュラーシーズン48試合で198キャッチ(70.2%)2000ヤード17TD。線が細いですが、ランブロッカーとしても定評があります。
ベンガルズのHayden Hurstは優秀な3人のWRとキャッチが上手いRBがいてなお今季65キャッチを記録してます。8割近くが10ヤード以内のパスでしたが、安定したポゼッションレシーバーなのは間違いないです。
タイタンズのAustin Hooperは今季の成績は良くなかったですが、ゾーンブロックに慣れており、ブラウンズに2年いたことで来季のキモになるであろうワイドゾーンの経験値が高いのが魅力的に見えます。ただ2018、2019年にプロボウルに選ばれてから急速に劣化しており、実際のところTE2が関の山だとは思います。
Schultzが理想的です。予想される契約はSpotrac曰く4年60ミリオン、PFF曰く4年58ミリオン(36ミリオン保証)。今年27歳、同年代の選手が結んでる契約からするとまあ納得します。エリートではないですがティア2には入りますし、キャップに余裕はあります。
注目のドラフト候補
トップ3
今年のTEのプロスペクトは優秀なのが多いです。しかもタイプがいろいろ。
No.1はMichael Mayer、2022シーズンが始まる前からずっと1巡候補でした。ノートルダム、6-4、265lbs。スクリメージラインにセットできる、典型的なYレシーバーのTE(カレッジではスロットとしてプレイしてる方が若干多いですけど)。ブロッカーとしても優秀だし、ぬるぬるのルートランでレシーバーとしても優秀。コンバインでよっぽどひどい成績でなければ1巡は間違いないはず。
12 personnel-dbl tights left vs Cover 0, RB motions to the X.
— Full-Time Dame 💰 (@DP_NFL) June 7, 2021
Safety Jordan Battle is matched up 1 on 1 w/Michael Mayer.
Mayer runs a great stick nod taking advantage of Battle’s over-aggressiveness. Creates ample separation for an easy pitch and catch! pic.twitter.com/i0GUfOhGeR
Luke Musgraveはおそらく今ドラフトで最も足が速いTE。オレゴンステート、6-6、250lbs。LBは追いつけないし、DBはサイズで勝てないディープスレットTE。それでいてある程度の体重があり、ライン上にセットできるタイプです。WRよりも40ヤードの数値が重要とされるのがTE、どれだけのタイムが出るのか楽しみです。4.51秒が出せればTEの歴史上トップ10のスピードです。
Oregon State TE Luke Musgrave is a super intriguing prospect.
— Jared Tokarz (@JaredNFLDraft) January 20, 2023
6’6 250lbs - 36.5 vert, 4.51 👀 40 yd dash. Not a ton of college production but the upside is there.
Freak athlete with soft hands- if coached up right could be make an impact
pic.twitter.com/Xo5h2Hf05K
Dalton Kincaidは最もキャッチが上手いです。ユタ、6-4、240lbs。2022年のUSC戦の16回ターゲット16回キャッチ、234ヤード1TDは異次元の活躍でした。NFLではめったに見ないくらい軽いですが、レシービングTEとしては今年一番だと思います。2022シーズンは55%がスロットとしてプレイしてました。捕球範囲、ボディコントロール共に申し分なし。Stroudと組ませたらヤバいことになりそう。
— metalurgico (@metalurgico144) February 22, 2023
2022ドラフトのTE1はこの3人の中の誰かで間違いないです。ただアナリストによってランクはかなり変わります。コンバイン前の時点ではけっこう混沌としてますね。
個人的に指名してほしいのはLuke Musgrave。プロとして必要なサイズとWR並のスピードを併せ持つアスリート。その上キャッチ力も良い。上記の3人とも1年目からある程度の結果を残せると思いますが、伸びしろが一番大きいのはMusgraveのはず。2巡でどうだ。
TEにとって40ヤードのタイムがWRよりも重要な理由は「体がでかいけどスピードあるやつはリーグでも稀有な身体能力を持ってるから」でしょうか。理由はハッキリしませんけど、データは「4.7秒切れないTEはリスクが高い」と言ってます。
ブロックがイマイチという評価もありますけど、そんなことないと思うんですよねぇ。たまにヤバいやらかしがあるのは認めます。
Good evening Luke Musgrave pic.twitter.com/pi8P8eT9XN
— Cory (@realcorykinnan) December 27, 2022
Look for Luke Musgrave standing up on the Line at the top of the screen.
— The Podfather (@TheBurgundyZone) February 17, 2023
Notice how Luke’s hands are on target and control the defender. Keeps his legs moving, driving the defender. Allowing for the clear outside lane for the RBs TD! #HTTC #NFLDraft pic.twitter.com/TO0IcAdsb6
もちろんMayerも欲しいですけどまず1巡で消えるはずで、少なくとも今年のテキサンズには1巡でTE指名してほしくないです。もし33位までMayerが残ってた場合はコンバインやプロデーで相当ひどい成績を出してるはず。であればやはり指名してほしくないです。一緒にはなれない運命だったということでMayerのことは諦めてます。
お気に入り枠
お気に入り枠はジョージアの巨人Darnell Washingtonです。6-7、270lbsというビッグボディと、その巨体でディフェンスを飛び越える並外れた運動神経を持つ逸材。得意技はサイズと身体能力を遺憾なく発揮したブロック。
Love watching TE Darnell Washington play
— Connor Rogers (@ConnorJRogers) September 4, 2022
Will do all the dirty work inline, big slot flexibility, athleticism to block on the move, huge catch radius, bully with the ball in his hands
Big week 1 from him pic.twitter.com/sx1S5PyxRd
チームメイトにカレッジ最高のTE Brock Bowersがいたのでスタッツは15試合28キャッチ(65.1%)454ヤード2TDとそれほどではないです。しかしレシーブ1回あたり16.2ヤードはカレッジ全体でもトップクラスの数値。時折ターゲットになるたびフィジカルで相手チームを蹴散らしてます。
↓おそらく一番有名なクリップ
Darnell Washington is a 6’7 MONSTER
— IKE Packers Podcast (@IKE_Packers) February 16, 2023
Would you take him in the 1st or 2nd round? pic.twitter.com/uXB7qoM7fb
懸念点はオープンになれないこと。テクニックでどうこうってタイプではないのでルートランも上手くない。ただそれよりも巨体につきもののケガのリスクが心配です。
Washingtonと似た選手としてあげられるBrandon Pettigrewは7年のキャリアのうちACLを3回痛めました。それにKittleは以前「(レブロン・ジェームズがもしTEだったら)ボールを持つたびに膝にタックルされて長くプレイできなかっただろう」と話していました(ベストポジションはLTとも)
めったいないタイプの選手なのでどう使うのか想像しにくいというのはありますが、それは懸念ではなく楽しみということで。
オフェンス版Jordan Davisとも表現されるWashington、FAでも来年再来年のドラフトでも代わりはいないスペシャルなタレントです。指名したらどうであれ攻めた結果なので批判はしません。
現実路線
FAでDalton Schultzを獲得し、3巡でアイオワのSam Laportaを指名してTE2からゆくゆくは先発として育てる。これが無難に思います。
Laportaはタイトエンドユニバーシティとして名高いアイオワ大の出身です。プロでも活躍できそうな機動力があり、カバーを振り切ってオープンになることもショートパスをロングゲインにつなげることも出来ます。
ブロッカーとしての技量はもう少しですが、LBを捉えたらそれで終わりではなくできるだけ押し込もうとする気力が好きです。リードしてる試合でもブロックで手を抜かない。献身的なプレイぶり。コーチングと下半身のトレーニング次第で化けそうです。
Iowa TE Sam LaPorta doing his best George Kittle impression with this nasty YAC in the Music City Bowl.
— Seven Rounds in Heaven (@7RoundsInHeaven) December 31, 2022
LaPorta is one of the top Sr TEs in the 2023 NFL Draft and looks like the next Hawkeyes tight end to make an NFL impact. pic.twitter.com/eS82hnYw7Q