第10週のテキサンズ

はじめに

 ニューヨークのメットライフスタジアムで行われたジャイアンツ戦は、16−24でジャイアンツの勝利でした。フェイバリットはジャイアンツが−5点。一般的にホームアドバンテージが+3なのでホームアウェイを差し引けばFG1回分程度の差しかないです。相変わらずジャイアンツは賭けサイトから信用されていないですね。
 チームと揉めていたBrandin Cooks、ケガで欠場していたMaliek CollinsとNico Collinsは復帰しました。初めの2回の練習を制限していたDameon PierceやJalen Reeves-Maybinも問題なく出場しました。Brevin JordanやNeville Hewittは欠場しましたが、スターターは100%出場していたはずです。
 
 まず、これは絶対言いたいこと。せっかく相手が反則してくれたのにふいにしてたら勝てないですよ。最初のジャイアンツのタッチダウンですが、ゴール前まで攻め込まれるも、相手のイリーガルフォーメーションとDerek Stingleyのナイスタックルでエンドゾーンから9ヤード地点で2nd to Goalとなりました。テキサンズの準備が遅れて選手が移動してる間にスナップされてますね。ノーハドルでは無いです。FGに抑えられるかもしれなかったのに、もったいないです。
 シーズン序盤から見られるこの「あたふた」はどういうことなんでしょう。O#、D#どちらでも起こってます。今回はSTでも起きています。12人いました。O#ではディレイを取られていましたね。しかもエンドゾーンまで7ヤードのところでディレイを取られました。信じられない。未だにこんなことが続く…コーチ陣の能力に大きな疑問符がつきます。

オフェンス

 この試合まで1試合平均16.6点しか取れてないテキサンズO#、いつもどおりの点数だけ得点して終わりでした。リーグでもトップクラスの頻度でブリッツするジャイアンツD#にたじたじでしたね。ブリッツがなくともかなりの頻度でDTが迫っていました。結果4サック12QBヒット、そして度重なるホールディング。終始Millsはプレッシャーを感じていたはずです。ブリッツにひるんで投げるタイミングが遅れた場面もありました。
 O#全体としてナイスプレイはいくつもあったんですけどね、Pierceの44ヤードランはKenyon Green(とLaremy Tunsil)のプル、TQのLB取りが完璧でした。3人がドラフトされたときに期待してたプレーが実際に見られたことが本当に嬉しいです。 Nico Collins に投げたドンピシャなTDパス含め、見事なパスがいくつもありました。同じくらいコントロールミスもありましたが。
 ↓これはそのドンピシャなTDパスのシーンですが、TQの完璧なパスプロを見てください。相手はThibedauxですよ。この方が言ってる通り、TQのおかげでDTを2人ともダブルチームで抑えられました。怪我から復帰してからずっと活躍してますね。

 オフェンス最大の問題はRed zone efficiency。レッドゾーンに6回侵入しましたがタッチダウンはたったの1回だけでした。もちろんこのひどい試合はMillsだけのせいではありませんが、去年のMillsはレッドゾーンでは無双してたんですがね。責任はオフェンスに関わるほぼ全てのコーチと選手にあると思います。最も頭にくるのはプレイコール。Pierceがファンブルしたプレイがこの試合の最悪のプレイコールだと思います。ファンブルしたからじゃないです。1st downランで後退してから再度ランを選択したから頭に来てます。2ポゼッション差を追いかける第4Qのゴール前ですよ。この点差で2nd-10になってからもう一度走らせる…アメフトの神様が呆れて罰を与えたんじゃないですか、あのファンブルは。

ディフェンス

 Barkleyに35回152ヤード1TD許してますね。大暴れ。ですがBarkleyに走られたから負けたのか、それだけじゃないと思うんですよね。後半立て続けに許したTDドライブ、ここでBarkleyは大して走ってないんです。それに7点のみの前半と、17点稼いだ後半でBarkleyが走ったヤードは大して変わらないです。この日一番のロングゲインである27ヤードのランは前半でした。
 後半最初のタッチダウンはBarkleyのラン×2を1ヤードに抑えて3rd−9。WRをきっちりカバーできており、あとはPitreがきっちりタックルしていればパントに抑えられたはずでした。残念ながら54ヤードのTDパスになっていましたが(頭が真っ白になった様子でサイドラインに下がるPitreを、同じくルーキーのHinishが励ましてる姿はほっこりしました)
 テキサンズがTDした返し、ジャイアンツ後半2回めのタッチダウンドライブ。20ヤード走られましたが、決めては2回も3rd−7を更新されたことだと思ってます。プレイアクションではないです。普通にドロップバックしたのと、ショットガンパス。
 相手のフォーメーションに合わせてLB3枚投入した時はちゃんと止められてますし、Daniel Jonesのスクランブルにもある程度対処できていました。でも肝心のパスシチュエーションで通されて攻撃が続くんですよね。 
 この試合はマンツーメインで望んでほしかったです。Daniel Jonesのパス能力はMillsと大きな差はないです。WRもそれなりレベル。テキサンズのDB陣なら抑えられると思ってます。3rd-longでカバー1、CBブリッツの6メンラッシュでDaniel Jonesをグシャッとサックしたときは心躍りました。
 カバー2でStingleyの正面にいた選手が、Stingleyの守備範囲の外でどフリーになってるの見るとすっごくモヤモヤしますね。Lovie Smithが「今のDBではやりたいD#ができない」と発言してのDB2人上位指名でしたが、こんなん別に誰でもいいのでは、とか考えちゃいます。

 Christian Harrisは前任のKGHよりよほど動けています。予想以上にOLのランブロックに粘れてますね。一緒に潰れる前提で突っ込んでくる相手にはどうしようもなくなってますけど。スピードを犠牲にすることなくバルクアップできればと思います。ドラフト時に懸念されていたプレイリードの悪さは時折見られますが、指名した時点で覚悟していたことです。もとより身体能力重視の指名、今後に期待します。
 それとPitre、TDを許したミスタックルで印象最悪ですが…テキサンズファンは知っての通り彼は非凡なプレイヤーです。あのミスで彼の評価を下げてほしくはないです。

まとめ

 ジャイアンツがホームにも関わらずペナルティを連発してくれたので勝てる可能性はかなりありました。第1週からLovie Smithや選手が繰り返していますが「試合をfinish」しなければ勝てません。やはりリーグワーストクラスの得点力を改善しないことには。
 とりあえず残りのシーズンもルーキーの活躍、チームの成長に注目していますが、そろそろドラフトも気になってきますね。

 10週9試合が終わって1勝7敗1分。開幕前は良ければ6勝、少なくとも4勝はしてほしいと思ってました。それも叶わぬ夢となることを覚悟しなければならないでしょう。リーグで1勝しかしてないのはテキサンズだけ、全体1位指名を争ってる他のチームのほとんどは3勝目を上げています。
 となると濃厚になってきた全体1位をどうするか。D#がランを止められないことよりも、悠長にランで攻める余裕を与えてるO#を改善するべきだと思っているのでやはりQBですかね。Bryce Youngはよく名前が上がります。実力的に全体1位にふさわしいと思います。そういえばNick CaserioはSEC出身を好む傾向があるので、そういう意味でもありえますね(他にもSECの1巡候補QBはいますが)
 ジョージアのJalen Carterとかキャリアで片手で数えられないくらいプロボウルに選ばれそうな怪物で、すっごく欲しいですけどね。FAでQB補強して全体1位でDT…僕は喜ぶけどありえなそう。
 もう1つの1巡はWRでもいいかなとか思ってます。Cooksは去年のZach Cunninghamのように解雇する可能性がまだあります。オフにトレードもしくはカットも。Nico Collinsはイイ選手ですが、やはりリーグトップ10に入るような選手が必要です。まぁ、ドラフトのことはまた別の機会に。


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