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婚約指輪という贈与、男性が女性に贈るものについて

水曜日のダウンタウンで安田大サーカスのクロちゃんがプロポーズに失敗していた。

さもありなんという結末であったし、クロちゃんは人間として終わっていることは周知であろうが、婚約指輪を買う時の彼の選び方に多大な違和感を持った。

彼は、とりあえず事前に何らの相談もなく、とても高い指輪を、自分が良いと思ったからというだけの理由で買った。

このことが、彼の独善性の顕れだと思った。

婚約指輪は女性が着けるものだ。贈与はもとより暴力的な一面を持つけれども、婚約指輪は女性が長い期間つけるものだ。当然、つける人がどう思うかということを考えなければならない。ただ花を贈る事とは決定的に異なるものがある。

私事であるが、私も婚約指輪を買った。京都に配偶者と出かけた際に、偶然を装って、niwakaというお店に入った。どういう指輪が好きか、だとか、彼女の指のサイズだとかはその時に知った。

婚約指輪は翌年の誕生日にサプライズで差し上げ、無事受領いただき、その後婚姻の承諾を得たわけだが、婚約指輪は「サプライズ」の側面と「相手方の好みの把握」という双方をクリアする必要がある。ただ上げればいいというものではないはずだ。

もちろん、相手の希望を聞きつつも、自分の経済状況から献上できるものなのかも考えなければならない。同業者のなかでも、高い婚約指輪を買った人ほど離婚率が高いのは気のせいだろうか。

クロちゃんの婚約指輪の選び方は、自分が良いと思った物を相手に投げつけるだけのものだった。これから家庭を作ろうという人に対する態度ではない。断られることも当然だ。その後の他責しかない言動も彼らしく、今後も彼が幸せな結婚生活をすることは出来ないだろう。クロちゃんという人生を歩んだ時点で、彼には芸人以外の幸せはないだろうが。

男性が女性に物を贈るとき、そこには様々な配慮が必要になる。相手方が何を望んでいるかを予測し、相手が必要と思うものを先回りして考える必要がある。

北新地ではオッサンがキャバ嬢にやたら高いブランド品を贈る人が多いけれど、あれも相手を考えた行動ではない。そもそも、オッサンのキャバ嬢への言動などすべてがハラスメントだ。

婚約指輪は、値段の高低だけではなく、相手の日々の生活に対してどこまで考えを巡らせることができるのか。それが男性に問われる場面である。そしてクロちゃんはそれに見事に失敗した。

ただそれだけの企画だったが、彼の独善性と醜さとイタさがよく出ている良企画だった。

なお、Xでのこのポストが行っていることが全てである。


本当にそれである


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