オカッテニタツワタシ
たぶんもうずっと前から気がついていたのです。そしてそんなジブンがあんまり好きではなかったりもします。ワタシは台所に立つとちょっとキッてなります。はじめは家族においしいものを食べさせたいっていう気合いの表れだったのかもしれません。できる限り見栄えの良い野菜多めの大皿一品料理を出勤前の限られた時間の中で作り、夕飯時に不在の母の存在を感じて欲しかったのかもしれません。冷蔵庫の食材へ最短距離でアプローチし手早く切って調理する、スピードと火力のなせる技が素材の味をフルに活かすのだと信じていた母のこだわりを無意識にアピールしたかったのかもしれません。でも改めて考えるとそれら全てはハタから見るとただのせわしないやかましいヒトリヨガリな行為だったかと。
キャベツの千切り専用ピーラーなるものがうちの台所のフックにかかっています。
ワタシは包丁遣いが雑なので、こういったスライサーやピーラー系に憧れる傾向にあります。このキャベツピーラーを使うと細かくてふんわりとした千切りキャベツが出来上がるのですが、一つ大きな問題点がありました。
細かく千切りされたキャベツが飛び散りまくるのです。
なんなら頭の上に乗っかることだってありました。一生懸命やればやるほど。用意された大きめのボウルには半分くらいしか入っていかない。これは仕方ないのだろうか。こういうものなんだろうか。トンカツ屋さんがおかわり自由と謳う人気の名脇役に素人が手を出そうとするとこういう目にあっても当然なのかもしれないと、ここ数年ガシガシとキャベツを削ってきました。
「やさしくゆっくりやってみてはどうか」ふと思ってみたのでした。
きのうは仕事もなく一日ゆったりした日でした。うちにはもうお腹を空かせて走り回る子どもたちもいないし、ワタシ頑張ってるよねアピールももう虚しいお年頃です。
肩の力を抜き腕の力を抜き顔の力を抜き完全脱力状態で小さな寝息を立てる猫を撫でるようにスゥーーーっとピーラーをキャベツの断面に滑らせていく。そういう事だったんだ。すべてのキャベツが受け皿の上にゆっくりと山になっていく様をみながら「やさしく」って大切な事なんだと改めて思った次第でした。ちょっと支離滅裂ですが。
ゆうべ夜中に一人で観た[My Big Fαt Greek Wedding]という映画はとても素敵な映画でした。家族、食べること、家族と共に過ごすこと全てが素直にいいなって思えるとても楽しい笑顔になる映画でした。
今日はきのう届いた「生きのびるための事務」という本を読みたいと思います。
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