おばさん先生でも楽しく生きる!発表会に出よう!
下手でも・・よくないよな。
発表会のお誘いがあった時、どよーんとしてしまいました。こんなに下手くそなのに・・こんなに平日なんて弾く時間が確保できないのに・・。ひどい演奏を人前に晒すのは・・・これは騒音でしかないのでは・・・。
音楽人生を歩んできたので(どの楽器も中途半端で終わっているが。)、発表会に出るために練習するという緊張感が上達を加速させることは知っている。
うーん。控えめな先生がだいぶ薦めるので、頑張ってみるかと。そして怒涛の1学期。トラブル続き。帰宅9時10時は当たり前。ピアノを弾くエネルギーさえも残っていない・・。どうすんだこれ?
昨年の日記からやる気をもらう。
今日弾いた曲は1年前に始めたばかりの頃にもらった楽譜であった。あまりにも難易度が高く、40点くらいのところで先生は次の曲に行こうという決断をしたくらいひどかった。
5年日記をつけているのだが、「こんな曲ひけるようになるのかなあ。」と書いてあった。あの頃よりは弾けている。こんな適当な練習でも続けると違うものだ。
28年振りに発表会に出てみた。
何とかなるでしょ。と思っていたが、手汗がすごい。舞台のそででは先生がリラックスさせてくれようと話を振ってくれた。ありがたい。
そして合図が出てステージへ向かう。お辞儀をゆっくりするところまではまあ、場数をこなしているので大丈夫。
椅子に座って譜面を見たら・・・あ、暑い!スポットライトだけではなく、空調そのものがおかしい。
廊下の方がだいぶ涼しい。今日は猛暑日。エアコンの不調らしい。
手を伸ばして鍵盤に向かう。やるしかないのだ。
覚悟を決めて最初の和音を弾く。なんかポコポコしてゆるゆるした音。え、こんな変な音?グランドピアノが初めてだからか?
日ごろは住宅事情により電子ピアノを使っている。余計に違和感がある。
気にしない!なんとかできるはず!と思っても暑い!気が散る・・あ、ミスした。そうだよな。練習ですら完璧なんて一度もなかった、いやいや、頑張らねば。とにかく先に行くのだ。
緊張のせいか指に力が入らない。でも、仕方ない。進むしかないのだ。
早く終わりたい、ということしかなかった。暑い、もわっとしたステージ上の孤独。耐えられないほどの不快感・・。心理的にも環境的にもたまらないほどの修行的な時間。
4分くらいなのに永遠のように感じた。人生で一番ひどいくらいの演奏だった。ショックだった。
とりあえず。お辞儀をしなくてはならない。もどる方向を間違えるくらいのショックだった。
舞台袖で先生が励ましてくれた。心理的ケアがありがたい・・。もはやカウンセリングに近い。
練習は裏切らないので、練習が足りなさすぎるという事実を改めて認識した。ああ・・・。
観客としての豊かな時間。
演奏したことよりも、他の生徒さんの演奏を聴けたことが良かった。上手な人の演奏を聞いて癒される、またはやる気になる、ということを想像していた。まったく違っていた。
一番の感動はおじいさんたちにあった。70歳、80歳のおじいさんたちが止まりながらも一生懸命に演奏しているのだ。ある方は毎日1時間を目標に、ある方は楽しめるように。人間一生懸命の姿に感動するのだ。
そして、年を取ったから、どうせ、ではないその生きる姿勢!自分の30年後の光のように感じた。
高齢者のカッコイイ姿から学ぶ。
若者には与えられない感動を与えてくれる年配の方々。いくつになっても目標に向かって前向きにゆっくりでも進むこと。これこそが人生を楽しむ秘訣なのかもしれないと考えさせられた。
なんでも中途半端な自分。でも30年続けたら?望みはある。諦めるから、なんでも中途半端なんだ。諦めないことがカッコイイ。
来年の自分を思い描いて、練習を続けよう。