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【第二回 空き家の窓】 地域のご縁を輪に「縁が輪市」&縁が輪市開催レポート

こんにちは!しおしーです!
今回は広報あくね9月号に掲載した「地域のご縁を輪に『縁が輪市』」の記事を改めてnoteでも紹介したいと思います。
広報には載りきらなかった写真や私の思い、当日の様子や準備の風景などもまとめていきます! 

こんにちは。 地域おこし協力隊の齊藤です。
今回は、7月21日に波留地区で開催された「縁が輪市」についてご報告します。 「縁が輪市」では、空き家に残された食器や着物が新たな持ち主の手に渡り、ご縁を輪のように結ぶ場になるようにという思いで開催しました。

当日は 20 名以上の参加があり、空き家問題に対する新たな取り組みになりました。SNS でイベントを知り、特定の家財を目当てに訪れた方もいらっしゃいました。

所有者の尾上さんからは「タンスの中などにあった、もう日の目を浴びることがないと思われていたもの が、必要と思ってくれる人のもとに届いたことが何よりも良かった」とうれしいお言葉をいただきました。家財の有効活用と参加者同士の交流が生まれたことは阿久根市にとって今までにない新しい価値を生み出 すことができたと思います。

次回の「空き家の窓」もお楽しみに!
空き家に関する相談や情報があったらいつでもお問い合わせくださ い。

広報あくね9月号 P.19 より

https://www.city.akune.lg.jp/material/files/group/67/0609_HP.pdf

並べられた食器たち
南部鉄器も出てきました

縁が輪市とは

阿久根市では、空き家の増加が深刻な問題となっています。現在、市内には1,800件以上の空き家があり、今後も増加が見込まれています。この課題に対処するため、阿久根市では「空き家バンク」の活用促進を進めています。

そこで、「縁が輪市」という家財譲渡会を企画しました。このイベントの目的は、空き家に残された家財を地域内で有効活用する仕組みを作り、空き家の利活用を促進することです。具体的には以下のような流れを想定しています

1. 家財譲渡
空き家に残された家財を譲り受けたい方々に提供することで、家財を地域内で循環させます。
2. 空き家バンク登録の促進
家財を整理することで空き家を空っぽにし、「空き家バンク」への登録を促します。
3. 空き家見学と利活用検討
譲渡会参加者に空き家を見学してもらい、空き家の魅力を知っていただく機会を提供します。

このように、「縁が輪市」は、家財を譲り受ける人にとってはお得なイベントであると同時に、地域全体で空き家問題に取り組む循環型の仕組みを作り出すものです。今後、このイベントが他の空き家でも広がり、地域活性化につながることを目指しています。

準備の様子

所有者の方とご挨拶

地域おこし協力隊として活動が始まり、最初に任されたのがこの「縁が輪市」のイベント企画でした。この物件の所有者の尾上さんは、「空き家を誰かに譲りたいけれど、家財が多すぎて次の一歩を踏み出せない」という空き家問題に直面していました。
空き家の活用を妨げる原因の一つが、処分しきれない家財であることを尾上さんとの会話を通して改めて実感しました。

この課題は空き家問題を考える上で誰もが直面する共通の壁ともいえます。そんな尾上さんの想いを受け、私たちは「家財が新しい持ち主のもとで再び活用される場を作ろう」という決意でイベント準備に取り組みました。

この建物を管理している尾上としえさん

家財がたくさん、歴史がたくさん

尾上さんのお家には、大量の家財が残されていました。それらは単なる物ではなく、家族の生活や地域の歴史を感じさせるものでした。冠婚葬祭のために揃えた布団や食器、親戚からの贈り物、長い間タンスの中で眠っていた着物、そしてレトロなミシンや電気など多くの思い出が残されていました。

こういった背景を知ったことで気軽に家財を処分することができず、「これらを誰かに譲って使ってほしい」という尾上さんの想いが強く伝わってきました。

所々にレトロなミシンやライトが、、、!
親戚から頂いて、一度も使えなかった家財も
北薩ボイラーの事務所として使用していたため風通しはしていたそう

イベントに向けた看板やチラシ作成

「縁が輪市」というイベント名、ロゴは、地域おこし協力隊の先輩に作成してもらいました。「縁側で家財を譲る」という私たちのアイデアが、「ご縁が輪になり、繋がりが生まれる市場」という素敵な意味に変わり「縁が輪市」という名前となりました。

この想いのもとロゴやフォントが作成され、イラストからも文字からも想いが伝わってくる素敵なロゴに仕上がりました。

縁が輪市ロゴ

この想いのもとロゴやフォントが作成され、イラストからも文字からも想いが伝わってくる素敵なロゴに仕上がりました。
このロゴをもとに、私はチラシ制作を担当しました。ロゴのオレンジと緑を基調に、「輪」の繋がりと日本の心「和」を意識したデザインに仕上げました。
しかしそれだけだと家財処分という、どちらかというと重たいイメージのあることに対してハードルを下げたいと思い、フォントは丸めのものを選び、ゴシック系のものは角を取るように意識しました。

縁が輪市チラシ

また、今回だけでなく他の場所でも行うイベントにしたいと思い、看板ものぼり旗も作成しました。
看板作りなど今まで経験がなく、手書き部分は慣れない作業でしたが、先輩の助言を受けながら試行錯誤して完成させました。

看板には薄茶色のスプレーでロゴと同じ色味に
完成した看板がこちら!手書きで頑張りました。
この日に向けて作ったのぼり旗

イベント当日

2024年7月21日、「縁が輪市」が開催されました。当日は22名もの方々が足を運び、多くの家財が新たな持ち主のもとへと旅立ちました。
縁側に並べた家財を自由に持ち帰ってもらうという当初の想いを形にできただけでなく、実際に家の中を見学してもらうこともできました。

薩摩川内からInstagramを見て来てくださった方も
箪笥の中から出てきた綺麗な着物たち
色とりどりの着物は大人気でした

尾上さんからも「タンスの中などにあった、もう日の目を浴びることがないと思われていたもの が、必要と思ってくれる人のもとに届いたことが何よりも良かった」と嬉しい言葉をいただき、縁が輪市の想いが所有者の方にも伝わっていたことが分かり、この日を無事迎えられてイベントを行うことができてよかったと感じました。

その後について

イベント後、細かな残り物を処分し、家はすっかり片付きました。そして、尾上さんと相談の上、市役所の空き家バンクに登録しました。

「縁が輪市」を通じて、家財が新しい持ち主のもとで役立つ姿を見ることができ、地域の歴史や想いを次世代に繋げる一歩を踏み出すことができました。


空き家という町の資源を未来へ

この記事が、多くの人々に空き家に関心を持っていただくきっかけとなり、空き家という地域資源が循環し、未来に生かされる一助になれば幸いです空き家はただの古びた建物ではなく、地域の歴史と物語が詰まった貴重な財産です。

そしてそれを次の世代へとつなげることが、私の使命だと感じています。

阿久根市の地域おこし協力隊という活動での取り組みを通して、この想いをさらに深め、広げていきたいと思います!

空き家に関するご相談や情報がありましたら、下記の相談・質問シート、電話やメールなど、お気軽にお問い合わせください。
空き家相談・質問シート:https://forms.gle/A7BpiUAtbWnn8cwSA


阿久根市地域おこし協力隊
齊藤 詩織(しおしー)
tel:0996-72-3646
mail:crcsakune@gmail.com
Instagram:@akune_shioshi https://www.instagram.com/akune_shioshi/



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