英語教育に全力投球したパパが見た現実ー留学、外資系企業での経験から考えたこと
子供に身につけてほしい英語力って?
「英語ができるようになってほしい」と願う親御さん、多いですよね。我が家もまさにその一員です。私たち夫婦は海外での仕事経験から、英語がもっと話せていればなあと苦い思いをしたことが何度もありました。だからこそ、娘たちには早くから英語教育に力を入れてきました。プレスクール、バイリンガル幼稚園、インターナショナルスクール……とフルコースで英語に触れる環境を用意したんです。
私自身、外資系企業に勤めていますが、管理職以上になるには英語が必須。なにせ上司はほぼ外国人ですから、英語でやりとりできないと話になりません。一方で、英語ができて仕事がきちんとしていれば、学歴はあまり問われず昇進のチャンスがあるのが現実です。実際、私がこれまで採用面接をしてきた中でも、重要なのは①仕事がきちんとできること、②英語力、③コミュニケーション能力。学歴はあくまで参考程度で、それよりもこれまでのキャリアや面接でのやり取りが評価の鍵でした。
こうした背景もあって、「やっぱり子どもには英語を身につけてほしい」と思うのですが……。
インターナショナルスクールに通わせた経験から感じたこと
長女をインターナショナルスクールに通わせた当初、娘の英語力がぐんぐん伸びるのを見て感動しました。泣きながら宿題をこなす毎日でしたが、その努力が実を結び、親としてはうれしい限りです。ただ、まわりの保護者と話すうちに、気になることも出てきました。それは、日本語力の低下と、基礎学力や教養の不足です。
私自身、研究者時代にアメリカで5年近く留学しましたが、そのとき英語が全然できず、本当に苦労しました。でも、不思議と周りの人は丁寧に話を聞いてくれたんです。振り返ってみると、私が研究者としてある程度の実力を持っていて、話す内容に説得力があったからだと思います。
今も外資系企業で働いていますが、ネイティブ並みの英語力には程遠いです。それでも仕事が成り立っているのは、私の意見や指示が「聞くべき内容」だと周りが理解してくれているから。結局、英語はただのツールであって、重要なのはその人自身の実力や教養なんですよね。
母国語としての日本語力が英語力向上につながる
娘の英語力が伸びているとはいえ、リスニングは得意でも、話している内容は年齢相応。そこで気づいたのは、言葉は論理的思考や深い考えを育むうえで非常に大切だということです。
私たちは英語ネイティブではないので、英語中心の学習だけではネイティブに追いつくのは難しいと思います。だからこそ、母語である日本語をしっかり学び、言葉力を高めていくことが重要。英語はあくまでセカンドランゲージとして身につけるのが、我が家にとってはベストな選択だと考えています。