ネイリスト卒業
今日はようやく時間が取れたので
8月末で退職をしたネイルブースの
道具類を下げに行ってきた。
ネイリスト経験は6年という短い期間であったけど
26歳からの約3年間は
他店で下積みからサロンワークをしていて
コロナ渦になってからの3年間では
21歳の時からアルバイトしていた
スポーツクラブでの一角のスペースで
本業の傍ら、業務委託契約として
仕事をさせてもらっていたのだ。
一通り大きい荷物、インテリア雑貨なんかは
ダンボールに詰めて。
ジェル容器やブラシについた
ダストやジェルをエタノールで拭う。
マシンの細部までダストをはらって眺める。
私のマシンはウラワg3のシャンパンゴールド。
ネイリストデビューして1番最初のでかい買い物は
みんなこれだろう。
下積みの頃は嬉しくて嬉しくて毎日拭いていた。
その日の全てのお客様を施術し
それから練習で居残り
それが終わって次は自分の道具達を拭く。
ぼんやりと下積みの頃を思い出しながら
なぜか嬉しい気持ちで
そっと道具達を段ボールに仕舞い込んだ。
ネイルから離れる事も
12年(後半はほぼダブルワークだったり、ネイルのみの出勤だったが。)勤めたクラブから
本当にお別れすることも
なぜか全く寂しくなかった。
多分その先にある何かを自分が本能で分かってるのかもしれない。
何かを手に入れる為には
手を空けなくちゃ待てない。
けど一度でも手にしたものは消える事なく
自分自身に経験として知識として感覚として
染み付いてる。
それは無くなる事はない。
下積みでのモデル施術、試験練習、初めての入客。
楽しいよりもプレッシャーの方が勝ってたっけ。
入客したときに喜んでくれた先輩がいたこと。
辛かった2時間があっというまに
手も口も動くようになったこと。
席に着いてもらってからの提案のしかた。
最初はオフまでデザイン決まらないなんてザラで。
よく先輩に怒られたっけ。
先輩の怖いお客様のヘルプに急遽
つけさせてもらった事。
下手くそでも指名してくれるお客様達がいたこと。
沢山、私の知らないことを聞かせていただいた。
スランプで全く手が動かなくなったり
たまに調子付いて慢心しちゃったこと。
だんだんマネージャーが
お店の相談をしてくれるようになったこと。
私を頼ってくれたこと。
私の意見をいつも真剣に聞いてくれたこと。
新しい下積みの子が一生懸命頑張ってくれたこと。
教えるのが初めてで緊張していた私に
喜んで沢山聞いてくれたこと。
好きなことでお金を稼ぐには
いつだって努力が必要なこと。
子供達との時間がなかなか取れなくなっても
いつも子供達は許してくれたこと。
心が折れそうなときには
友達や後輩や先輩やクラブの人達が
いつもそっと励ましてくれたこと。
この仕事を通して
関わってくれたすべての人達によって
知らなかった自分を知れたこと。
ありがとうございました。
いい、思いをしました。沢山の。
今日はなんだか安堵感と胸がいっぱいで。
初めての感覚。
もう少し、ゆっくりしたら
寝ようかな。
世間は明日もお休みかな。おやすみなさい。