暗殺ロボット(SFショートショート)
あらすじ
22世紀の未来。パースノイドと呼ばれる人造人間が人類に対し反乱を起こしたのだが……。
22世紀の世界は、人工頭脳が進化したパースノイドと呼ばれる機械人間が人類に対し反乱を起こし、ロボット対人間の、戦争が続いていた。
やがて人類側のリーダーに優秀かつカリスマ性のある女性がつき、パースノイド側は不利な状況に置かれる。
ちょうどその頃ヒト陣営も機械軍団も、タイムボートを発明していた。このタイムボートを使えば、過去の世界に行って、歴史を改変する事も可能なのだ。
パースノイド陣営はタイムボートに刺客を乗りこませ、人間側のリーダーが少女のうちに殺害しようと考える。
暗殺者として機械人間側のリーダーから命令を受けたパースノイドは10代の少年の姿をしており、タイムボートに乗りこんだ。
相手が10代の少年ならば、人類側も油断するだろうというのが機械人間側のリーダーの判断である。タイムボートから過去の世界に降りた暗殺者は、標的である14歳の少女の額に光線銃の銃口を向けた。
「君には今の状況がわからないだろうけど、残念ながら死んでもらうよ」
少年の姿をしたパースノイドは言明する。
「残念なのは、あなたの方ね。ロボットさん」
背後から女性の声がしたので振り返ると、そこには20代ぐらいの人間の女が立っており、光線銃をパースノイドに向けていた。
「引き金を引けば、あなたは瞬時にスクラップ。我々未来の人類は、あなた方の動きを察知して、こうして暗殺を食い止めに来たってわけ」
今度は女の背後から、気配がした。振り返ると、そこには光線銃を構えたパースノイドがいて、その後ろには人間側の刺客がショックガンの銃口を向けており、その背後にはパースノイドが……。