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ベランダから物を投げるおばさん。

いい具合にADHD気味の夫はとても忘れん坊だ
とにかく準備する、というのは苦手分野なのだ。

だけど
本を読んだり、
ゲームの内容は恐ろしいほど覚えている。
そっちは得意分野。

毎日出勤の準備がぬけぬけなので
玄関で「いってらっしゃい」と送り出したあと
マンションのベランダから
駅へ向かう夫を見ている。

そうすると、振り返り
高確率で大手をブンブン振って
「忘れ物しましたーーーーーー」とアピールしてくる。

一昨日はマスク。
昨日は時計。

忘れたらマンションの下に陣取り
わたしが上から投げるのを待っている。
クマ牧場でエサをねだるクマみたいな夫。
取りに帰ってくると、
電車で思ったポジションがとれない。
(って言ってたと思う。違うかも。とにかく取りに戻らない。)

ただ、難関がある。
ベランダの下は駐車場。
なるだけ遠くに放り投げないと危ない。
ていうか、常識的にアウトだろう。

毎朝のイライラが募ったわたしは
夫に伝えた。
「わたしはベランダからモノを投げるおばさんに
なっていて、不快だ。」と。

夫は謝りつつも
「今日時計投げる時、鬼の形相だった笑」と言った。
「貴乃花と武蔵丸の試合の時の
貴乃花の鬼の形相みたいだった!」とも。

こういうのにいちいち腹を立てていては
身が持たないのは、学習済みだ。
わたしは笑った。夫も笑った。

でも、今思い返すとだいぶ腹立つな。

その夜
「貴乃花vs武蔵丸 伝説の1戦、貴乃花の鬼の形相」の
写真を嬉しそうに見せてきた夫。

あー、さすがに腹立つなー。

でも怒りはしない。
ぱっ、と怒りを手放して笑った方が
必然的に穏やかな方向にいける。自分が。
わたしがこれだけ腹を立てていることを
夫はわかっていないと思う。

だけど、この感覚の違いは
慣れるしかない気がする。
家ではのびのび思ったことを言うから、出ちゃう。
ただそれだけの事だと。

忘れ物対策に【朝の持ち物チェックリスト】を作った。
持ち物は5個しかなかった。笑

もう夫に任せると、同じ轍を踏むので 
今朝はわたしがリストを見ながら用意した。
それに夫は今朝もいつもと同じ動きだった。
自分でやる気はないのかな。

きっと夫は言うだろうな。


「朝、苦手。」と。

そう。朝も準備も苦手だから仕方ないのだ。

大丈夫。すべてはうまくいっている。
明日も楽しくすごそー!



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