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わたしを保つ「変」を愛する(神谷日向子)
思えば、一生懸命、周囲に馴染めるように自分をラッピングしてきた日々でした。目立つのはいいけど悪目立ちしないように。
なんだそれ! って感じなんですが、外れちゃうことって、しっかり怖いんです。この絶妙な塩梅を何十年もかけて探ってきて、ぎりぎりバランス保てるぐらいになったかな? と思うとボロが出るというか、「あ、そこは行き過ぎだったんだー」と知る。
「でもおかしくない? もっとこうしても良くない?」と言うだけ言ってみるけど、心の中ではいつもどきどきしてる。
歯を食いしばって社会に揉まれていると、流れの速い川が頭に浮かびます。はじめはさまざまな形をしていた石たちが、削られ、角が取れ、同じような丸い形になっていく。元の形を思い出せなくなる。
「わたしの感覚や考え方って“変”なのかな?」
すごく不安になると同時に、わたしの中の“変”はそれでも手放すことができない、わたしをわたしとして保つために重要な、愛しいものでもありました。
あなたの“変”の物語はどんなものですか?
わたしは勇敢な人間ではないので「常識」や「当たり前」と向き合い続けるには知識や仲間が必要で、もがいているうちに気づけば漂着していたのがこの場所でした。
自分の、誰かの、愛しい“変”を、ただただ大事にしたい。それだけです。
(神谷日向子)