ファミマおでんの思い出
「おでん発売開始!!」
大々的にそう書かれていた最寄りのファミマの旗が見えた瞬間
おでんのおの字も頭の中に浮かんでないのにも関わらず、気づいた頃にはおでんの中に足を突っ込んでいた
にしても完全に早すぎる
まだ季節は秋(だと思いたい)
本日は10月9日
よし、そろそろ長袖を着てみよっかな🎶
くらいのテンションで秋服をおろしたばっかりなのに
なぜその上に上着を羽織っているのか誰かおしえてほしい
この連休で冬は周囲の地域より寒いと言われている下呂の方に旅行に行っていたのだが
念の為分厚めのレザージャケットを着て行ったのにも関わらず
名古屋に着いても横浜に着いてもその上着を脱ぐことはなかった
横浜には1年程しか住んでいないが
最寄りのファミマのおでんには数え切れないほどお世話になった
横浜に異動になってからの1年半、
冬の思い出の半分はファミマのおでんで埋め尽くされていると言っても過言ではない
21時を過ぎると全ての商品が20円引きになる
夜間のファミマ店員の顔ぶれは大体決まっている
レジ打ち担当は40歳くらいのおばちゃん
「おでん20円引きでぇ〜す!!いかがでしょうかぁ〜〜!!」
“おでんを売らないと帰れま10”
みたいなノルマがあるんじゃないかと心配になる程腹から声が出ていた
屋台のような雰囲気さえ出ており
ファミマに入る頃にはここがコンビニであることをすっかり忘れてしまう
「今日は何にするぅ〜??」
「どうしよっかなぁ、だし巻きとかあんまり食べたことないんですけど美味しそうですね」
「だし巻きね、私も食べたけどね、ほんっとうに美味しいからおすすめぇ〜!」
「あ、ほんと?じゃあ今日はだし巻き入れてもらおっかなっ」
もう一度言うがここは屋台ではなくファミマである
どうやらこのおばちゃんはノルマに犯されている訳ではなく、楽しんで仕事をしているだけなのだと確信した
このおばちゃんの虜になった私は
おばちゃんに会いに行くために週3でファミマへ足を運んでいた
季節が変わり春になり、
気がついたら大学生のアルバイトで周るようになっていた
あのおばちゃんは冬限定のおでん要員だったのかもしれない
あの屋台ごっこが恋しいと思った秋だった