今度、もう一度は、ないかも、という話
世話の焼ける父親が、倒れた。お酒が好きで汚部屋に住んでいた父親。だけど、私のたった一人の父親だから、毎日真心を込めたお弁当を届けていた。
78歳のお誕生日会、嬉しそうだった。バイバイ、またね、と言葉を交わした数日後、ベランダで倒れている姿で発見された。ほぼ意識はなかったのと数日雨ざらしだったらしい。
いま父親は人口呼吸器に繋がれ、辛うじて命を繋いでいる。お父さん、もっともっとわがまま言っていいよ。美味しいごはんも作るから。お願いだよ。また、笑顔がみたいよ。お金もあげるからさ。この声、届いているかな。
もう一度、が許されるのなら、とびきり美味しいお弁当を作ってあげたい。
忙しい毎日だけど、丁寧に生きようって改めて思った。身近にいるまわりの人を大事にしたい。
もう一度がまた私と父親にきますように。
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