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「あなたのハンカチを」の話(2024.9/11の日記)

 私は江戸川乱歩の「人間椅子」がものすごく好きで、最近あらためて「ものすごく好きだな~」と思っている。今日は日記というよりその話をしたい。

 今日一日過ごしながら、「世の中にある人間椅子を全部ゲットしたい」とずっと考えていた。いろんな出版社やレーベルから出ている「人間椅子」を全部1つずつ所持していたいという欲望だ。声優さんが読み上げた朗読CDもあるらしく、それも聴いてみたいと思っている。

 「人間椅子」の何が好きなのか、自分でもあんまりわかっていない。あれかも、奇っ怪なものが好きな自分が好きみたいなやつかもしれない。よくわからないけど「人間椅子」を初めて読んだときの衝撃が、まあたぶんそこそこあって、ちょっと曖昧な感じで終わって正解が若干わからない感じも好みだったんだと思う。そんなふわっとした気持ちで「全部ゲットしたい!!!」と言っている。奇っ怪な小説をコレクションしている私/////みたいな気持ちなのかもしれない。

 今持っている「人間椅子」は2つで、1つは新潮文庫の「江戸川乱歩傑作選」に入っている。これで読んだのが初めてだった。この小説は、後半になるにつれて江戸川乱歩の「変態小説だ!」と言われる部分がめちゃめちゃ詰まっていて好きだ。高校生の頃、現代文の先生に「最近は江戸川乱歩の『芋虫』を読んでいます!」と言って引かれたのを覚えてる。

 もう1つは最近出たやつで、「100分間で楽しむ名作小説」シリーズの「人間椅子」。ちょっと文字が大きくて読みやすいのがうりらしい。確かに読みやすかった。入っている話数も少なく、1冊が薄かったから、読み終わった達成感も手軽に得ることが出来て良かった。これを買って読んだ時点で、同じ小説を複数持っていてもいいんだな、という気持ちになった気がする。

 帰宅して色々調べたら、結構簡単にゲット出来そうな「人間椅子」が3つあった。1つは角川ホラー文庫のやつ。あとさっき書いた声優さんの朗読CD。それから絵本になったやつ。これも比較的最近出たらしい。朗読CDは好きな声優さんが読み上げているものがあって、これは買いだな……?と思っている。あとはなんとか全集とか、おそらく絶版のプレミアっぽいのばかりだった。見つけられるかも怪しい。

 調べれば調べるほど、「全部」を集めるのは現実的じゃないな~と思うようになった。それより持ってる2冊をすり切れるまで読む方が愛だと思うし。だけど、誰に見せるでもない愛をわざわざ制限するのもな~と思ったり、全部買うのだって誰かに見せようと思った愛なのでは?と思ったりしている。

 朗読CDはきっと買います。あの人が読み上げた「人間椅子」は、本当に椅子に座るのが嫌になるだろうと思うから。

※追記↓

 今改めて調べたら「人間椅子」が入ってる本めちゃめちゃあった。出版社のホームページで調べたら出版社ごとに数冊ずつはあった。すごい。「全部」は私のお財布的に難しいです。なんか気になるやつだけでも買っちゃお!という気持ちになっている。

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