見出し画像

知っておきたい、成年後見制度

相続や終活の話を聞いていて
知らない言葉や制度の名前が出てきた…


終活に関わるもの、そうでないもの
どちらにしてもよくわからないままでは
活用することはできませんね

関係する言葉や制度のことをより早く掴み
色々な方法があることを知りましょう

亡くなる前に気になっていても
わからないことが多いと手が出せません…

当ブログはそんな方へ向けて
まずは”本当の基礎”から書いていきます


《成年後見制度とは》

成年後見制度は法的な手続きを通して
その人の財産や生活を守る仕組みです

知的障害や精神障害、認知症や脳疾患など
物事を判断する能力が安全な生活において
問題があると判断された時に使われます

本人または家族が本人の同意をもって申し立て、
家庭裁判所の審判を経て成年後見人となった人は
後見される人の財産管理や生活の世話をします

1度後見人になると簡単に外れることはできず
また後見人という立場は保護や管理が目的なので
不要な不動産だからと勝手に資産を売却したりはできません

後見しにくいから、という理由で
本人に引越しをさせたりもできません

また医療行為への同意や婚姻、遺言なども
本人の意思が確認できなければなりません

後見人が必要な状態であっても
本人の意思なしでは行えないことは残ります

家庭裁判所の審判で後見人が確定しても
その経過で本人に決定権が残る項目もありますから
ネットに書いてある”本人ができる・できない”ことがすべて当てはまるようになるわけでもありません

とはいえ必要に応じて本人の財産を運用したり
本人がしてしまった契約の解除ができるので
当ブログとの関わりで言えば
終活に関わって本人の望む最期にしたり
財産管理を任されるということで
相続の手続きに関わるというところですね

これもまたなんでも、というわけはないですが
後見人として関わっておくことで
本人との関係を保つことにはなります

また成年後見制度は悪用を防ぐため、
成年後見人への生前贈与が禁止されていたり
成年後見人となるのが家族以外の場合であったりします

自分の親なんだから自分が…と思っていても
家庭裁判所の審判次第で選ばれませんし
複数人が選ばれることもあります

自分が選ばれると思っていなくても
審判によって任命されたら
すぐ辞めますというわけにもいかないので
家族感や親類間での話し合いも必要ですね


また後見人には弁護士や司法書士など
家族以外が任命される場合もあります


その場合は後見人となってもらう期間ずっと
弁護士や司法書士に後見料を支払うことになります

申し立て自体も費用がかかる項目がありますし
出費が予想外になることもあるので
申し立てる前によく考えなければなりません



《成年後見制度のメリット》

上に挙げていった注意点だと
なんだか多くのことに気をつけなければなりません

しかしそれを上回るメリットがあってこそですので
ここからはメリットのお話をします

①介護や葬送の費用を本人の資産で賄える

後見人が居ないまま本人しか
財産に手が出せないとなると
介護やお葬式の費用は誰が出すでしょう?

介護施設の入所費用やお葬式など、
本人に関わる費用は本人に払わせることができます

②詐欺や不備契約での損を防げる

成年後見人になると、
本人が独断でした契約の取消権を得ます

詐欺被害や財産の使い込みを防ぐことで
本人の財産を守ろうという考えです

勝手に現金にして行方が分からなくなる、
口車に乗せられて高額な売買契約をしてしまった、
などは防げそうですね

③後見人が直接介護する必要はない

後見人は本人の生活を保護・管理する人なので
家事手伝いや食事を作る必要はありません

”後見人=一緒に住んで家事を引き受けないと!”
なんてことはないので知っておきましょう

毎年、家庭裁判所に報告義務はありますが
同居や直接介護の負担は義務ではありません

必要なサービスがあるとわかったら
家庭裁判所に報告して監督を受けましょう



《成年後見制度はひとつではない》

こうして説明を読んでいると思い込みがちですが
成年後見制度というのは柔軟な制度です

後見人レベルまではいらない判断能力があるのに
後見人制度しかないと不便ですね

成年後見制度の中身には

・補助、保佐、後見からなる法定後見制度

・任意後見制度

の2つが存在します

次のブログでは任意後見制度について
書いていこうかと思いますので
よければそちらもよろしくお願いします

今回ご紹介したのは法定後見制度の
成年後見人についてということになります

自分や家族のために何がいいのか
よく選べるようになりましょう
 


《まとめ》

成年後見制度はなんでもできるわけではありませんが
相続や終活と切り離せない話題のひとつです

できることやできないことを知って
後悔のないようにしてみてくださいね

いいなと思ったら応援しよう!