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安らぎの光景

前夫が亡くなってもう20年は過ぎましたが、今でも時々思い出す、安らぎの光景があります。
それはまだ、生まれて間もない娘と共に3人で暮らしていた、数ヶ月の間の時のことです。

その頃、亡夫は工場勤務をしており、早番、遅番、夜勤という勤務を大体1週間ずつ交替でしていました。
私は厨房の仕事で、シフトは毎日違う勤務時間です。
そのため、帰宅時間や就寝時間が合わず、顔を合わさない日も数日続くこともありました。
それで、交換日記のような連絡ノートを作り、お互いに書くことになりました。
ここでコミュニケーションを取っていたように思います。
そのようにしながら、私は臨月まで働き続け、育児休業に入りました。

出産は緊急で帝王切開となり、その後すぐ育児に入り慌ただしく忙しい日々ではありましたが、とても幸せでした。
娘の世話をしながら亡夫の出勤を見送ったり、帰宅を待って3人で一緒に過ごしたこの時は、今でも私の心の宝物となっています。

特別なことではなく、一緒に暮らした家族の生活の中に、安らぎがありました。
日々の中に、その目の前にある宝物に気づけることは、何より幸せなことだと思います。

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