ギリシャ神話の神々・ゼウス(主の神)
ゼウス。
ギリシャ神話においてかかせない神ですね。
ギリシア神話の主神で、創造的能力や人格的性質を持ち、全知全能の存在です。
ゼウスは全宇宙や雲・雨・雪・雷などの気象を支配する天空神であり、オリュムポスの神々の家族や人類の両方の守護神・支配神であり、神々と人間たちの父と考えられていました。
その力は、キュクロプスの作った宇宙を破壊できるほど強力な雷霆(ケラウノス)を持ち、オリュンポス最強といわれるほど強大なもので、この雷霆をゼウスが使えば全宇宙を焼き尽くすことができると言われています。
「光輝」と呼ばれる天界の輝きをまとった鎧
雷霆の一撃をも防ぎ、更に敵を石化させるアイギスの肩当て
これらも防具として持っていました、
聖獣は鷲、聖木はオーク。
オークの木のささやきによって神託を下したとされる、イピロスの地にドトナに神殿があります。
ゼウスの栄誉を祝福して、4年ごとにオリンピック大祭がオリュンピアの地で開催されました。
ってお話もありますよ。
*イピロス
ギリシャ共和国のペリフェリア(地方)のひとつ。
現在のギリシャとアルバニアにまたがるイオニア海沿岸の地域を指します。
*ドトナ
ギリシャ北西部イピロスに存在した最古の古代ギリシアの神託所です。
*オリュンピア
ギリシアのペロポネソス半島西部に位置する古代ギリシアの都市。
古代オリンピックが行われた場所であり、現在も数多くの遺跡が存在します。
1989年世界遺産に登録されました。
さて、ゼウスの生まれはどうでしょう。
タイタン神族のクロノス(大地・農耕の神)とレア(大地の女神)の子として生まれました。
ゼウスの弟としてハデスとポセイドン。
ゼウスの姉で正妻でもあるヘラ。
デメテル・ヘスティアも兄妹です。
ゼウスの父クロノスは、自身の父ウラノスに、クロノスの子に倒されるという予言を受け、わが子に支配権を奪われる不安にかられていました。
クロノスは、生まれた子供を次々に飲み込んでしまったそうです。
そこで母レアは、ガイアに相談して闇夜の外でゼウスを産みました。
ゼウスを産んだとき、石を産着で包んでゼウスに見せかけ、クロノスに飲ませることに成功しました。
その後、ゼウスはクレタ島のディクテオン洞窟でアマルテイアに山羊の乳を与えられ育てられました。
ゼウスが愛した女性たちと子供たち
女神をはじめ、多くの人間の女性にも次々と手を出して子孫を増やしてきたました。
よほど魅力的な男性だっだのでしょうね。
現代にいたらボコボコにされますね(笑)。
神々の中では、
メティスとの間に
*アテナ(知恵・工芸・戦略の神)
レトとの間に
*アポロン(予言・芸術・音楽・医療の神)
*アルテミス(狩猟・森林・純潔の神。豊穣の神)
マイアとの間に
*ヘルメス(伝令神。旅人たちの守護神)
ディオネとの間に
*アプロディテ(愛と美の神)
ヘラとの間に
*アレス(軍神。戦争の災厄を司る)
*ヘパイストス(火山・炎・鍛冶の神)
*ヘベ(青春の女神)
デメテルとの間に
*ペルセポネ(冥界の王妃。春・芽吹き・乙女・季節の神)
セメレ(テバイの王女)との間に
*ディオニュソス(豊穣・葡萄酒・酩酊の神)
そのほか
ムネモシュネ(記憶の女神)との間に
*9人のムサ(文芸を司る女神)たち
エウリュノメ(海洋の女神)との間に
*3人のカリス(美と優雅を司る女神)たち
セレネ(月の女神)との間に
*パンディア
*ヘルセー
*ネメア
が誕生しました。
人間の女性との間にもたくさんの子供たちが誕生しています。
ダナエ(アルゴスの王女)との間に
*ペルセウス
アルクメネ(ペルセウスの孫)との間に
*ヘラクレス
レダとの間に
*ディオスクロイ(双子の兄弟)
アンティオペとの間に
*ゼトス
*アムピオン
エウロペとの間に
*ミノス・ラダマンテュス・サルペドン(3人とも冥界の審判者)
カリスト(アルカディア王の娘)との間に
*アルカス
イオとの間に
*エパポス(エジプトの王)
が誕生しています。
すごいですね!ざっと30人はいますね~!
いや、もっといるかもしれませんね(笑)
王位簒奪戦争(ティタノマキア戦争)
ゼウスの父・クロノスはウラノスに「やがてお前も自分の息子に王位を狙われることになるだろう。」と言われ、不安にかられていました。
クロノスは、父親と同じように、子供が生まれるたびに子供たちを飲み込んでしまいました。
ゼウスが産まれたとき、ガイアは、石を産着で包んでゼウスに見せかけ、クロノスに飲ませることに成功しました。
クレタ島で密かに育てられたゼウスは、クロノスに神酒ネクタールを飲ませて、兄弟を飲み込んだときとは逆の順に吐き出させることに成功しました。
このとき、兄弟の序列が入れ替わり、末子であるゼウスが最高神となったと言われています。
その後、兄弟は力を合わせて、クロノスとタイタン神族を倒しました。
ゼウスとポセイドンとハデスは支配地をめぐってくじ引きを行い、それぞれ天界と海界と冥界の神となりました。
ハデスは冥界の神となったためにオリュンポス12神から除外されたと言われています。
宇宙の支配権を巡る大戦(ギガントマキア)
ガイアはオリュンポスの神々が、自分の子であるタイタンたちに対する待遇が気に入らなかった。
そこでガイアは、ゼウスたちオリュンポスの神々から宇宙の支配権を奪い取るために、ギガスという、山よりも巨大な怪力の巨人たちを送り、ギガントマキアと呼ばれる大戦を引き起こします。
最終決戦
ギガントマキアでゼウスたちを懲らしめられなかったガイアは、タルタロスと交わり、最強の怪物テュポンを生み出してオリュンポスを攻撃させました。
テュポンは世界を大炎上させ、天空に突進して宇宙中も暴れ回りました。
これには神々も驚き、それぞれ動物に姿を変えてエジプトの方へと逃げてしまいました。
しかし、ゼウスだけはその場に踏み止まり、テュポンとの壮絶な一騎討ちが始まりました。
ゼウスは雷霆とアダマスの鎌でテュポンを猛攻撃し、テュポンは万物を燃やし尽くす炎弾と噴流でそれを押し返しました。
決戦は天上の宇宙で繰り広げられたことで、全秩序は混沌とし、全宇宙は焼き尽くされて崩壊してしまいます。
両者の実力は五分五分です。
しかし、接近戦に持ち込んだゼウスがテュポンのとぐろによって締め上げられる怪力で敗れてしまいます。
テュポンはゼウスの雷霆とアダマスの鎌を取り上げ、手足の腱を切り落とし、デルポイ近くのコリュキオンと呼ばれる洞窟へ閉じ込めました。
そしてゼウスの腱を熊の皮に隠し、番人として半獣の竜女デルピュネを置き、自分は傷の治療のために母ガイアの元へ向かいました。
ゼウスが囚われたことを知ったヘルメスとパンは、デルピュネを騙して手足の腱を盗み出し、ゼウスの救出に向かいます。
2人はゼウスを治療し、力を取り戻したゼウスは再びテュポンと壮絶な戦いを繰り広げ、今度はテュポンに深手を負わせて追い詰めます。
テュポンはゼウスに勝つために運命の女神モイラたちを脅し、どんな願いも叶うという「勝利の果実」を手に入れます。
しかし、その実を食べた途端、テュポンは力を失ってしまうんです。
実は女神たちがテュポンに与えたのは、決して望みが叶うことはないという「無常の果実」だったのである。
モイラさん達!脅しに屈しなかったのね!
テュポンは悪あがきとして全山脈をゼウスに投げつけようとしましたが、雷霆によって簡単に弾き返され、逆に全山脈の下敷きになってしまいます。
テュポンはシケリア島まで追い詰められ、エトナ火山を叩き付けられ、その下に封印されました。
それ以来、テュポンがエトナ山の重圧を逃れようともがくたび、噴火が起こると言われています。