キャスト座談会①モーガン

モーガン役: 千田阿紗子(あちゃさん)、津田彩花、橋本薫子(ゆっこ)、樋口友理

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜インタビュアー:モーガンは「情熱的な女性」と書かれていますが、皆さんもミュージカルの世界で生きていくことに対する情熱をお持ちだと思います。ですので、モーガンに共感する部分などがあると思いますが、いかがでしょうか?

千田:もう共感しかない感じがします。バイトをしながら「このままでいいのか」と悩んでいる部分とか…。

橋本:ネタバレになってしまうんですけれど、自分のやりたいことを貫いて、自分の主張をして、クビになってしまうところとか…。

千田:え、(橋本さんは)クビになる側ってこと?

橋本:そう、クビになる側です。

千田:すごいねー!絶対私できないもん!

樋口:私もできない!絶対自分守っちゃう!

千田:そうなったとしても、「ほかの生きる道探そう」とか、「自分の考え方変えてみよう」とか、なんか平和主義になっちゃうよね。だからモーガンの情熱には憧れるところはあります。ミュージカル以外のどの仕事でも、やっぱりみんな情熱を持ってやっているんだろうと思うから、いろんな人にモーガンの情熱が当てはまるのかなと思います。それでギャーと主張はしなくても、「このままでいいのかな」っていう不安っていうのは、人間みんなが持っているものだと思うので、そういう意味ではやっぱり、モーガンはお客さんや私たちリアルな人間に近い立場なのかなって思います。あ、でもゆっこさんはクビになる側ってことなんだよね?

橋本:はい。クビになる側です。

千田:え、クビになったことあるの?

橋本:あります。

一同:えー!あるのー!?

橋本:クビになるっていうか、自分の意見を貫いて、そしてその分のしっぺ返しは受けたんですけれど、でも「満足している。後悔はない。」って思ってて…。

一同:かっこいいー!!

橋本:それは去年ぐらいに起こったことだったんです。そしてこの作品のオーディションを受けて、この役を頂けたので、なんかすごく縁があるなって思います。

千田:私はゆっこを見てて、すごくモーガン愛があるなって思いました。モーガン希望で受けたんだよね?

橋本:はい。モーガンで受けました。

千田:でもみんなモーガンになるべくしてなった人たちだなって思います。ゆっこ以外の二人も、モーガンをやるってなって、それをすごい模索してて、その食らいつく感じがいいなって思います。

津田:私は初めてこういう役をやるんです。だから今回、純粋にナチュラルにやるっていうのがいかに難しいか感じています。

千田:キャラ濃いほうがやりやすいもんね!プレーンはプレーンな分難しいし、試されてるなって思います。でもだからこそ四人の色が出やすいと思いますし、どのモーガンも素敵になるんじゃないかな。

津田:モーガンは母性というか、周りを包み込むみたいな雰囲気があるんです。年齢を言い訳にしてはいけないんですけど(津田さんは現在19歳)、自分にはそれが足りないなって思います。

千田:でも、傷ついたら申し訳ないけど、そこまで(津田さんは)若く見えないよ!視野が広いから、そこがモーガンに合ってるなって思う。

津田:でもあちゃさんは、いるだけでモーガンなんですよ!もうモーガン過ぎて、この間の通しを見て、私泣いちゃって…。

千田:私は今回ゲスト出演として呼ばれてて、最初は先輩っぽくしないとって思ってたんですけど、それはすぐに引っ込めました!みんなもいい意味で普通に接してくれるし、わからないところは優しく教えてくれるので(笑)。でも私は私で教えられることがあればなって今の(津田さんの言葉を)聞いててすごく思いました。ね、みんなで成長していきたいですね。

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インタビュアー:同世代の三人(津田、橋本、樋口)の中に、圧倒的経験値の千田さんがいるわけですが、お三方は何か千田さんから学んだことなどはありますか?

津田:あちゃさんは何もしなくても舞台にいられるんです。不安だから、怖いから、私は役を作っちゃうんですけど、あちゃさんはなんでできるの!?って。

樋口:私も念入りに考えて挑む派なんですよ!なので、(それをしなくてもできる千田さんは)本当に素晴らしい!

津田:そういった意味であちゃさんは正解を見せてくれているのかなって思います。自分なりのモーガンももちろん作りたいけど、あちゃさんのそういうところを目指したいな、って思います。


インタビュアー:先輩から見て、三人の個性というのはどのように映りますか?

千田:ゆっこはさっきも言いましたけれど、性格が一番モーガンに近いんだろうし、すごくモーガン愛が強いなあと思います。(津田さんは)すごい若いから、それで悩んでいるけど、全然そんなことなくて、このふてぶてしい感じが私は好きなんですよ!なんか若いころの私に一番似てるかも。嫌だったらごめん。

津田:いや嬉しい!

千田:(樋口さんは)一番実はモーガンから遠いんだと思う。でもすごくセンスが良くて、「私もそんな演技したいな」って思うことが一番多い。

樋口:えー!嬉しすぎる!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜インタビュアー:ではカンパニーの印象も是非聞かせてもらえたらなと思います。

千田:若いし、演出家からのメンタルのダメ出しが多いなって思います。「失敗してもいいからもっと出して!」とかね。私は最近、稽古場で失敗しつくすことの美学をすごく感じてて。本番で「この失敗稽古場でしたかった!」って思うことがあるので。だからこのカンパニーには「みんな、失敗しよう!」って思っています。

津田:じゃあ、結構守ってるところがあるんですね。

千田:守るところは守らないと事故になっちゃうから、それはそれで素晴らしいんだけどね。でもそこは守りつつ、もっと遊びたいな。遊ぶためには綿密な準備や練習が必要じゃないですか。早くそこに行きたいなって思います。

一同:なるほど…。

インタビュアー:津田さんは最年少なんですよね?

津田:そうなんです。でもいい意味で、皆さんあんまり年上感がなくて。

千田:そう!でも年下感もないの!

津田:あちゃさんにはありますけどね!

千田:年上感でしょ?ま、そりゃそうだよ(笑)。

津田:みんな敬語とかも使わないし、上下関係がないからこそ聞きやすかったりとか。そういう意味で、ありがたい空気だなと思います。気を使わなきゃいけない現場とか、そこに集中しちゃったりすると、肝心なところに集中できなかったりするので。

千田:ゆっこは初演も観てるんだよね?

橋本:はい。稽古場に見学に行ったりとか、本番を観たりとか。でも去年もオーディションを受けてて、落ちてしまって、客席で見て、すんごい悔しくて、泣いて。

千田:その悔しい涙いいね!

橋本:感動して泣いてもいるんだけど、なんで私ここに座ってるんだろうって。でも今年のアイランドソングにご縁があってすごい良かったなって。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜インタビュアー:オーディションのこともお聞きしていいですか?

樋口:私は大学の同期が二人、去年この作品に出てて、どっちもショーシャナだったんですよ!で、学校でも歌ってたのでその曲になじみがあって、ショーシャナの曲で受けたけど、絶対にショーシャナがいい!ってわけではなくて。っていう感じです(笑)。

千田:それでモーガンに選ぶって、プロデューサーサイドはグッジョブだね!

樋口:でも、本当にこういう役やったことないんですよ!で、メールいただいたときに「あれ、モーガン?」って思いました。オーディションは…演技がすごかった!

橋本:なんか芝居課題がエキセントリックな感じで。創さんが書いたやつで。

津田:私は情緒不安定みたいな役だった。

樋口:メールで送られてきたときに、「え?これなんだろう?」みたいな。

千田:え?一人芝居なの?

橋本:いや、二人で。で、実際オーディションでやってみたら、何してもいいみたいな雰囲気で。最終的に私、SМ嬢みたいになっちゃって(笑)。男の子とやったんですけど、「返事は!?」「ワン!」みたいな。

千田:え、(津田さんは)何の役で受けたの?

津田:私、カロライン…。「何で受けたらいい?」ってアイランドソングに出てた友達とかに聞いたら、「カロラインいけるんじゃない?」って。でもこのカンパニーで、それ言ったら、「え!ぜんぜんぽくない」って(笑)。

橋本:(私たち)こんな感じなんですよ。

インタビュアー:すごい盛り上がりましたね!もう時間が来てしまいました!ありがとうございました!

左から、千田阿紗子、樋口友理、津田彩花、橋本薫子

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