日本の毛糸は解きづらいよ
以前、制作したニット作品を解いて再び違う作品を作ったことがある。その時の毛糸は海外ブランドのソックヤーンで、非常に解きやすかった。
スルスル~っと、なんの引っかかりもなく、作品から直接かせ繰り器に送って巻き直すことが出来た。編んでいるときの手触りはもちろん、解いてやり直すときまで滑らかだなんて、素晴らしい。
日本の毛糸だと、なかなかこうはいかない。
これまで私が使ってきた国産の毛糸は、解くときに毛羽が絡まって、謎の輪っかになって本体の毛糸同士をぐちゃぐちゃに絡ませてしまう。これを密かに「いたずらリング」と呼んでいる。
自慢ではないが、私はこのぐちゃぐちゃに絡まった「ぐちゃ玉」を放り出さずに解くことが出来る。焦らず、決して苛立たず、静かにいたずらリングを切り落として、元の一本の毛糸にする。
だからこそ、これってめちゃくちゃストレスだよなぁ…と思う。
解き終わったときには、ぐったりしてしまってとても作品そのものに取り掛かろうなんて思えない。
もし初心者だったら、完全に心が折れている。だって初心者だから、間違えたり目を落としてパニックになったりするじゃん。そこにこんな追い打ちが来たら、たまったもんじゃない。私も若いときはそれで放り出したことがある。
かといって、国産毛糸のアンチではない。断じて、ない。沢山お世話になっているし、好きな糸だってある。
可愛いものからベーシックなものまで結構揃っていて、今は国内でも個人で手染めを行って販売している職人さんだっている。
撚りが甘めで毛羽が立っているのも、(いたずらリングは出来ちゃうけど)見た目にはふんわりとした温かさを感じられる点がいいと思う。
なので、もうちょっと扱いやすくなったらもっといいのになぁ、と思ったりしています。