ブルベイエベの呪い
「私ってブルベ?イエベ?どっちですか?」
美容系の2018年流行語大賞にしてもいいなじゃないか、ってくらい
今年本当によくご質問頂いたワードでした。
(知った上で、私はイエベらしいので、と、そのワード出す方も多かったです)
そして、なんというかこの質問をしてくる方って
ブルベかイエベか本当に知りたいというより
「ブルベって言われる私でありたい」みたいな
ひっそりとした願望が強いような気がします。
まあ、なんというか。
純日本人で「本当にブルベ」の割合なんてそんな多くないし、
そして、居てもそういう人たちは聞いてこないだろうな、と思います。
なぜなら色が映える人は色選びに困ったことなんて殆どないからです。
で、聞いてくる方は、聞いたところでどうしたいんだろって思います。
似合う色を知りたい、つけてたい、というのは分かりますが
根底にあるのは「ブルベ」寄りでありたい、という希望があるならば
アドバイスは変わってくるんですよね。
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先日も自分に似合うリップカラー選びの際にこれを聞かれました。
ファンデなら100歩譲ってわかるとして、
アイシャドウなら50歩譲る程度で理解もするけど、
口紅選ぶのって肌色との対比だけじゃないんですよ。
その人が持つ元々の唇の色味や強さもあれば、サイズもある。
似合う質感もあるだろうし、もちろん好みもあるでしょ?
「あなたの肌にはこの色、この質感、この形がベストです」
と伝えたところで、それがもし自分の好みじゃなければ、
笑顔になれるわけがないんです。
目に馴染まず、心にしっくりこないものだから。
だったら、自分がつけたい色、形、質感に合わせて、
何をどう変えて見せたら似合うんだろう、って考えたほうが建設的。
絶対に多かれ少なかれ自分の好みはあるんですよ。
センスの有無とはまた別かもしれなくても、あるの。
それとそぐわなかったら「似合ってる」と言われたとしても
落ち着かないのではないかと思います。
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例えば、恋人や結婚相手の候補を紹介されたとしましょう。
「今のあなたにベストマッチ、すごく良い人!お似合いよ」 と
紹介されたとして、好きになりますか?
条件があってたとしても
自分が好きになれなかったら、お付き合いしなくないですか?
そういうのとメイクやファッションも一緒だっていうの
そろそろ気づいてもいいと思います。
どうぞブルベイエベの呪い解いてください。
そして好きなものに好かれるための努力しましょうよ。
中には片思いのままのものもあるかもしれない。
失恋もあるかもしれない。
でも実ることもあるのです。
そしてその努力には「好き」があるから楽しいし
経験や記憶という財産になるのです。
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もちろん、知ることはもちろん無駄じゃないです。
知的好奇心はとっても大事。
もともとの自分がどんなであるか知りたい、
という気持ちはベースを知る上で大切なことかもしれません。
けれど、本当に本当に囚われず、
考え方のひとつ、知識のひとつ、くらいにしてってほしいなと思うのです。
SNSの普及で「知りたい」欲と
「知ってもらいたい」欲は混在しやすくなってますね。
さらには「知りたい」中の情報が
あまりに多すぎるというか広すぎるというか
..時には浅いというか氾濫してる。
だからこそ「私にはこれ!」っていう
診断や答えがでるなら安心なのかな、とも思います。
でも、所詮どれも考え方のひとつです。
明日もっと発言力のある方が
「ブルベイエベで決めるのは古い。彩度でキメるのがポイント!」
となった場合、明日からそれを気にしなきゃいけなくなるだけなんです。
「私ってどういうのが似合いますかね?」という質問に
私は絶対に
「どういうのが好きでどう見せたいですか?」と質問します。
今は髪色も瞳の色も変えようと思えば変えられる。
ブルベっぽく見せようと思えば作れますし。
何も元の肌色だけで考えなくたっていいんです。
わたしらしく、というワードは
「ありのままの素の私」とも捉えることが出来ますが
『私が在りたい「私らしく」』にスイッチしたって良いのです。
「好きなものと自分がどう見られたいか」
がわかるようになると情報に惑わされにくくなりますよ。
ちなみに私は服の色やデザインによって
ベースカラーの色や明度、質感を変えてます。カラーメイクも然り。
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メイクアップのアップは
「気分と自分」のふたつをあげるものであってほしいと私は願います。
ではまた。