アメリカワイン記念日 !?
今や確固たる地位を築いたカリフォルニアワイン。どのような歴史があったのでしょうか。
ロバート モンダヴィの活躍など歴史の詳細は別記事に譲りますが、名誉の歴史が刻まれた出来事があったのです。
それは、“パリスの審判” Judgment of Paris とよばれています。
カリフォルニアワインの品質が世界に認められたのは、1976年5月24日、パリで行われたイベントでのことでした。
カリフォルニアワインが好みであったイギリス人のスティーブン スパリエ Steven Spurrier は、ヨーロッパの顧客にカリフォルニアワインのすばらしさを納得させるのが難しいと考えていました。
そこで彼は、カリフォルニアワインと名門のフランスワインのブラインド・テイスティングをしたらどうだろうかと考え実現しました。
その結果、フランスのワイン専門家たちは、フランスの名門ワインではなく、カリフォルニアワインを選んだのです。
ちなみに、フランスワインとカリフォルニアワインの両方を試飲することは判定者には前もって知らされていたのでした。
これ以降、カリフォルニアワインことにナパワインは世界的な名声を博していくようになったのです。
当時を物語る記載がありますので、以下にご紹介します。
カリフォルニアこそが、アメリカで本当に面白いワインが生まれる場所だと、西海岸のワイン愛好家は予測していた。ただし、東海岸在住のフランスびいきの多くは、カリフォルニア産の高級ワインという考えを、まだ常識はずれなものだと見ていた。とはいえ、1976年のパリ対決によって、自国のワインにも試す価値があるのではないかと少数の人々が考えるようになった。割安な価格も魅力だった。続く10年の間、フランス対カリフォルニアの比較テイスティングは、公開イベントとしても、家庭での私的な催しとしても盛んになった。数週間ごとに、新しく生まれたカリフォルニアの少量生産ワインが、シャトー・ラトゥールやシャトー・ラフィットに勝利していた。
(ワインの帝王 ロバート・パーカー エリン・マッコイ 著より)
わたしも2016年には、40周年の私的な催しとして、フランス vs カリフォルニアワインのブラインドテイスティング対決をアメリカ人の友人達と楽しみました。
2026年は50周年。大変楽しみです!
関連するおすすめ映画を2本ご紹介します。
1つは「Bottle Shock ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡」(2008年) です。
実話に基づいた映画で、カリフォルニアの素晴らしい景色も楽しめます。
もう1つは「Somm 3」です。
スティーブン スパリエ本人やジャンシス ロビンソンMWが出ており、回想されるものだったと記憶しています。確か、映画の最後は印象的だった記憶も…。”3” とありますが、それぞれ別仕立になっていますので、ご安心ください。
ちなみに、1であるSommは、ワインの資格を目指す方にはおすすめと思います。
パリスの審判からまだ45年・・・。
意外にも浅い歴史にかかわらず、確固たる地位を築き上げることに関わられてきたすべての方々に、敬意を表したいと思います。
本年逝去されたスティーブン スパーリエも天国で喜んでいるのではないかと思います。
(Photo by Giorgio Trovato on Unsplash)