労働衛生コンサルタント 試験を受けてみた 〜受験決意編〜


女医の先生方は誰しもが皆、将来の働き方について考えるタイミングがあるのではないでしょうか。

私はいわゆる田舎の野戦病院と言われるところで初期研修をしています。
女医の上級医はいましたが、そもそも子持ちの先生でもフルタイムでバリバリ働かれている方が多く、時短で働かれている女医さんはほとんどいませんでした。

バリバリ働かれている先生方に尋ねると、
「子供は実家でほぼ育ててもらっており週末や夜に会うだけ」
「夫が在宅で働いているから育児は任せている」
「産休育休合わせても法定の最低限で復帰したかったから助かった」
といったお話を聞くことができました。

先生方の働き方は凄まじく、責任のある仕事をこなされていたためもちろん尊敬はしていますが、
私が憧れていた「家に子供が帰ってくるのを笑顔で出迎えるお母さん像」とは程遠い生活をされている先生方がほとんどでした。

そのため私は、仕事と家庭の両立をいかに成立させるかということを、まだ家庭もないのに悩んでいました。

また、当直業務が始まると、体調をよく崩すようになったこともあり、
ある程度仕事もして社会との繋がりを持ちたいが、何よりも家庭を大事にしたい。
自分の体に鞭を打ってまで当直やオンコールを続けたくない。

と考えるようになりました。

そこで、研修医という時間のあるタイミングで今後専門科に進んだ後にもし潰れてしまった時にもなんとかなるような資格をとっておきたいと考え、そのうちの1つとして産業医資格取得を考えました。
(すごいネガティブなモチベーションのため、産業医の先生方からしたら大変ムカつくと思います。本当にすみません。)

産業医になれる人は以下のように定められています。

(労働安全衛生規則第14条第2項)
1. 労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修(※)であって厚生労働大臣が指定する者(法人に限る。)が行うものを修了した者
(※)現在、①日本医師会の産業医学基礎研修、② 産業医科大学の産業医学基本講座がこれに該当します。
2. 産業医の養成等を行うことを目的とする医学の正規の課程を設置している産業医科大学その他の大学であってその大学が定める実習を履修したもの
3. 労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの
4. 学校教育法による大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授又は講師の職にあり、又はあった者
5. その他厚生労働大臣が定める者(現在、定められている者はありません。)

産業医学振興財団HPより

いろいろと小難しく書いてありますが、手っ取り早いのが1番です。
そこで、まずは「産業医学基礎研修会」などと銘打っている、1週間程度篭りきりで集中講義を受ければ産業医資格を得られるという講習会や研修会に徹底的に応募しました。
しかし抽選倍率が非常に高く、当たることはまずなく、キャンセル待ちにも引っかかることはありませんでした。(昔は早い者勝ちで予約できたみたいですけどね。)

集中講義があまりにも当選しないため、コツコツと単位を集めるか考えていたころ、ふと「労働衛生コンサルタント」をとってしまえばこんなに産業医の抽選会に毎回毎回応募しなくても良いのではないかと考えました。
認定産業医は5年おきに資格の更新が必要ですが、労働衛生コンサルタントは恒久的な資格のため更新も不要となっている点もメリットに感じました。

噂では「実務経験がないと労コン合格は難しい」などと聞いておりましたが、ふとXで検索をかけてみると、実務経験なし、研修医で労働衛生コンサルタントに合格されている先生方を見つけました。
「これは私でも合格できるのではないか」と考え軽い気持ちで受験を決めました。

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