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第2回:ルーティングの基礎【基礎知識】
この記事で学べること
通信の仕組みが理解できる
ルーティングテーブルが理解できる
ルーティングの手法が理解できる
通信の仕組み
ルーティング
私たちは日々、インターネットで何かを検索したり、SNSでメッセージを送ったりしています。その際に使用する、住所のようなものがIPアドレスだと、以下の記事で解説しました。
では、目的のIPアドレスを目指しどのように通信しているのでしょうか。
それは、私たちが旅行をするとき、あるいは友人の家へ行くときに、目的地となる住所を調べてGooglemap等のナビに設定して出かけるように、通信の世界でもナビに従って通信しているのです。
インターネット、WAN、LANの中には無数のネットワークが存在しており、ネットワークを越えたどこかにいるホスト(目的のIPアドレスをもった端末)へ通信を行う場合、ナビゲーションが必要です。
このナビゲーションのことを通信の世界ではルーティングといいます。ルーティングは、ルータやファイアウォールなどのL3レイヤの機器で行います。
ルーティングテーブル
Googlemap等のナビは、目的地となる場所まで地図を基にナビゲーションしてくれますよね。通信の世界でも、地図のようなものがあり、これをルーティングテーブルといいます。
L3レイヤの機器はパケットを受け取った際に、パケットから宛先IPアドレスを読み込みます。
次にルーティングテーブルを見て「宛先IPアドレスへの経路情報」を探します。経路情報が存在した場合は、ルーティングテーブルに従ってパケットを転送します。
しかし、ルーティングテーブルに経路情報が存在しなかった場合はパケットを破棄するので、目的地まで通信できません。
そこで、ネットワークエンジニアが、目的地までの経路を書き込み通信ができるようにします。現実世界でいうと、橋のない川に橋を作り、地図に書き込むようなことですね。
ルーティングテーブルの読み方
以下が、ルーティングテーブルです。
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ルーティングテーブルからは、6つの情報が読み取れます。
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①ルーティングプロトコル
該当の経路を、どのルーティングプロトコルで得たかの情報です。「S」は「スタテック」、「C」は「コネクト」、「D」は「EIGRP」、「O」は「OSPF」など表しています。
②宛先ネットワークアドレス
目的地となるネットワークアドレスです。
③AD値
プロトコル毎の信頼度です。複数のプロンプトから同じ経路情報を得た時、L3レイヤの機器は、信頼度が高いルーティングプロトコルで得た経路をルーティングテーブルに載せます。
④メトリック
宛先ネットワークまでのルータの数や、インターフェースの帯域など、目的地へたどり着くまでの指標です。メトリックは、ルーティングプロトコルによって違います。
⑤ネクストホップ
宛先ネットワークへ通信するために、次にパケットを転送する先のIPアドレスです。
⑥出力インターフェース
宛先ネットワークへ通信するために、自身のどのインターフェースからパケットを転送するかを表しています。
上記6つのうち②⑤⑥を読み取ると、経路情報が読み取れます。
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例えば上記のルーティング情報の場合、『「②192.168.30.0/24」宛てのパケットは「⑤「172.16.0.2」へ転送する。そのために「⑥FastEthernet0」からパケットを出力する』と読み取ることができます。
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また「C」は、直接接続されたネットワークが記載されています。上記の場合、『172.16.0.0/24のネットワークは、FastEthernet0に直接接続している』と読み取れます。
経路情報②を、絵で描くと以下になります。
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さらに「L」は、Localを表しており、インターフェースのIPアドレスです。上記の場合、『172.16.0.1/32はFastEthernet0である』と読み取れます。
このようにルーティングテーブルは、経路情報だけでなく、物理構成や論理構成も読み取ることができます。
ルーティング設定の手法
ルーティングの設定とはルーティングテーブルに経路情報を書き込むことであると説明しました。これには2種類のやり方が存在します。スタティックルートとダイナミックルートです。
スタテックルート
スタティックルートとはエンジニアがコマンドを使って、経路情報をひとつずつ書き込む方法です。
小規模な拠点内のルーティングや、DC内でも意図的に経路を指定したいときに使用します。
ダイナミックルート
ダイナミックルートとはルーティングプロトコルを設定する方法です。ルーティングプロトコルを設定するとルータは経路情報を自動的に学習し、学習結果がルーティングテーブルに書き込まれます。
大規模なネットワークでのルーティングや、動的な経路変更を望む通信の場合に使用します。
ダイナミックルートのルーティングプロトコルはさらに2つの種類に分類、EGPとIGPがあります。
EGP
EGPとは外部ゲートウェイプロトコルのことです。自律システム(AS)間で使用されるプロトコルで、BGPが代表的なプロトコルです。
インターネトISP事業者間の接続や、自社ネットワークと他社ネットワーク間の接続、つまりWAN側の接続に使用されています。
IGP
IGPとは内部ゲートウェイプロトコルのことです。AS内で使用されるプロトコルで、RIP、OSPF、EIGRPなどがあります。
データセンター内や、拠点内の大規模なネットワーク、つまりLAN側の接続に使用されています。
まとめ
L3レイヤの機器がルーティングをすることで通信ができる
ルーティングテーブルを基に、ルーティングをする
ルーティング設定の手法は2種類あり、スタテックルートとダイナミックルートがある
以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。
参考になりましたら幸いです。
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