第0回：IPアドレスの基礎
この記事で学べる事
IPアドレスの必要性や仕組みが理解できる
2進数、10進数の概念が理解できる
IPアドレスの必要性
パソコンやスマートフォン、タブレットなどはコンピュータの一種で、さまざまなコンピュータ同士が接続しあっている環境を「ネットワーク」といいます。
私たちは普段パソコンやスマートフォンで、WEBサイトを閲覧したり、コミュニケーションツールで連絡を取りあったりしていますが、多くのコンピュータが存在するネットワークの中でどのようにして、「Aさんのパソコン」「Bさんのスマートフォン」と識別をしているのでしょうか。
その識別に使用しているのが、IPアドレスです。私たちの生活で例えるなら、住所のようなものです。コンピュータがデータという手紙を送る時、IPアドレスという住所あてに送ることになるわけです。
IPアドレスの種類
IPアドレスには2種類あります。
①グローバルIPアドレス
グローバルIPアドレスは、インターネット上に存在する、ユニークなIPアドレスであり、インターネット上での通信はこのグローバルIPアドレスを使用します。
日本ではJPNICという機関で、どこの企業がどのグローバルIPアドレスを使用しているかどの管理をしています。
②プライベートIPアドレス
グローバルIPアドレスには限りがありますので、全世界の全コンピュータ1つ1つに使用することは不可能です。グローバルIPアドレスの浪費を防ぐ目的でも使用されるのが、プライベートIPアドレスです。
プライベートIPアドレスは特定のLAN内で使用するIPアドレスのため、特に管理されていません。
つまり、私たちが使用しているパソコンやスマートフォンは、プライベートIPアドレスによって識別されているということです。
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの関連性
グローバルIPアドレスの説明にもあるように、インターネット上ではユニークなグローバルIPアドレスで通信しています。
なぜならプライベートIPアドレスは特定のネットワーク内で使用されるIPアドレスなので、例えばA社内で使用しているプライベートIPアドレスと、B社内で使用しているプライベートIPアドレスが同じ場合、そのままインターネット上で通信を試みると、同じ住所が2か所存在するということになるからです。
従って、プライベートIPアドレスは、インターネットへ通信する際にはグローバルIPアドレスへ変換されています。これはNAT(Network Address Translation)という技術で実現していて、詳細は以下のサイトを確認してみてください。
さて、上記2つの画像のIPアドレス（192.168.11.32と10.72.133.209）は、プライベートIPアドレスと言いましたが、全く数字が違いますよね。一体どれがグローバルIPアドレスで、どれがプライベートIPアドレスなのか、その仕組みについて解説します。
IPアドレスの仕組み
IPアドレスの表記方法
IPアドレスは以下のように、表します。
IPアドレスは4つの数字を「.」で区切って表します。
1つのオクテットは0～255の範囲で表します。
0～255の256通りが4オクテットあるので、256 × 256 × 256 × 256 ＝ 約43億通りを表現でます。
サブネットマスクは、どこまでがネットワーク部かを表しています。
さらにIPアドレスは、A、B、C、D、Eクラスに分かれており、プライベートIPアドレスとして使用できる範囲は決まっています。
先ほどのプライベートIPアドレス（192.168.11.32と10.72.133.209）は、クラスAとクラスCのプライベートIPアドレスということですね。
プライベートIPアドレス範囲以外のIPアドレスは、全てグローバルIPアドレスとして使用されています。
2進数と10進数
IPアドレスは上記の通り、私たちが認識しやすいように10進数で表記されます。しかしコンピュータが処理する際には、2進数となります。
2進数は0と1の2種類の数字を使って表現します。値を表すときに、0と1の2種類を使い切ったら桁があがります。
IPアドレス、192.168.100.10を2進数で表現すると、以下になります。
各オクテットは8ビットでできており、前述通り0～255までを表現できます。
ネットワーク部とホスト部
2進数表記したIPアドレスの何ビット目までがネットワーク部かを表現するのがサブネットマスクです。ネットワーク部とは、そのIPアドレスが所属しているネットワークを表現しています。
例えば192.168.100.10/24であれば、24ビット目までがネットワーク部になり、1つのネットワークの範囲を表現しています。一方で25ビット目～32ビット目をホスト部といい、そのネットワークに所属しているコンピュータに割り当てることのできるIPアドレスを表現しています。
このネットワークの場合、ホストに割り当てることができるIPアドレスの数は254個となります。
あれ、各オクテットは0～255で表現されるので、256個ではないの？と疑問に思いますよね。実は、IPアドレスの中には、コンピュータに割り当てができないIPアドレスが2つ存在しています。
・ネットワークアドレス
ネットワーク自体を表すIPアドレスで、ホスト部を全て0にしたときのIPアドレスです。
・ブロードキャストアドレス
ネットワーク内の全ホストにパケットを送信する際に使用するIPアドレスで、ホスト部を全て1にしたときのIPアドレスです。
まとめ
インターネトで使用するIPアドレスをグローバルIPアドレスといい、ユニークなIPアドレスである。
グローバルIPアドレスには限りがあるため、ローカルな環境ではプライベートIPアドレスを使用する。
IPアドレスは8ビット×4オクテットで表現し、何ビット目までがネットワーク部かをサブネットマスクで表現する。
ネットワーク内のコンピュータにはホスト部からIPアドレスの割り当てが可能であるが、ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスは割り当てができない。
以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました。
参考になりましたら幸いです。
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