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第3回:アクセスリスト(ACL)の設定【実機検証】


この記事で学べる事

  • 標準ACL、拡張ACLの作成方法

  • インターフェースへの適応方法

検証の流れ

  1. 検証環境構築

  2. 標準ACLの設定

  3. 検証

  4. 拡張ACLの設定

  5. 検証

検証の内容

検証①標準アクセスリストにて、PCAからPCBへの通信が制御されることを確認する

目的の通信のみが制御されることを、確認しましょう。

検証②拡張アクセスリストにて、異なるネットワークのRTへのTelnet接続が制御されることを確認する

特定のプロトコル通信のみが制御されることを、確認しましょう。

標準ACLと拡張ACLの違いは、以下を参考にしてみてください。

構成図・各機器の基本Config

準備するもの

  • ルータ:Cisco 891FJ ×2台

  • L2スイッチ:Catalyst2960 ×2台

  • 検証用PC:Windows ×2台

  • LANケーブル ×5本

  • コンソールケーブル ×1本

構成図

構成図通りにケーブルを接続します。

パラメータ

以下のパラメータ値を、各機器へ設定します。各設定方法は、以下を参考にしてみてください。

各機器のパラメータ

難しいと感じる方は、以下のConfigを各機器へ流し込んでください。
・RTAのConfig

hostname RTA
!
enable password Cisco
!
line vty 0 4
password Cisco
login
!
interface Fastethernet 0
ip addoress 192.168.1.254 255.255.255.0
no shutdown
!
interface Gigabitethernet 8
ip address 192.168.3.1 255.255.255.0
no shutdown
!
ip route 192.168.2.0 255.255.255.0 192.168.3.2
!
end

・RTBのConfig

hostname RTB
!
enable password Cisco
!
line vty 0 4
password Cisco
login
!
interface Fastethernet 0
ip addoress 192.168.2.254 255.255.255.0
no shutdown
!
interface Gigabitethernet 8
ip address 192.168.3.2 255.255.255.0
no shutdown
!
ip route 192.168.1.0 255.255.255.0 192.168.3.1
!
end

・SWAのConfig

hostname SWA
!
enable password Cisco
!
end

・SWBのConfig

hostname SWB
!
enable password Cisco
!
end

以下の確認ポイントに問題なければ、検証環境構築は完了です。

■確認ポイント

PCAからPCBへPing疎通が可能なことを確認します。

検証①標準アクセスリストにて、PCAからPCBへの通信が制御されることを確認する

標準ACLは、宛先に近いインターフェースへ設定しますので、RTBへ設定をします。

標準ACLの作成

■コマンド
access-list□[ACL番号]□[permit/deny]□[送信元IPアドレス]□[ワイルドカードマスク]
…許可/拒否する送信元アドレスのACLを作成
access-list□[ACL番号]□permit□any…暗黙のdenyに備えて全通信を許可する

■入力例

RTB(config)#access-list 1 deny  192.168.1.1 0.0.0.0
RTB(config)#access-list 1 permit any

作成したACLの確認

以下のコマンドで設定内容を確認しましょう。
■コマンド
show access-lists

■確認ポイント
①1行目

 Standard IP access-lists 1 の1行目が 192.168.1.1 を deny していること
②2行目
 Standard IP access-lists 1 の2行目が any を permit していること

■出力例

RTB#show access-lists
Standard IP access-list 1
 10 deny 192.168.1.1
 20 permit any

標準ACLのインターフェースへの適応

■コマンド
ip□access-group□[ACL番号]□[in/out]
…インターフェースに適用(ACL番号で紐づける)

■入力例

RTB(config)#interface fastethernet 0
RTB(config-if)#ip access-group 1 out

設定した内容の確認

以下のコマンドで設定内容を確認しましょう。
■コマンド
show ip interface fastethernet 0

■確認ポイント
①ACLの番号と適応方向
 outgoing access list に list is 1 が設定されていること

■出力例

RTB#show ip interface fastethernet 0
FastEthernet 0 is up, line protocol is up
 internet address is 192.168.2.254/24
~省略~
 Outgoing access list is 1
 Inbound access list is no set
~省略~

確認ポイントに問題なければ、以下疎通確認をします。
PCA→PCB

今回は、PCAからの通信は全て拒否しているので、疎通不可となります。

次に以下疎通確認をします。
PCA→RTB(192.168.3.2)

ACLを適応しているインターフェースを通過しないため、疎通は可能となります。

検証②拡張アクセスリストにて、異なるネットワークのRTへのTelnet接続が制御されることを確認する

拡張ACLは、送信元に近いインターフェースへ設定しますので、RTAへ設定をします。

また、検証の妨げとなるため、先ほどRTBのインターフェースに適応した標準ACLは削除しましょう。
■コマンド
interface fastethernet 0
no access-group 1 put

拡張ACLの作成

■コマンド
access-list□[ACL番号]□[permit/deny]□[プロトコル]□[送信元IPアドレス]□[ワイルドカードマスク]□[宛先IPアドレス]□[ワイルドカードマスク]□[ポート]
 …許可/拒否する通信のACLをプロトコル単位で作成
access-list□[ACL番号]□permit□[プロトコル]□any□any………暗黙のdenyに備えて全通信を許可する

■入力例

RTA(config)#access-list 100 deny tcp 192.168.1.1 0.0.0.0 192.168.2.254 0.0.0.0 eq 23
RTA(config)#access-list 100 permit ip any any

主に使用するプロトコルは、ip、icmp、tcp、udpがあります。tcpやudpの場合は、ポート番号を指定します。

ポート番号を指定する場合には、キーワード+ポート番号での指定となるため、eq(等しい)、neq(等しくない)、gt(より大きい)、lt(より小さい)などを使用します。

作成したACLの確認

以下のコマンドで設定内容を確認しましょう。
■コマンド
show access-lists

■確認ポイント
①1行目

 Extended IP access-lists 100 の1行目が 192.168.1.1 から 192.168.2.254 の telnet を deny していること
②2行目
 Extended IP access-lists 100 の2行目が any から any の ip通信を permit していること

■出力例

RTA#show access-lists
Extended IP access-list 100
 10 deny host 192.168.1.1 host 192.168.2.254 eq telnet
 20 permit ip any any

 拡張ACLのインターフェースへの適応

コマンドは標準ACLと同様です。適応するインターフェースコンフィギュレーションモードへ移行し、適応方向を指定します。
■コマンド
ip□access-group□[ACL番号]□[in/out]
…インターフェースに適用(ACL番号で紐づける)

■入力例

RTA(config)#interface fastethernet 0
RTA(config-if)#ip access-group 100 in

設定した内容の確認

以下のコマンドで設定内容を確認しましょう。
■コマンド
show ip interface fastethernet 0

■確認ポイント
①ACLの番号と適応方向
 Inbound access list に list is 100 が設定されていること

■出力例

RTA#show ip interface fastethernet 0
FastEthernet 0 is up, line protocol is up
 internet address is 192.168.2.254/24
~省略~
 Outgoing access list is no set
 Inbound access list is 100
~省略~

確認ポイントに問題なければ、以下疎通確認をします。
PCA→RTB(192.168.2.254)

今回は、PCAからRTB(192.168.2.254)のtelnetのみを拒否なので、Pingは成功します。

次に、PCAからRTB(192.168.3.2)へtelnet接続をしましょう。接続方法は以下を参考にしましょう。

「無効なホスト」等のメッセージが表示され、接続できなければ意図した制御ができています。

まとめ

  • 標準ACLは、送信も元IPアドレスのみで制御をする

  • 拡張ACLは、送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、プロトコル、ポート番号で制御をする

  • ACLは作成した順に、シーケンス番号が付与される

  • インターフェースへ適応する際は、inかoutかを指定する

今回の検証がネットワークを学ぶ上での助けになれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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