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薬師寺 玄奘三蔵院伽藍
玄奘三蔵
私は一年ほど前から猛烈にこの人に惹かれるようになった。
2021年秋、私は薬師寺にある玄奘三蔵院伽藍を訪れた。
まだこの頃は三蔵法師=夏目雅子(ガンダーラガンダーラ♪)くらいにしか思っていなかったので、特別な思い入れもなく、ただ平山郁夫画伯の大唐西域壁画を、ただただ懐かしいな〜と思い眺めていた。
(20歳の頃、中国西域を2週間ほど旅したことがある。これについては改めて書きたい)
その後玄奘三蔵にハマってしまい、もう一度玄奘三蔵院伽藍に行きたい!そう思い立ち、2022年秋、再び奈良に向かった。
玄奘三蔵の生きた当時の唐王朝は、周辺国との関係上出国を禁じていたので、玄奘三蔵は国禁を犯し長安を出発し、天竺を目指す。追っ手から逃げ、砂漠を歩き、水を無くし、天山山脈を越え、盗賊に遭い、何度も死が目の前に迫ったという。
旅は約17年。帰国後は経典の翻訳に人生を費やす。
調べれば調べるほど、玄奘三蔵の凄さがよくわかる。
私が中国西域に行った時はバスで移動していたし、今の時代、何でも本やネットを使って調べたい情報を得ることができる。なんと文明の力のありがたいことだろう。
それに比べて昔の人たちは何かを学ぶ為に命をかけないといけない時もあったのだ!
玄奘三蔵が長安を出発したのは27歳の時。
私の27歳はとっくの昔に過ぎ去った。であればせめて、何か一生懸命に向き合ったほうがいいんじゃないか。
そんな気持ちになってくる。
一年ぶりの玄奘三蔵院伽藍。
秋晴れの青天に存在する美しい建築物。
ああ、ここに玄奘の頂骨があるのか。と、心が震える。一年前とは全く違う心情である。
隣国の僧なれど、玄奘三蔵が居なかったら日本の歴史は全く異なっていただろう。
まだまだ深く掘り下げたい人物の一人である。
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経典を手に入れるまで決して東(中国)には帰らない、という決意の表れ