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同行避難の現状

1回目から同行避難について説明をしてきましたが、
本日は、実際の同行避難の現状を見ていきたいと思います。
環境省では、2016年の熊本地震の際に追跡調査をしているので
そちらを見ていきましょう。

熊本地震

平成28年(2016年)4月14日21時26分、熊本県熊本地方の深さ11Kmを震源として、マグニチュード6.5の地震(前震)が発生し、熊本県益城町において
震度7を観測しました。

同行避難状況(抜粋)

環境省では、熊本地震において開設された避難所を巡回し、ペットの同行避難状況を確認しました。(環境省,2016)。巡回調査は熊本市を除く16市町村136ヵ所(のべ147ヵ所)で実施し、このうち、調査時とそれ以前に同行避難があったとされる避難所は85ヵ所あり、調査を実施した避難所の半数以上(62.5%)で同行避難がみられました。一方、調査時にペットの同行避難が確認された避難所は50ヵ所(36.8%)と、同行避難情報があった避難所(85ヵ所)の訳6割に減少していました。その要因として、避難所屋内への受け入れが拒否されたこと、飼養者が他の避難者に配慮してペットと移動、またはペットだけを家において来た等が考えられます。

熊本地震における被災動物対応記録

こうした現状を踏まえた時に、実際に避難しても、避難所で
受け入れてもらえないのではないかという不安があります。
勿論、知らない人同士が身を寄せ合って過ごす避難所では
いくら本人が家族だと思っていても、他人にとっては不快なものかもしれせん。
そうしたときに獣医師会では地域に「動物救護所」を作るという取り組みをして、そちらに預けるという手段もあります。私が住む足立区でも、2カ所の「動物救護所」を設置するという仕組みができています。では、獣医師会では災害時にどのような対応をしているか次に見ていきたいと思います。

獣医師会の取り組み

獣医師会では地域活動についてマニュアルを作成して、対応できるように
準備をしていますが、実際にこの仕組みが機能しているかは、先ほどの熊本地震の追跡調査を見ても不明瞭な点も多いと思われます。
獣医師会では地域活動ガイドラインも策定し、自治体との連携も進んでいるようには見えますが、実際の活動が見えてこないこともあり、このような取り組みが可視化されれれば、もっと、同行避難の理解も進むのではないかと感じます。

災害時動物救護の地域活動ガイドライン(5.65MB)
災害時動物救護の地域活動マニュアル策定のガイドライン(14.4MB)

「VMAT」(災害派遣獣医療チーム)

最後に災害時の活動ではDMATなどが有名ですが、動物にもVMATという
組織があり動物救助に対して活動をしていることをお伝えしておきます。





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