1972年リリースのアルバム#30 「Eat A Peach」
自分のブログで ”1972年リリースのアルバムでRateYourMusicのユーザ評価が高いもの” トップ50を調べてみた。
50年後に世界中のユーザーが振り返っての評価なので、リアルタイムでの評価・評判とはもちろん異なっている。
半世紀前、1972年のトップ50アルバムと当時と今の評価を紹介したい。
1972年のトップ50リストのNo.30はオールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band)の「Eat A Peach」(イート・ア・ピーチ)。
70年代前半のオールマンズなので、当時から評判が良くて傑作扱いだし、今はむしろフィルモア・イーストより評価が高いくらいじゃないだろうか。
リリース時には既にデュアンが亡くなったことは周知の事実で、パブ記事でもジャケットでもデュアンの事に触れられている。
リアルタイムでオールマンズを聴き始めたのはこのアルバムからなので、デュアンという天才ギタリストがかつて存在したのだということを知ったアルバムでもある。
でもLP2枚組で全9曲。しかも「マウンテン・ジャム」に至ってはLPの両面(オートプレイヤー用にB面とD面)を使う長尺で、”オールマンズって暑苦しいよね” とか言われていたのもたしか。
ただそれも翌年に「ブラザーズ&シスターズ」でランブリマンでジェシカだったりしてコロっと手のひら返しだ。
このオールマンズを皮切りにいわゆる”サザン・ロック” なバンドが多くデビューし、アメリカという国の南部志向も強まり、それもあってジョージアのジミー・カーターが大統領にまでなってしまった。
そんなアメリカ建国200年のお祝いムードと南部志向も、1980年にロナルド・レーガンになった途端にシュンと消え去ってヤッピーな時代である。
つくづく音楽など文化は時代を先取りしている面もあるし、そうしてやってきた時代を反映する人物が大統領になる、アメリカというのは興味深い国だと思う。
ともあれ、最後はジャム・バンドとして別の視点からの評価が高かったオールマンズの、サザン・ロック時代のライブ盤として聴けるイート・ア・ピーチ。50年を経てもまだ新鮮に聴くことができるので次の50年もたぶん聴かれ続けるだろう。
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