1972年リリースのアルバム「Will The Circle Be Unbroken」
”1972年リリースのアルバムでRateYourMusicのユーザ評価が高いもの” トップ50を調べ、当時と今の評価を紹介してきた。
1972年のトップ50ではないが、評価の高いアルバムをいくつか紹介してみる。
今回はニッティー・グリッティー・ダート・バンド(The Nitty Gritty Dirt Band)の「永遠の絆(Will The Circle Be Unbroken)」。
カントリー・ロックというかもっとトラディショナルなカントリーが持ち味のニッティー・グリッティー・ダート・バンド(NGDB)の3枚組大作。
アメリカのカントリー、ブルーグラスといった今で言うアメリカーナな大御所をフィーチャーしていて、もちろん日本でも当時から評判にはなっていた。
ただ3枚組だし、どうもカントリー色が強いこともあって一般的にはなかなか手を出しづらいところがあった。
一般的なロックファンより、昔からカントリーに馴染みがあった年齢の高い層が聴いていたのではないだろうか。またNGDBはAOR色が強いポップカントリーのバンドとして人気を得ていくので、そのため一定の数は常に売れていたようで、「永遠の絆」も定期的に再発されていたと思う。
NGDBといえば「アンクルチャーリー」に入っていた「プー横丁の家」も有名だけど、日本で流行ったのはロギンス&メッシーナのバージョン。ヒット曲があるからこんな大作がリリースできたというより、こうした音楽はリリースしなければいけないとレコード会社も考えたのだろう。
実際今になって振り返って聴いてみると、まさにアメリカの伝統音楽のマスターピースなアルバムなので、高評価も納得である。
また「永遠の絆 Vol.2」「永遠の絆 Vol.3」と10年に1回くらいのペースで続編がリリースされていて、それらの評価も高い。
そんなNGDBの2022年最新アルバムは「Dirt Does Dylan」。今までありそうでなかったNGDBによるディランのカバー集である。
YouTubeにはその中から「I Shall Be Released」がアップされている。だいぶ若いメンバーと代替わりしているようだが、なかなか感動的なカバー。
驚いたのはラーキン・ポー(Larkin Poe)の2人が参加していること。バッキングボーカルだけでなく、ミーガンのラップスティール・ギターも聴けるのは嬉しい。
それにしても、こうした歌い継がれるべき歌を持っているというのは羨ましいし、そうした歌を通じて次の世代(ラーキン・ポーだから孫の世代か)へ音楽が引き継がれるのだと思うと、感動的なセッションでもある。
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