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今掛航貴、引退から2年目で掴んだ「全国の舞台」。サガン鳥栖、水戸ホーリーホック、ティアモ枚方、そしてルート11。【よりぬきおとフト】

7月半ばから行われてきた全国社会人サッカー選手権の関西大会(通称:全社関西)。本大会に進む5チームを決めるためのトーナメントです。

その1回戦のメンバー表を見たとき、大阪府リーグ1部のルート11というチームに「今掛航貴」という名前を発見してびっくりしました。

興國高校と中央大学を卒業し、それからサガン鳥栖、水戸ホーリーホック、ティアモ枚方でプレーしていた今掛選手。2022年のシーズンを終えたあと、23歳の誕生日を目前に現役を引退することを発表して驚きを与えました。

それから1年半。特にアナウンスもなく今掛航貴選手がピッチに戻ってきているとは…。

今回様々な事情もあって4日に西京極補助競技場で行われた全社関西の試合でルート11対神戸FC1970の試合を観戦することができました。そして、なんとその結果は驚くべきものになりました。

現在関西リーグ2部で3位に付けている神戸FC。ASラランジャ京都、OKFCに続いての勝ち点16を稼いでおり、1部昇格を狙えるほどの好調さを見せています。

そんな神戸FCがボールを繋いでプレーする時間は長かったですが、それにルート11はうまく対応しました。あまり印象のない5バックシステムを使用し、ワントップに本来DFの河野選手を置いてパワーをプラスしました。そしてカウンターからのチャンスを狙っていきます。

そして37分、そのルート11が先制点を奪います。ボランチから右サイドに飛び出した江坂巧選手が折り返し、中で片岡永典選手がシュートに持ち込みました。これがネットを揺らします。

神戸FCはボールを保持して前線にまでは持ち込めますが、シンプルに裏を狙うプレーはなかなかチャンスに繋がらず。左サイドから何度もクロスを入れる場面が目立ちましたが、ルート11のDF永田選手や今掛選手らに弾き返されます。

個人的にはもっと押し込みまくって5バックを釘付けにして粘ったほうがいいように思いましたが、ゴールが欲しいという意思が強すぎたのかインスタントなシュート場面を欲しがりすぎている印象でした。

それもあってルート11のディフェンスが神戸FCの攻撃を上回り、試合は1−0で終了。一つカテゴリーが下の大阪府リーグに所属しているルート11が下剋上を果たし、全国社会人サッカー選手権大会への出場を決めました。

写真のギャラリーは以下のリンクから。

今掛選手がルート11でプレーを続けている理由とは?

試合後、フル出場で無失点の勝利に大きく貢献した今掛航貴選手は以下のように話していました。

「交代も含めて少ない人数の中で全員が力を出し切りました。1点のリードを守り抜けて勝てて良かったと思います。

5バックはリーグ戦でやったことがなかったんですけど、関西大会の2回戦から相手も強くなってくるということで、『しっかり守ってから少ないチャンスで点を取ろう』という感じで5バックになったんだと思います。守りはしっかり安定すると思うので、最後の攻撃のところだけしっかり決めたら行けるかなと。

(ということは、全社本大会に向けてもいいテストになりましたね?)そうですね。全国の舞台になったらもっとレベルが上がってくると思いますし。

僕たちは練習があまりない中で、基本的には週1のサッカーの試合だけでやっている環境なんです。そこでしっかりコミュニケーションをとって、全国でもルート11の力を出せたらいいなと思います。

クラブも僕自身も初めての全国社会人サッカー選手権大会です。イメージとしては…ただ日程がキツイということだけしか聞いていないですけどね(笑)。

ティアモ枚方でプレーしていたときから、僕はジュニアユース時代に所属していたリップエース(※迷彩柄のユニフォームが特徴の関西の強豪チーム)でコーチをしていたんです。

今も週末はそのリップエースに行っているんですけど、そこの中学2年生のカテゴリーの監督が道後さん(ルート11監督の道後典夫氏)なんです。その繋がりで、『(ルート11に)入ったら?』ということで。

(その流れで来たら全国の舞台に出場するという面白いサッカー人生ですね)そうですね、リーグ戦も今は負け無しで来ているので、このままの調子で全国に行きたいです!」

ちなみにルート11は、現在FC大阪でプレーしている齋藤隆成選手が現役復帰したクラブでもあります。試合の内容を見ていたら、まさか決まった練習日がないとは思えませんよ。それだけちゃんとプレーできるクオリティの選手が集まっているんでしょうね。

ルート11にとって全社の本大会で失うものなどありませんし、相手にとっては間違いなく分析しづらいチームでしょう。日程のこともむしろ新鮮な気持ちで臨めるのではないでしょうか。ジャイアントキリング、あると思います。

10月に開幕する滋賀での全社、みなさんも下剋上を狙うルート11を応援してみてはいかがでしょうか。

なお、ルート11からは先制ゴールの片岡永典選手にもお話を伺っております。そのインタビューの模様は8月8日にFMおとくにで放送する「フットボールラウンジ」(おとフト)で。

FMおとくにはリッスンラジオで聞くことができます。全国無料なのでなにとぞ。よしなに。

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