地元民なら、まぁ……(レビュー:『キョンシー~南箕輪村の反魂符~』)
オススメ度:★★☆☆☆
概ねタイトルから受ける印象どおりの作品である。良くも悪くも想像の域を出ることはなく、Z級サメ映画ほどには酷くないが、特にこれと言って取り上げるべき場面もない。ストーリーもそれなりに入り組んではいるが、別に面白くはない。
「なんじゃそりゃ」という展開や不自然な場面もあるにはあるが、まあ、こういう作品にそういう場面があるのは自然の摂理なので、特筆すべきことでもない……。「なんで道士が地元ゆるキャラのきぐるみを奪って入ってたんだ?」とか、その場でポツリとツッコミを入れてしまうが、そこまでである……。「変な作品」枠として見るにしてもパンチが弱い。
ただ、この作品の舞台である南箕輪村は長野県に実在する村であり、この映画はおそらく南箕輪村から出資を受け、また地元企業からも協賛を得て作られているのであろう。地元アピール的な側面の強い、プロモーション的な一面がある。……それゆえに因習村ホラーのような作り方もできず、なぜ南箕輪村でキョンシー騒動が起こっているのか、全く因果関係がないのだけれど。
で、私も映画『福山市長に1日密着してみた』で経験があるのだが、
こういう映画は地元民が見ると結構楽しいのである。単純に地元民の「おなじみのあの場所」が映像の中に出てくるだけで気分が盛り上がる。そして、本作は村のアピール目的ゆえに、かなり南箕輪村の各地を執拗に出してくる作品でもある。地元の人ならたぶん★3~4相当の満足感を覚えるのではないだろうか。
まあ……でも、おれ、地元民じゃねえしな……。
なんか、実話らしいし、胸糞系っぽいしで、今の時点からちょっとビビっている。