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地元民なら、まぁ……(レビュー:『キョンシー~南箕輪村の反魂符~』)

オススメ度:★★☆☆☆

南箕輪村に住む桜ミユは父の転勤により東京に引っ越すことが決まった。親友のミドリと修は思い出作りに村のあちこちでビデオ撮影することに。そんなとき、村で若い女性が何者かに襲われる映像がネットに拡散され村の霊安室では死体が何体も盗まれるという事件も起きる。ミユたちの前に突如現れる頭にお札の貼られた顔が真っ青な子供。「お父さんとはぐれた・・・」という。昔、皆で遊んだ秘密基地に一旦かくまうことに。名まえを「キョンキョン」と呼ぶことにした。一体この村で何が起きているのか・・・?村の思い出映像には、怪しい道士の恰好をした三人組がミユたちの行く先々で映っていた。ミユたちの運命は!

 概ねタイトルから受ける印象どおりの作品である。良くも悪くも想像の域を出ることはなく、Z級サメ映画ほどには酷くないが、特にこれと言って取り上げるべき場面もない。ストーリーもそれなりに入り組んではいるが、別に面白くはない。
 
 「なんじゃそりゃ」という展開や不自然な場面もあるにはあるが、まあ、こういう作品にそういう場面があるのは自然の摂理なので、特筆すべきことでもない……。「なんで道士が地元ゆるキャラのきぐるみを奪って入ってたんだ?」とか、その場でポツリとツッコミを入れてしまうが、そこまでである……。「変な作品」枠として見るにしてもパンチが弱い。
 
 ただ、この作品の舞台である南箕輪村は長野県に実在する村であり、この映画はおそらく南箕輪村から出資を受け、また地元企業からも協賛を得て作られているのであろう。地元アピール的な側面の強い、プロモーション的な一面がある。……それゆえに因習村ホラーのような作り方もできず、なぜ南箕輪村でキョンシー騒動が起こっているのか、全く因果関係がないのだけれど。
 
 で、私も映画『福山市長に1日密着してみた』で経験があるのだが、

 こういう映画は地元民が見ると結構楽しいのである。単純に地元民の「おなじみのあの場所」が映像の中に出てくるだけで気分が盛り上がる。そして、本作は村のアピール目的ゆえに、かなり南箕輪村の各地を執拗に出してくる作品でもある。地元の人ならたぶん★3~4相当の満足感を覚えるのではないだろうか。

 まあ……でも、おれ、地元民じゃねえしな……。

 なんか、実話らしいし、胸糞系っぽいしで、今の時点からちょっとビビっている。


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