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コーヒーで現像?そんなバカな!

と笑ったのはもう6年前のこと。
夜の新宿で友人のT氏が「俺、コーヒーで現像してんだよ」と呟いたひと言がきっかけで落ちたコーヒー現像沼。
気付けば現像本数も50本を超えました。

コーヒーで現像する。
それは正直おバカさんな行為です。
高額な投資をして現像用品を揃え、
1本1000円もするフィルムを買い、
切り取った36もの心震える瞬間が
簡単に台無しになるかもしれません。
真っ当な写真撮りは現像屋に出すべきです。

でも私たちの表現、今のままで良いんでしょうか?
高価なカメラ・高評価のレンズ。
マニュアル化され、コントロールされた撮影技法。
より「映える」ための画像加工。
それらは写真表現のひとつの方向性であって絶対的なものではないはず。
もっと多様な写真表現のベクトルや可能性があった方が面白いんじゃないかと思うんです。

コーヒー現像はお金が掛かります。
数本やるだけなら現像屋さんに出す方がずっと安いです。
コーヒー現像はよく失敗します。
でもその偶発性は現像屋さんには絶対真似できない「表現」と言えるかもしれません。
コーヒーを計り、温度をチェックし、タイマーとにらめっこしながら現像タンクを撹拌する。
現像中は毎回不安でいっぱいになり、水洗が終わって現像タンクからフィルムを出す瞬間はアドレナリンが溢れ出て、スキャンして途方に暮れ、失敗は仲間たちと笑い合い、時に訪れる大成功は讃え合い教え合う。

そんなコーヒー現像が、定着された1コマ1コマが、おバカさんな行為に魅了された人たちが大好きです。
そしてコーヒー現像にまだ誰も具現化していない写真表現の可能性を感じています。
このnoteはこれからコーヒー現像を始めたいと思う人の足掛かりに、すでにハマっている人との情報交換に、自分の忘備録として書き残していきたいです。
のんびりのんびりのんびり更新していきます。

申し遅れました。高橋くるりんといいます。
写真歴は25年ほど、未だフィルムカメラを使用しています。
現在はFacebookにて「コーヒー現像マニアックス」というグループを開いて諸先輩方に教えを請いながらコーヒー現像を楽しんでいますので、ご興味あればぜひそちらへも。


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