Twitterで毎日チャネリングメッセージを拡散している集団の正体
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チャネリングブログを拡散している謎の集団
先日、筆者のTLに見慣れないブログ記事を共有するツイートが流れてきた。
リンク先を読んでみたところ、「孔子からのメッセージ」として「天の計画」や「地球の救済計画」が説明されており、チャネリング系のスピリチュアルブログと見受けられた。
このブログ記事のURLを検索すると、同じ記事をTwitterで拡散しているアカウント群が存在することが分かり、
さらにそのプロフィールには、上記のブログで「天の計画」とされていた、とあるプロジェクトの名前が記載されていた。一体このプロジェクトとは何なのか。避難村の例が頭によぎった筆者は、この集団を追ってみることにした。
謎のプロジェクト、「P」
共有されていたブログを確認したところ、このプロジェクトの公式サイトが存在していることが分かった。
プロジェクトの概要についても色々と記載があるが、主宰と思われるDという人物のブログにリンクが貼られており、それが分かりやすい。簡単にまとめると下記のようになる。
このプロジェクト「P」の目的は、地球をアセンション(筆者注:スピリチュアルで言われる次元上昇のこと。達成した暁には素晴らしい黄金時代がやってくるとされる)させることである。
そのためには地球人口約77億人の過半数、39億人を目覚めさせる必要があるが、残された時間である30年で実現するには「世界政府」を実現し、半強制的に真理を普及させなければいけない。
ここで、「世界政府」などという体制を樹立するには、地球人が一致団結する機会が必要だ。その機会とは、宇宙人たちが大挙して地球に飛来することである。実は今回、宇宙連合の宇宙人たちが大勢で協力してくれている。地球人が愛で調和した時、宇宙人たちは飛来するだろう。そして、その際に地球をまとめる国際的な指導者は、まさにこのプロジェクト「P」から生まれるのである。
また、この調和を地球人自身の手で成し遂げるため、日本において新しい天皇制度による、世襲でない天皇が即位する計画となっている。この新天皇は、主宰Dの著作にあるような真理を日本国民に説いていくこととなる。
上記のようなアセンションとその前段階を実現するには、最終的には「愛」が重要であり、プロジェクト「P」に取り組み、愛の行いを実践すると共に、一人でも多くの人が愛の行いをしてくれるよう布教しなければならない。
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陰謀論に関心のある方なら、神真都Qの教義を連想したことだろう。両者は「地球をアセンションさせるためには一定数の人々を覚醒させる必要がある」という発想が共通しており、これはスピリチュアルの世界ではありふれたものである。
このプロジェクトでは「現在の世界を支配する闇の存在」が前面に出てきていないので陰謀論との結合が行われないが、もしもここで「アセンションを妨害している闇の勢力は、太古の時代にやってきた宇宙人」とやると神真都Qと同型となる(このようなスピリチュアル混じりの陰謀論をコンスピリチュアリティと呼び、筆者も寄稿した日本で初めての本格的な書籍が3月に刊行された)。
SNSやブログでメンバーを募集し、「一日一愛運動」も展開
このプロジェクトへの参加方法については、公式サイトに「愛の戦士への参加条件」として記載されており、それは主宰のD氏へTwitterのDMを送るというものだ。
メンバーには「協力者」と「スタッフ」の2種類が存在し、前者が「プロジェクトの趣旨を理解して応援していただく」、後者が「人々に愛の行いを実践してもらうための活動を行う実行部隊」とある。どちらも布教活動を指していると思われ、特にスタッフについてはTwitterやFacebookなどで不定期に募集が行われている。募集文言には「地球を救うための愛の戦士」などと書かれているが、募集要項を見る限りではウェブサイトやFBグループの管理を任せているようだ。
※「環境分野への進出」や介護への言及がある募集も存在しており、何かしらの団体を作っている可能性もあるが、その実在を示す情報は得られていない。
またこの集団は「一日一愛運動」というFBグループやmixiコミュニティも運営しており、FBグループの人数は650人を超えている。これに筆者は見覚えがあった。
ばら撒くチャー騒動(バクチャーという黒い粉(正体は水質浄化剤)を無許可で全国の水場にばらまく、2万人規模の集団が発生するという怪事)の中心となったFBグループでこの運動が紹介されていたためである。一日一愛運動のグループでは活発に投稿が行われており、それなりに広がっているようだ。投稿の中心はゴミ拾いで、一見しただけでは「地球を救うための愛の戦士」の集団が主導していることは分からないようになっている。
漂う「幸福の科学」の雰囲気
このプロジェクトの情報を追っていて感じるのが、そこかしこに漂う幸福の科学の雰囲気である。
例えば公式サイトの聖人一覧には「九次元」存在の項目があり、そこにはエル・ランティやエル・カンタラーが挙げられている。エル・ランティとは幸福の科学が多大な影響を受けた新宗教、GLAの立教者である高橋信次のことであり、エル・カンタラーにしても幸福の科学総裁である大川隆法が化身とされる本尊、エル・カンターレによく似ている。
また、主宰者D氏のブログには「幸福の法則(在家の法)」という連載があり、これは幸福の科学の書籍名を思わせる。
筆者は上記の主宰のブログと公式サイトの説明を読み、このプロジェクトの思想的なルーツに繋がる歴史観を発見した。それは下記のような歴史観である。
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