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QPhoneを産んだ詐欺師たちの神話(中編)~NESARAとサイバーカルトの女王~
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前編ではQPhoneの設定や発信源を分析した。中編となる本記事では、QPhoneやQFSを産んだNESARA/GESARAの世界を紹介したい。
詐欺を認めようとしない被害者たち
話は90年代のアメリカに遡る。イリノイ州マトゥーンにクライド・フッドという元電気技師の男がいた。フッドは1994年に「Omega Trust and Trading Limited」という会社を設立し、自らを経験豊富なトレーダーであると称して教会の仲間や地元の人達に金融商品を売り始めた。
この「自称」国際トレーダーによれば、彼は「プライム銀行券」なるものに対する極秘の投資を行っていた。これにより、彼の商品では1個あたり100ドルの「ユニット」を275日間で50倍にすることができ、それをさらに2回繰り返すことができるというのである。つまり3年足らずで50×50×50=125,000倍ものリターンを得ることができるわけで、この時点で極めて怪しい話である。しかしクライドは「神から降りてきたビジョンに従ってオメガを設立し取引している」と主張し、人々はそれを信じた。
当然ながらこれは詐欺で、「プライム銀行券詐欺」というのはFBIのサイトに説明ページがあるほど典型的な詐欺の手口である。フッドはこの手口で少なくとも2,000万ドルを詐取したと言われるが、このオメガトラスト詐欺については2000年にフッドと18人の共謀者に対する起訴が行われ、後に有罪が確定した。連邦検察官の「オメガとは何か?」という質問にフッドはこう答えている。
「それは詐欺です。」
その後、騙し取った金で購入された資産は差し押さえられ、イリノイ州の連邦弁護士は返還請求の支援を試みた。ところがいざ被害者に働きかけたところ、弁護士は困惑することになる。「近いうちにリターンは支払われるはずだ」と主張し、返還請求を拒否する被害者が続出したのである。
もちろんこの「希望を捨てたくない」という心理は理解できるものだが、しかしそれだけではなかった。その裏には、奇怪な情報を流し続ける「サイバーカルトの女王」がいたのである。
サイバーカルトの女王
その女性の名を、シャイニ・グッドウィンと言う(下のYoutube動画はNESARAについて講演するグッドウィンの映像)。
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