世界線を移動する陰謀論者たち
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何故か反ワクチンデモに紛れ込む、「ピカチュウの尻尾の先の色は何色?」
先日筆者も取材した神真都Qデモは1月23日にも行われ、多数の画像がSNSにアップロードされていた。その中で、札幌で撮影された集合写真に何故か「ピカチュウの尻尾の先の色は何色?スマホで検索」と書かれたプラカードが掲げられていたため話題になっていた。
反ワクチンデモのプラカードに、なぜピカチュウの話題が書かれているのだろうか?
このツイートの反応の中には、「面白がって参加した愉快犯によるものではないか」と言う人もいたがそうではない。このプラカードを掲げている人物は恐らく真面目に主張している。
結論から言うと、これは「世界線の移動」に気づいてもらうためのものだ。
一体何を言っているのか分からない人がほとんどと思うので、順を追って説明していく。
事実とは異なる記憶 - マンデラエフェクト
先ほど紹介した「ピカチュウの尻尾の先の色は?」という質問は、実はマンデラエフェクトと呼ばれる都市伝説や虚偽記憶の例として非常に有名なものだ。
マンデラエフェクト(マンデラ効果)とは、多くの人が持っている虚偽の記憶や勘違いに関する都市伝説である。
例えば、漫画で「朝、遅刻しそうな少女がトーストをくわえて走り出している」シーンを思い浮かべて頂きたい。この続きについて質問すると、多くの人はこう答えるのではないだろうか。
トーストをくわえた少女が角で少年とぶつかる。
学校に着くとその少年が転校生と紹介され、同じクラスになる。
たまたま少女の席の隣が空いていたことから少年と少女は隣の席になる。
このイメージは多くの人の間で共有されているが、ネットでも何度も話題になっている通り(パロディとして扱ったものはあるが)全く同じ展開の漫画はないと言われている。
となると、多くの人が同じ勘違い、あるいは虚偽の記憶を持っていることになる。これがマンデラエフェクトである。
(※もしも「全く同じ展開の漫画(あるいはアニメ、小説など)を確実に知っている」という方がいたら是非発信下さい。素晴らしい発見としてニュースになるはずです)。
この都市伝説が生まれたきっかけは海外のサブカルチャーイベントであるドラゴン・コンで、「ネルソン・マンデラは80年代には死亡していた」という記憶を持つ人が大勢現れたことであり、これも上記と同じく「実際の出来事とは違う記憶を、多くの人が持っている現象」である。
日本で有名なものとしては他に「天空の城ラピュタには別バージョンのエンディングが存在していた」というものがあり、これ単体を都市伝説として聞いたことのある方も多いだろう。
ピカチュウの尻尾の先の色についても、「現実のピカチュウの尻尾の先の色は黄色だが、黒だった記憶を持つ人が大勢いる」という話がマンデラエフェクトの例としてよく言われるのである。これが記事冒頭のプラカードに繋がる。
マンデラエフェクトと世界線
勿論、マンデラエフェクトだけでは単なる「事実とは異なる記憶」にすぎない。多くの人は単なる勘違いか、断片的な情報から作り上げられた虚偽の記憶と考えるだろう。
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