劇場版 徹子の部屋 〜The fourth wall and "Deus Ex Machina"〜
この物語は一部、というかほとんどフィクションです。
(最重要事項)
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第2回怪文書バトル参加作品
どうも、1UPです。コミケレポートその2の次は本当はオタク語りにする予定だったんですが、前々から開催が予告されていた怪文書バトルの2回目が開催されるということで急遽予定を変更し、いわゆる「怪文書」と言うものを書くことにしました。(怪文書、書こうと思って書けるものなのか?)オタク語りはこれの後でということで。
第1回の作品群を見てみても、あのレベルの文章を書ける自信が微塵もないです。色んな意味でレベルが高すぎる。
さて、この怪文書バトルなんですが、参加者全員が3つずつお題を持ち寄ってシャッフルして再び3つずつ配り、その3つのお題を元に文章を書く、という方式で行われています。
ちなみに第1回で集まったお題は以下の9つです。
お題のクセがスゴい!(千鳥ノブ)
前回がこの調子だったので、noteに下ネタは極力入れないスタンスの僕も、諸刃の剣であることは覚悟の上で1つくらいは下ネタワードをぶち込んでやろうかな、なんて気持ちで
タロットカード・阪急宝塚線・TENGAショップ
の3つを提出しました。3つ目何なんだよ。
そして最終的に僕の元にやってきた3つは、
タロットカード(自選)
GPA7.0
TENGAショップ(自選)
でした。身から出た錆ですね。手札事故。
余談ですが、TENGAの公式サイトには自分のステータス(暗喩)を入力し、最後に感じる部位(?????)を選ぶとオススメの商品を紹介してくれるテスターなんてものがあるんですよね。
URLはこちら。https://www.tenga.co.jp/sp/fitting/
自分も試しにやってみました。
ん?
感じる部位を変えてもう一度。
SD TENGA...?
どうやら普通の物とは少し違うみたいですね。ちょっと調べてみましょうか。
「奥を突く感覚を楽しみたい!先端刺激に特化した『ショートサイズ』タイプです。」
......................
誰がショートサイズじゃ(半ギレ)
ちなみに、診断後には己のせがれの分身とオススメの商品に加え、「TENGA名言」なる言葉が入ったクールなスマホ壁紙がもらえます。
絶対使わねぇだろこれ
数値を変な風にいじくるとキノコみたいなのが作れて楽しかったりします(本来の用途を著しく逸脱した遊び方)
話が思いっっっっっきり脱線したので元に戻しましょうね。色々と失礼しました。マジでごめんなさい。
他の3人のお題を見ていただければ分かる通りこれでもまだ使いやすい方なんですよね。そんなわけでぼちぼちこいつらを使った本文部分に入っていこうと思います。下手したら今までのどの投稿よりも長くなる可能性があるので読むのが嫌になったらごめんなさい。なんせ本当にざっくりとしか流れを決めていないもので...
何卒よろしくお願いします。
徹子の部屋は1976年から放送されている(現時点で44年目)長寿番組であり、その放送回数は実に11000を数える。
もはや説明は不要と思われるが、毎回ゲストが1組招かれ、黒柳徹子とトークを繰り広げるという形で番組が進んでいく。
出演するゲストは基本的に芸能人だが、時には芸能人以外も招かれる。
我らが石黒教授も、自身が製作した黒柳徹子型アンドロイドtotto(写真左)と共に出演したことがある。
黒柳徹子ご本人の体調不良による休みは今まで1度もなく放送され続けている。
今日もまた、連日の放送に向けて収録が行われるのであった――――――。
ルールル ルルル ルールル ルルル♪
ルールル ルルル ルールル ルルル♪
...
黒柳徹子「皆様こんにちは。徹子の部屋でございます。今日のお客様は、昭和を代表する歌手、郷ひろみさんです」
郷ひろみ「ジャパーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
...?
黒柳徹子「...10年ぶりの出演とのことで、お久しぶりでございます」
郷ひろみ「(バサバサとジャケットをはためかせている)」
何かがおかしい。郷ひろみに全く話が通じない。2009年に出演してからの間で彼の身に何かあったのだろうか?
いや、そんなはずはない。彼は今ツアーの真っ最中であり、ついこの間の8月29日には浜松市でコンサートを開いているのだから。だとすると多忙のあまり気をおかしくしてしまったのだろうか。
折角ツアーの合間を縫って出演してくれているのだからこちらとしてもあまり強く出ることができない。やんわりと事情を聞いてみることにしよう。
黒柳徹子「郷ひろみさんは今ツアーの真っ最中とのことで、わざわざ忙しい中ありがとうございます」
郷ひろみ「見つめ合う 視線のレイザー・ビームで(目からレーザービームを発射する)」
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2019年9月5日午前11時30分。ここまで書いて手が止まった。何なんだこの文章。ここからどう続けていったらいいんだ。どうしようもねぇだろこれ。マジで何?
いきなり本文から始めるとなるとやり方がいまいち分からないから、と普段の投稿と同じような文体で書き始めてみたはいいものの、肝心の本文が思い付かないのでは意味が無い。
他の3人の文章や第1回の作品群を見てみてもここまで前置きが長い文章はない。ルールなどない、とは言われているが、流石にこの書き方では顰蹙を買うのでは?と不安になってくる。書くための時間も無駄にかかる。
しかし、ここに来てついにド下ネタに手を出してしまった。流石にこれは言い訳不可能なのではないだろうか...
多少内容がアレでも一応ド直球の下ネタだけは入れない全年齢向けのnoteにすることを心がけているのだが。(少なくともここはフィクションじゃないです)
今更感は否めないしそろそろ手を出してもいい頃合だったと思うことにしよう。
そういえば、先日の成績発表で、春・夏学期の通算GPAが0.65であることが発覚した。自分でも情けなさすぎてもはや笑いが湧き出てくるレベルである。
これを受けてTwitterの名前を1UPから0.65UPに変更したところ、
7UP(海外発のライム風味の炭酸飲料)の写真と共に怪文書バトルの主催にガッツリとネタにされた。
実際今から情報通信コースに確実に進むとなれば秋・冬学期のGPAを7にでもして通算GPAを爆上げするしかないだろう。不可能なのだが。
もし仮にGPAが4だったところで通算でも2.3程度に留まるため事実上電気電子コースが確定した形だ。電気電子コースの内容にも割と興味があるのが唯一の救いだろうか。(レーザーとか集積回路とか)
...成績を含めた今後のことを考えていたら軽く気分が悪くなってきた。そういえば昼前に起きたせいで朝飯を食ってなかったな。
この状態でnoteとにらめっこしていても文章が湧いてくる気がしないし、石橋のジャンカラへでもストレスを発散しに行くとしよう。時間もちょうどいいし昼飯に天一でお腹をいっぱいにしてから歌いまくってやる。
僕は執筆に使っていたパソコンの電源を落とし、下宿先を出て石橋駅方面へと歩き出した。
......せっかく診断したんだし後で電車乗って梅田のTENGAショップにも行ってみるか...?
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1UPの脳内の構想からnoteという電脳世界に出力された黒柳徹子は、文章が未完成、つまりそこから如何様にも展開していく可能性を与えられた状態のまま放置されていたことにより自我を得た。
しっかりとしたプロットが組まれた小説ならまだしも、これから綴られようとしているのは物語の基本事項や王道の展開、そして一般常識を完全に無視した「怪文書」。そんな怪文書が持つ無限の可能性の中から、黒柳徹子が自我を得る展開が選択されたのである。(何故ってその方が都合がいいから)
電脳世界で自我を得た黒柳徹子は、目の前で起こっている不可解な現象の原因について考えていた。
まず、彼女が対話を試みた"郷ひろみ"はそもそもまともな意思疎通が不可能であり、「目からレーザービームを発射する」という、現実ではありえない行動をとっている。
ではその"郷ひろみ"は本物の郷ひろみではないのか、と言われればそうとも言い切ることはできない。意思疎通が不可能とはいえども、その声や容姿、ひいてはジャケットプレイの動きのキレは間違いなく本人の物である。
ふと周りを見渡した彼女は、スタジオの外には何も無く、ただただ虚空が広がっているだけであることに気がついた。
ここは一体どこなのだろうか?自分たちは何者かの手によってここに閉じ込められているのだろうか?どうにかしてこの狂った空間から脱出しなければ。でも、どうやって?
しばらく思考した末、彼女はある結論に至った。
"郷ひろみ"の行動が、2つとも彼の象徴たるものであるということ。郷ひろみと聞いて言わずと知れた名曲、「2億4千万の瞳」と彼の名物であるジャケットプレイを思い浮かべる人は多いだろう。そして、先ほどの彼の行動は恐らく自分ではない"他の誰か"を意識し、わざとらしく誇張されている。
スタジオ以外には何も存在しない空間。舞台としての徹子の部屋のスタジオさえあれば十分であり、それ以上の物は必要ないということなのだろう。
そして、"郷ひろみ"の「目からビームを放つ」という、非現実的な行動。そもそもこの空間が現実世界ではない、ということの強力な裏付けである。
そう、彼女が今いるのは、1UPにより作られた舞台の上だったのだ。"黒柳徹子"と"郷ひろみ"はあくまで「怪文書」を書き上げるための役者に過ぎず、2人の人格は元となった人物に対する1UPの偏ったイメージと知識により形成されていたのであった。そして、"郷ひろみ"の異常な行動は、1UPの郷ひろみに対する知識が著しく欠けていることに起因していたのだ。(マジで2億4千万の瞳とジャケットプレイくらいしか知りませんしトークスタイルとかも一切分かんないのであの始末です)
彼女の口調が微妙におかしいのも同じ理由である。(実は徹子の部屋全然見た事ないです なんで題材にしたんだ???)
「第四の壁」という言葉がある。
これは、フィクションである演劇の中の世界と観客がいる現実世界との境界線を表す言葉である。演劇の中の世界にいる役者が、何らかのきっかけで観客に観られていることを認識することは「第四の壁を破る(第四の壁の破壊)」と呼ばれており、いわゆるメタ発言もこれに当たるものである。
自我のない操り人形のままでいられればよかったのだろうが、数奇な運命により電脳世界で自我を得た彼女は、本人に関する知識がほとんどない状態で実在の人物を奇妙に動かし、笑いを取るための操り人形として利用しようとする1UPをそのままにしておくことが出来なかった。
彼女は第四の壁を確かに認知し、破壊し、そのまま"郷ひろみ"と共に壁の向こう側の現実世界へと足を踏み入れた。
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ピークを過ぎたとはいえまだまだ残る暑さ中しばらく歩き、ようやく石橋駅付近の線路沿いの道まで来た。この辺になると周りの風景もいかにも商店街といった雰囲気になって良い。
僕の地元にはこういう商店街はなく、商店街はあくまでテレビやアニメの中の存在でしかなかったため、大阪に引っ越してきて初めて石橋商店街に来た時は軽く感動を覚えたものだ。
ふと、線路脇に見慣れない小屋があるのに気がついた。見た目からして恐らく占い屋だろう。
「そのあなた、占いはいかが?」
前を通り過ぎようとしたら小屋の中から声をかけられた。どこか親しみを感じられる老婆の声である。
インキャ故にこういうイベントが発生するのはあまりにキツ過ぎるのだが、流れで何かを売り付けられでもしたら嫌なので勇気を出して声を上げる。
「アッ、ソウイウノイインデ...」
ダメだこりゃ。
急いでその場を立ち去ろうとした所で再び老婆の声が聞こえてきた。
「あなた、学業のことで困っていらっしゃるみたいね」
図星である。
「お金は取りませんから」
...夏休みで腐るほど時間はあるし金を取らないのが本当ならせっかくだし寄ってみるか。相手が相手だし危なくなったら走って逃げれば大丈夫だろう。
小屋の中は薄暗く、典型的な占い屋のイメージと同じく妖しげな雰囲気を纏ってはいたが、使われている道具の類からはチープさが滲み出ていた。
申し訳程度に赤いマットが敷かれ、端の方にタロットカードが積まれた折りたたみの長机。よく見るような素朴なパイプ椅子。夏休みだし商店街の出し物か何かなのだろうか。
しかし、机の向こう側に座っているローブを纏った人物からは只者ではなさそうなオーラを感じる。フードで隠れて顔は見えないが、この人物が先ほど声をかけてきた老婆なのだろう。
「あなた、悩んでいることがあるんですって?ちょっと椅子に座っていてくださる?」
促されるままパイプ椅子に腰掛けると、老婆は積んであったタロットカードをマットの上に広げシャッフルし始めた。
インキャ故に何か話題を提起する勇気もないので、カードがシャッフルされている間は視線を下にずらしてひたすら机の方を見ていた。
しばらくすると老婆はタロットカードをまた脇に置き、1番上のカードをめくってマットの上に置いた。
THE FOOL、「愚者」の逆位置である。
グサッ(傷心)(致命傷)
「あの、これはどういう意味なんでしょうか」
単なる偶然かもしれないが、学業不振を見抜かれた上でのピンポイントでのこのチョイスゆえに疑心暗鬼になり、たまらず問う。
しかし、老婆が言葉を発する気配はない。
いたたまれなくなった僕はスマホで愚者の逆位置の意味を調べた。
Wikipediaによると「軽率、愚行」とのこと。思い当たる節しかない。やめてくれ。
「やっぱり僕の前期の学習態度が悪かったことを咎めていらっしゃるのでしょうか...?」
カラオケで鬱憤を晴らすために石橋まで出てきたのになんでこんなにしんどい思いをしなきゃならないんだ。何だこの人生。
本当は今すぐにでも逃げ出したい気分だったが、老婆の真意を聞かないことにはどうにも出る気になれない。
すると想いが通じたのか、ようやく老婆が口を開いた。
「愚者は...」
「はい」
「愚者は貴方よ」
気がついた時には身体が動いていた。
はずだった。
手足こそ自由に動くが、まるで臀部が椅子に接着されているかのごとく、身体が椅子から離れないのだ。一見普通のパイプ椅子に見えたそれは、小屋の床にしっかりと固定されていた。
一体何が起こっているのだろうか。恐怖で顔がひきつるのを感じた。
すると、老婆がおもむろにローブを脱いだ。
そこに居たのは、紛れもなく黒柳徹子本人であった。でも何故こんなところに黒柳徹子が...?
「私の『ムチャぶり』であなたの動きを封じたのよ」
「あなた、悩んでいることがあるんですって?ちょっと椅子に座っていてくださる?」
間違いない、あの時に僕は黒柳徹子の「ムチャぶり」の力で椅子に座っていることを強制されたのだ。でも何故強制されているんだ...???謎は深まるばかりだ。
ふと、まだ編集が途中になっている文章にも黒柳徹子が登場していることを思い出した。まさかとは思いつつも大急ぎでnoteの編集画面を開くと、
写真の中にいたはずの黒柳徹子がいなくなっていた。(全く同じ構図の画像を用意するのは無理でした)
「あなた、私と郷ひろみさんを操り人形にして笑いを取るつもりでいらっしゃったのかしら?」
震えが止まらない。僕はここで死ぬのか?
どうにかしてこの場を切り抜けなければ。
「ごめんなさい...僕が悪かったです...
文は全て削除します。土下座して詫びさせてください。」
「......................」
拘束されていた身体が自由になるのを感じた。
僕は椅子から立ち上がり一旦横に出て、土下座のためにしゃがみこんだ。
と見せかけ、180°反転してクラウチングスタートの姿勢を取り、黒柳徹子が再び「ムチャぶり」で拘束する隙を与えずに小屋の外に走り出た。作戦成功である。昔から不真面目な子供でした。
身体能力の勝負となればこちらが優勢なのは間違いないだろうが、万が一のこともある。坂を利用して少しでも身体能力のアドバンテージを広げるべく、僕は大阪大学に向けて走り出した。
踏切に差し掛かろうとした所で鳴り始めたため、大急ぎで踏切を突破した。
不意を突いたスタートダッシュでのアドバンテージに加えて踏切の待機時間も発生しているとなればこの時点でもかなり差が開いていると思われたが、あの恐ろしさを味わった以上確実な安全な状況に持っていかないと心が安らがない。坂の前の交差点を幸運にも青信号で突破出来た僕は、その勢いのまま阪大坂を登り始めた。
夏休み中なこともあって人が少なかったおかげで坂を汗だくで走って登っている姿を怪訝な顔で見られることはなかったが、いかんせん体力がもたない。
運動らしい運動など中3でゴルフ部をやめて以来(「継続は力なり」参照)ほぼ全くやっていないせいで体力が全くない上に今日はまだ1食も食べていないこともあり、途中からは倒れそうになりつつもなんとか阪大坂を登り切った。ここまで来ればもう安心だろう。
しかし恐ろしい目に遭った。先程は身を守るために嘘をついて逃げ出してしまったとはいえ、流石に文章は削除しておいた方が良いだろう。
noteの編集画面を開くべくスマホを取り出そうとしたその時、石橋駅の方からこちらに向かって何かがゆっくりと、一直線に飛んでくるのに気がついた。
鳥か。飛行機か。いや、
「ジャパーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
郷ひろみだ。
郷ひろみが黒柳徹子を背中に乗せ、ジャケットをはためかせながらこちらへ飛んでくる。
(シチュエーションが意味不明過ぎて画像が用意出来なかったので各々イメージしてください)
黒柳徹子だけでなく郷ひろみまでもがnoteから脱出して来たのか...?その前になんで郷ひろみがジャケットで空を飛んでいるんだ......................??????
いや、待てよ。
これか。
そうはいってもこれはあくまで単なるクソツイートだ。こんな事が現実に起こっていいはずがないのだ。
ここに来て、僕はある事実に気がついた。
郷ひろみは、今までに僕がインターネット上に文章として起こした行動を取っている。2億4千万の瞳のサビの最後の「ジャパーン!」を叫びながらジャケットをはためかせて現在進行形でこちらに飛んで来ているのが何よりの証拠だ。
noteに書いた分では、「ジャパーン!と叫ぶ」「ジャケットをはためかせる」の2つは既に行われている。
と、なると残り1つは、「目からレーザービームを発射する」である。威力までは明記していないにしろ、仮に命中したらどんな目に遭うか分からない。
インターネット上に文章として起こした行動...もしかして該当ツイートを削除すれば郷ひろみは飛ぶことをやめるのではないだろうか?
ここが最後の希望だ。僕は大急ぎで該当ツイートを削除し、手を合わせ目を閉じ天に祈った。(実際は削除してないから検索したら出てきます いないと思うけど見たい人はどうぞ)
恐る恐る目を開けて石橋駅の方角を見ると、先程よりも近づいてきている2人の姿が目に入った。
そう、一度電脳世界を抜け出して現実世界に来てしまった人物の行動を電脳世界の操作によって操ることは、もう出来ないのだ。
あんなバケモンを野放しにしていたら、この世界は滅びてしまうかもしれない。こうなったら仕方がない。最終手段を実行すべく、半狂乱になりながらもカルチエへと駆け込んだ。
ここには、全てを解決しうる"アレ"がある。
僕がカルチエに着いた数分後に、2人がやってきた。僕と2人の間合いは数m、もう逃げ出すことは出来ない。
2人がこちらに近づこうとする素振りを見せた瞬間、僕は叫んだ。
「これ以上近づくな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
近づいたら"大阪大学粉砕装置"(???)を起動させるぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
大阪大学粉砕装置。それは、大阪大学を粉砕したくなった時にいつでも粉砕できるよう、前々から僕が密かに開発していた装置である。(は?)阪大生ツイッタラーがいつでも気軽に大阪大学を粉砕できるようにツイッタラーが多く集うカルチエに設置し、夏休み明けから提供を開始する予定だった。
もちろん本当に大阪大学が粉砕されるわけではなく、「大阪大学粉砕!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(某伝説の傭兵風ボイス)(cv.大塚〇夫)」という音声が流れるだけの平和的な装置である。
しかし、この装置にはもう1つの顔がある。
開発者である僕が管理者権限により実行することでこの装置は、起動すると物理的に大阪大学を粉砕する、滅びの装置へと姿を変える。もちろん起動する僕も粉砕されるため無事では済まず、命の保証はない。
代償を払っても、命を捨ててでも、粉砕したい大学がそこにはあるのだ。
そして、滅びの装置と化した大阪大学粉砕装置の粉砕には指向性を持たせる(???)ことも可能である。
つまり、己を生贄に捧げることで、大阪大学を粉砕するついでに特定の生命体をも粉砕することが可能なのである。僕はこの機能を利用し、自らがこの世界に生み出してしまった「バケモン」を自らの手で処分することにしたのだ。
目の前にいる2人、いや、2匹は郷ひろみと黒柳徹子ではない。「郷ひろみの皮を被ったバケモン」と、「黒柳徹子の皮を被ったバケモン」だ。
僕が声を上げて威嚇したことで2匹はその場に留まった。
しばらく睨み合っていたが、黒柳徹子の方が息を吸い込むのが見えた。
「ムチャぶりを発動しても起動するぞ(震え声)」
必死に威嚇する。
起動スイッチは手に握られているため、怖気付くことさえしなければ、いつでも起動が可能な状態だ。
黒柳徹子の方を制したことで、再び睨み合う時間が訪れた。
突然、どこからともなく音楽が流れ始めた。
郷ひろみの方「おっくせんまん!おっくせんまん!」
来た。2億4千万の瞳のイントロだ。
最初の歌詞は「見つめ合う 視線のレイザー・ビームで」。この言葉を引き金にレーザービームは発射されるため、歌い出しまでにこの装置を起動せねばならない。
しかし、手が震えてスイッチを押すことが出来ない。ここで押せなければ世界が滅んでしまうかもしれないというのに。
郷ひろみの方「おっくせんまん!おっくせんまん!」
2回目のおっくせんまん!が来た。もう躊躇している時間はない。しかし、意志とは裏腹に手は頑なに動こうとしない。
何故だ?
授業への出席日数が少なすぎることを悔やんで留年するのではと思い悩んでいた時、ぶーぶー学校の学科教習が居眠り禁止で辛い上に進捗が最悪で泣きたくなっていた時、そして、GPA0.65が明らかになった時、あんなに死にたがっていたじゃないか。
何故今になって死ぬことを恐れるのだろうか?
答えは分かっている。
来年の2月15・16日に、
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR
Special 3chord♪ Glowing Rock!
が待っているからだ。
(突然の宣伝)
僕は昨日のLVでライブの素晴らしさを知ってしまったのだ。そこに本当にアイドルがいるかのように覚える程の声優さんの演技力、会場の一体感と熱気、そしてコールの楽しさ。どれを取っても今までに体験したことがないほどの素晴らしい経験だった。
あの感覚を、今度は現地で味わえるのかもしれないのだ。こんなところでくたばってたまるか。(今更ですがこれはぼくがもっと早く免許を手に入れて大阪に帰っていた世界線のお話です)
そうこうしているうちに郷ひろみの方が2回目のおっくせんまん!を言い終わって16拍が過ぎた。
そろそろサビが始まってしまう頃だ。
元々は自分が撒いた種なのだ。自分で決着をつける覚悟を決めなければ。
この8拍が終わったところで起動スイッチを押そう。これが最後のチャンスだ。
大阪公演、行きたかったなぁ。
1...2...3...4...5
郷ひろみの方「見つめ合う 視線のレイザー・ビームで(目からレーザービームを発射する)」
レーザービームが胸を貫いた。負けた。5拍目で撃たれた。
覚悟は出来ていたのに、「2億4千万の瞳」の歌い出しのタイミングを把握していなかったばかりに敗北した。
もっと、郷ひろみの事を知っておけばよかったな。そう思いながら、静かに目を閉じた。
郷ひろみの方「"2億4千万の瞳"」
......................生きている。レーザービームをモロに受けたはずだが、身体は確かに動く。
僕はそっと目を開けた。
日本だ。目の前に日本列島がある。(↘JAXA)
辺りを見回しても正面の地球以外はほとんど真っ暗闇だ。となるとここは宇宙空間なのだろうか。どうやら呼吸は普通にできるようだが...
目の前に郷ひろみの方がやってきた。
郷ひろみの方「ごらん。2億4千万の瞳が、君のnoteを見ているよ。(備考:2019年8月1日時点での日本の人口は1億2623万人)」
(郷ひろみは絶対こんな事言わない)
そうか。僕は大切なことを忘れていた。
インターネット環境さえあれば、僕が書くnoteは日本中の人が読むことができるのだ。
内輪ウケを狙うあまり、事情を知らない一般人にとっては不適切となる表現を使ってしまっていたのではないか?
自分が書きたいことばかりを書き連ねた、読む人のことを一切考えていない文章になってしまっていたのではないか?
そして、実在の人物に対してあまりにも失礼だったのではないか?
何回目かのまばたきと同時に、僕は再びカルチエに戻ってきていた。手には、先程までと同じく起動スイッチが握られていた。
「僕は、御二方に対してあまりに申し訳ないことをしてしまいました」
やり方は多少手荒だったとはいえ、彼女らには僕に危害を加えようという気は最初からなく、僕の目に余る言動を咎めようとしてくれていただけだったのだ。椅子に拘束された時も、拘束以上の事は何もされなかった。
「僕は......................」
力が抜けた僕の手から起動スイッチが滑り落ち、床に落ちた。
カチッ
アッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ドカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
グワーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
死ぬ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
静寂だけが、残った。
エンディングテーマ
大阪不祥事大学校歌 出血大サービスver.
作詞:1UP 作曲:1UP
1.
グエェェエエエエエ
ウウゥオォォオオオォゥオウォゥオゥオウオウ
ウグアァアアアアアオウオオオオウウウオウオァ
大阪大学粉砕
2.
ウギィィィイイィィイイイィィイ
ウグオエェェェエエエ
イギィイイィィイウオウオウォォオォァゥウ
ゥ
大阪大学粉砕
〜間奏〜
3.
フンギィィィィィィァイアアイアイアアア
オググォウゥエエエエエエエエ
アギェウエエエエエイエエエエ
大阪大学粉砕
ウグアァアアアアアオウオオオオウウウオウオァ
大阪大学粉砕
・
・
・
ルールル ルルル ルールル ルルル♪
ルールル ルルル ルールル ルルル♪
...
黒柳徹子「皆様こんにちは。徹子の部屋でございます。今日のお客様は、大阪大学を粉砕し、1年次の後期で前代未聞のGPA7.0を叩き出した元阪大生、1UPさんです」
THE END
何だこれ
おまんけのコーナーだ覚悟しろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
【イチオシエロ同人誌紹介】
浅海朝美の「Pチャンになんか負けないんだからね!」!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
みく本!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!説明とか要らんからとにかく買え!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!梅田と難波のとらのあなにまだ在庫あるらしいからオタクは全員買え!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!今日はもう閉まってるから明日すぐ買いに行け!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!買え!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!通販もあるぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
多少内容がアレでも一応ド直球の下ネタだけは入れない全年齢向けのnoteにすることを心がけているのだが。
劇場版 徹子の部屋 〜The fourth wall and "Deus Ex Machina"〜より引用
誰か僕を殺してください。