癒月物語 eighteen story ”海に落ちたステンドグラス”
また、見えた。
今度は、深い海に沈んだ、ステンドグラス。
これは、なんの欠片…?
深い海に潜るように、意識を沈めていく。
身体もだんだん重くなり
ベッドがまるでちぎれそうな雲のように
そして、雲から落ちていくような
そんな感覚になりながら
私はその黒い暗い情景に浮かぶ
硝子の破片とステンドグラスの欠片に
意識を集中させた。
ここはどこの海…?
”クロアチア”
…?
”青の洞窟”
……?
どこ……?
ふと、浮かんだ地名
”クロアチア 青の洞窟 の 欠片…?”
まるで、ゲームの攻略ヒントのように
頭に響く、声。
何故私はこんな事を思い出したのだろう?
分からないし、知らないし、
でもそんな事はどうでもいい。
今はただ、この綺麗な景色の奥深くが、知りたい。
私は、意識を海の下へ落とす
光る欠片
それを手に取る、私。
綺麗。
私は……………………。
……。
…。
…
………
………。
「あれ…?」
気付いたら、朝だった。
「…夢見てたのかな…」
顔をしかめ、いつもの朝の支度をする。
ベッドの下には、深い深層水のような
なんとも言えない色彩の素材の硝子の破片が
何故か落ちていた。
その尖った破片の先は朝の光に照らされて
綺麗な反射光を放ち
部屋を鮮やかに染めた
その光はまるで
ステンドグラスから漏れた灯りのようだった。
「最近、変な夢みたいな感覚にばかりなる。
なんだろな…」
紅音(あかね)は、鏡を見ながら呟き、
口紅の塗り残しをチェックし
通勤ファッションに着替え
いつものように、家を、出発した。
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