心の奥にある本当の声
こうして書いていることをあらためて読むとまるで自分が緻密な考え、根拠に基づいて現在の業態に持って行ったみたいだけど、これは動機付けであって動機ではない。モチベーションも大事だけど、「動機そのもの」がもっと大事。
なぜ開業するのか、という動機、初期衝動というものをいったん自分の中でまとめておくといいと思います。
このように文章という形にしなくてもよいのですが出来れば言葉にしてみることが大事ではありますが、それは入試や入社の面接でもなく、誰に見せるものでもない。 だから思いっきり自分自身の声を聴いて、あぶり出す。いつの日にかそれは、熱を帯びるほど大変なオーバーワーク時に再びあぶり出てくるかもしれない。 曇りガラスに自分の指で「奥の声」を書き出してみる。
いつの日にかそれは、凍えるほど冷え切った精神状態の時に再び浮き出てくるかもしれない。
そんな心の奥にある本当の声にぜひ耳を傾け、出来れば何かに書き記してみてください(誰にも見せる必要はありません)。と、そんなことを考えていたら、自分自身これは限りなく本音の本音に近いものをかつて書いたことがあったなぁと思い出し、探し出してきたんで今回はこれを貼っておきます。
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ネガティブパワー後編~なぜお店を開こうと思ったかの本当の話
(裏・文明通信 2014/ 3月号)
取材等で訊かれる筆頭格の質問「なぜお店を開こうと思ったんですか?」
あまりに何度も訊かれると、「理由ってそんなに大事かい?普通の会社員や営業マン、ショップ販売員、肉体労働者、その他諸々の人にもそれ訊くかい?」とか毒づいてみたくなる気を抑え込み、あ、でもそういえばみんな入社面接にしても必ずこれ訊かれてることだし、職に就いたあとでこんなこと訊かれるなんてのは考えようによってはそれだけ個性的な仕事してるってことだし、喜んで受け入れ、かつ誠意をもって回答しようと思うことにしている。
本当の本当の話をしてしまうと長くなるから、最も端的に、
「コーヒーが好きだからです」
と答えることにしている。
もう少し色をつけると、「中学生の頃から家では自分で豆から挽いて淹れて飲んでた」みたいなフレーズが加わる。そしてこれはもちろんウソじゃない。ウソじゃないけど、真相、深層、本音の中の本音ではない。でも長くなるし本音の中の本音をテレビや雑誌ではもちろん、取材時に話すのは誰にとってもきっとよろしくない。ていうかやっぱ単に長いからよくない。
だからここ「裏・文明通信」の場を借りてこってりと書いておこうと思ったけど、最初っから述べてたらそれこそ絶対うんざりされるからやめるとして(なんやねん)、
実録:メジャーからの生還2001年5月11日、 生還。
もちろん読まなくても全然構わないんで、ザックリと2001年にとある大きな出来事があったってことだけ踏まえていただきやしょう。
その後、さてどうしたもんか、とりあえずこれまでのフリーター(塾講師)ではなく、就職しようということだけは決めた。
決めたはいいが、オレが大学4年の時のバブル絶頂期ならいざ知らず、世も変わり、職務経歴ゼロの34歳を雇うような会社はどこにもなかった。選択の余地もなくまずは学習塾をはじめとした「教育業界」のみに絞った。ていうかこれしか経験(バイトだけど)がなかったから。
「塾」の他に「専門学校」「通信制の学校」など履歴書を何枚も出したが、実際に面接にこぎ着くことすら叶わなかった。面接や模擬授業まで行ったとしてもことごとく不採用または不採用通知すら来なかった。
ハローワークに行き、検索であっさりと「ゼロ件」ていう画面を見て、あまりにあっさり終わるもんだからバイトまでの時間は近所の公園や川などをひたすら散歩した。そんな毎日が繰り返され、なるべくポジティブにいようと心がけはするものの、さすがに滅入ってしまい、ひどく暑かった夏の一人の部屋で、ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう~おぉ~のぉ~れぇ~~!!!!
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