その喫茶店、カレー屋につき。「ジーママカレーが出来た理由」
知人が突然送ってきたカレー。
夕食時に食べたが、その美味さに衝撃を受けてハマってしまい、すぐさま何処のカレーなのかと調べると、「極楽カリー」と書いてある。
確かに極楽・・・というか凄い名前。
僕の中のカレー感は変わり、このカレーを再現してお店で出してみたいと思うようになった。
僕は影響されやすい。。。
極楽カレーを調べてみると、その師匠にあたるのが「サリサリカリー」という事に突き当たった。
じゃあそっちのカレーも食べてみようという事で早速通販をして食べてみると、少し味わいは違うけどそのスタイルはまるで一緒。
妻はその時言いった。
「カレーって何だっけ?」と(笑)
そう、このカレー、時折現れるホールスパイスの弾けるような香りはあるものの、所謂慣れ親しんだスタイルのカレーっぽさが無いのだ。
油は多く、具はほぼほぐれた鶏肉でショウガやニンニクが利いていて、マイルドな旨みを感じる。
「これがカレーなのかは分からないけど、めちゃくちゃ美味い。」
感動した僕はお店でも同じスタイルのカレーを提供することを心に決めた。
美味しさもさることながら、このカレーにはもう一つ僕が好きになるポイントがあった。
それは材料が至ってシンプルという事だ。
僕は無駄をそぎ落とした、シンプルなものがとても好きだ。
どこにでも売ってるような材料で作れる、けど、その味を出すためにはコツや手間が必要、そういうものが好き。
シンプルで無駄が無いものからは、余計な味を感じない。
食べ始めから終わりまで、全て必要最低限な味で構成されている。
これこそが「サリサリカリー」の秘訣だ!と勝手に決めつけて、カレー作りをスタートさせた。
とは言え、全く手掛かりが無い状態からレシピを完成させるのは至難の業だった。
ならばと僕は現代人らしく、ネットで情報をかき集める事にした。
するとネット上にはサリサリカリーの味に惚れ込んだ人たちのレビューや、実際に自分なりにレシピを作り公開している人の情報が溢れていた。
やはり愛されているんだなぁと実感しつつ、実際に食べた味わいと情報との闘いが始まった。
ネットの情報は当然ながら、正確ではないものが多数存在する。
そういった情報に惑わされず、自分が納得するカレーを作るまでに相当の時間を要した。
完成したレシピを見てみればなんてことはなく、ごく当たり前の事を、丁寧に、時間をかけてやるだけだった。
それは工夫というより、余計な手を加えない、という方が正しい。
そんなこんなで完成したカレー。
材料は、鶏肉、トマト、たまねぎ、ニンニク、ショウガ、なたね油、岩塩、スパイス数種類。
夏~秋は南会津産トマトやニンニクなど地元の食材を、なたね油は会津若松の平出油屋さんのものを使った。
(※平出油屋さんが閉店するとの事。とても残念だけど、今まで本当にお世話になりました。ありがとうございました。)
たまねぎとニンニクをたっぷりのなたね油で煮ること4~5時間、その後他の材料を入れて、水を使わずに、10時間程煮込んで完成。
時間が掛かるので、基本2日かけて作っている。
ジャンルで言えばパキスタンカレーらしいのだけど、「サリサリカリー」というジャンルだと言っても過言ではないだろう。
唯一無二のスタイルだ。
このカレーに影響を受けたカレー屋さんが全国にちらほらある様だ。
僕のお店もその一つ。
本家の味にも負けない様に頑張ってこのカレーを作り続けていきたいと思うので是非食べに来てくださいね。
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