大貫妙子 ピーターと仲間たち 2024 EX THEATER ROPPONGI
2024年7月9日(火)18:00開場、19:00開演
EX THEATER ROPPONGI
大貫さんの「ピーターと仲間たち」ツアーは今年で2回目。年末の「大貫妙子コンサート2023」とはメンバーも曲も全然違う内容です。私は途中3月に山弦とのライブに行きましたが、昨年11月以来のバンド編成のコンサートです。
オープニングは「カイエ(II)」インストです。バンドのみんなの演奏が終わってから大貫さん登場。「LULU」の台詞はかわいいですよね。「ピーター・ラビットとわたし」「テディベア」や「地下鉄のザジ」まで、キャラクターが立っているというか、大貫さんの“かわいい曲”がメインです。坂本さんの残した音源を利用しているので、「UTAU」とはうって変わり、エレクトロニカルでリズミカルでポップな曲が多い。
大貫さんの声がよく聞こえます。とてもノッている感じがしました。表情も柔らかで、リラックスして楽しんでいるようです。ピリっとした大貫さんも好きですけれど、こんなふうに微笑んでくれる大貫さんも好きです。今年はフェスにも参加されているので公演回数が多いように思います。歌う回数も増えることでノドの調子もあがるのかな。
最近の大貫さんは歌の出だしを間違えることが1公園1回くらいはあるのですが、今回は歌詞をちょっと間違えたくらいなものだったようにお見受けしました。ただ、右手の人差し指がつる、というアクシデントが後半に起きました。ちょっと歌いながら痛そうだったので心配になりましたが、大丈夫そうでした。足がつることはよくあるけれど、指は経験がないとお話されていました。大貫さん、ハンドマイクが使えない話は、以前山下達郎氏と話してましたね。身体がぶれると歌えにくいと。それで右手をマイクに手をかけ、左手をマイクスタンドの途中にあるモニター調節器?においてたりします。両手でそのモニター調節器のようなものを握っていたりします。今回はマイクに手をかけている状態でつったように見えました。歌いながら力がすごく入ってしまったのかな‥
「Rain」は「ブレードランナー」のラストシーンから思い浮かんだ詩。あの雨の中のこの上なく悲しいシーンが想起させるイメージ‥。自分の人生だけではそんなにドラマチックなことは起きないので、映画や小説を読んで、そこから湧き上がってくる歌詞が多いと。
「Mon doux Soleil」で、正人さんを見ていて、あらためてこの曲のベースラインのカッコ良さを味わいました。「Carnaval」は演奏時間が長い曲なので、メンバー紹介を織り込んでいます。「Carnaval」もそうですが、「Volcano」とか「幻惑」とかは華やかでも渋い曲で大好きです。
メンバー
去年のメンバーとはドラムが交代しただけで同じメンバー。シーケンサーの松井さんはマネージャー兼。坂本さんのテープから音源を取り出したり、使えない場合は一から作り直したり、この方の坂本愛(?)がなければ成り立たなかった企画かと。坂本さんから「後は頼む」と言われた網守くんは、これまでも大貫さんのバックには参加してくれていますが、次第に存在感を増しているというか、大きく活躍しているように見えました。網守くんの時代はもうまもなく‥と思います。
パネさんが「Volcano」でピアノからオルガンに移動したのは見えました(本当にステージの上が見えない)。私の記憶ではピアノ以外のパネさんは見たことがなかったので、ちょっと驚きました。
フェビアン・レザ・パネ(Piano)
鈴木正人(Bass)
坂田 学(Drums)
伏見 蛍(Guitar)
網守将平(Keyboards)
松井寿成(Sequencer)
セットリスト
去年と違う点は「SIESTA〈ひるね〉」とラストの「Sayonara」がアウト、オープニングの「カイエ(II)」と「Mon doux Soleil」「ふたりの星をさがそう」「朝のパレット」がイン、ですね。「ぼくの叔父さん」(清水靖晃)、「地下鉄のザジ」(清水信之)と網守くんとつくった「ふたりの星をさがそう」「朝のパレット」以外がすべて坂本龍一アレンジです。「Lucy」から5曲‥。大貫さん、ものすごい気に入ってるんですよね。名曲多いです。
カイエ(II)(カイエ)
LULU(Lucy)
ピーターラビットとわたし(Cliché)
テディ・ベア(SIGNIFIE)
ぼくの叔父さん(A Slice of Life)
朝のパレット
Volcano(Lucy)
幻惑(SIGNIFIE)
PATIO 〈中庭〉(SIGNIFIE)
Rain(Lucy)
Mon doux Soleil(Lucy)
Happy-go-Lucky(Lucy)
ふたりの星をさがそう
Carnaval(ROMANTIQUE)
宇宙(コスモス)みつけた(カイエ)
色彩都市(Cliché)
en1. ベジタブル(copine)
en2. 地下鉄のザジ(Comin’Soon)
座席の話
実は私、去年のこのコンサート(恵比寿ガーデンホールで2回)行けませんでした。今年は何とかして行くぞと思っていたので、気合入れて、しかも恵比寿でなく六本木の決め打ちで発売開始とともにチケットとったら、なんと!一番前のど真ん中(座席表)。私と大貫さんを隔てる物はモニターとマイクスタンドしかないという状況でした。結構小さい会場でも見てきたけど、大貫さんで一番前は初。チケット運、ここで使いきったのか、これまでのあちこちで外れがたまったのか。とにかく幸運にもほどがある…。ずっと大貫さんだけを見つめていたコンサートでした。
しかし、バンドの方は網守くんとギターの蛍さんしか見えません。鈴木さんはベースを弾いているときは見えましたが、キーボードの方に行くと顔だけ。パネさんなんて頭しか見えない‥ドラムに至っては顔すら見えない。贅沢言ってはいけませんが、カメラマンが録画していたので、DVDとか出ないのかな。全体の映像が見たいです。
会場の話
EX THEATER ROPPONGIは日比谷線の六本木駅2番出口を出て、六本木通りを六本木ヒルズを左手方向に眺めながら歩いて行くとすぐです。私は大江戸線六本木駅の方が行きやすいのですが、一応はつながっているとは言え、あまりにも遠いので別の駅だと思っています。なので日比谷線六本木駅に到着するようにしています。
会場入口にこの電子掲示‥ちょっと大貫さんのセンスとは相容れない。いかんなと。場末感というか無駄なギラギラ感。
私は何しろ一番前だったので、よくわかりませんが、平地だったけれど、座席の前後や左右に幅がちゃんとあったので、合間から観ることができたとのことでした。ただ、座席がどうやらつながっているらしく、ノリノリの人がいると影響は大きいという話もあります。大貫さんのコンサートであまりにノリノリは集中力が欠けてちょっとイヤかもしれません。
ドリンクが電子マネーOKなのは良いと思います。物販が現金のみなのは会場のせいではないし、仕方がないですね。大貫さんのコンサートで物販自体が珍しいくらいなので。
入口以外の看板はカッコいいのに、もったいないですね。2Fのカフェはホットドッグくらいしか食べられない、いわゆる映画館の中の飲食と同レベルでしたので、やめてしまいました。向かいのヒルズにまで移動。これももったいないような気がしました。
グッズ
私はライブでのグッズは買わない方なのですが、大貫さんがグッズをつくるのはレアなので、つい手を出してしまいました。Tシャツに「ピーターと仲間立ち」とか書いてないところがいいです。私に似合うかどうかはわかりませんが、普段使いにしたいと思います。
●終演後
(※7/3の恵比寿のレポートです)
え、このメンバーでFuji Rock Festivalですか?意外‥オーソドックスな「大貫妙子のヒット曲」でいくのかと思ってたけど、野外フェスなんだからでかい音出す感じじゃないとダメじゃんね。そう言えば福岡CIRCLEもこのメンバーだった。