Collaboard Shinagawa vol.4 土岐麻子 with 畠山美由紀
3/12(日)品川 Club eX 1st stage
円形の客席と2階バルコニーが気になっていたライブハウス、Club eXで好きなシンガーが共演するCollaboard Shinagawa を観に行ってきました。土岐麻子さんと畠山美由紀さん、お二人とも40~50代の女性シンガーで、シティポップの範囲でくくられていいかと思いますが、ジャズシンガーでもある。でも、かたや東京生まれ東京育ちのシティポップの正統な後継者と、演歌・民謡も歌いこなせる宮城県出身のシンガーという、近いけれど遠い感じの組み合わせ。TMC(Tokyo Music Cruise)は常連でもあるベテランです。
この組み合わせのお二人、選曲が幅広くて楽しめました。二人ともラジオ番組を長いことやってるだけあって、喋りは上手。直前にお互いのラジオに出演されたのも聞いていました。これはおもしろいだろうと思っていったら本当に盛り上がっていました。
最初「Neon Fish」をソロで歌い、歌い終わるとホストである土岐さんが畠山さんを迎入れます。二人でトッド・ラングレンの「I saw the light」を歌って盛り上げます。洋楽のオールディーズ・スタートで違和感なし。ところがいきなり民謡歌うよとなり…。熊本でのラジオ公開収録や公演で熊本に親しい気持ちをお持ちの土岐さんが「おてもやん」を、続いて畠山さんが“松島ぁ~の”の「大漁唄い込み」を。それぞれの曲の合いの手を入れていました。
その後、土岐さんが“演歌ってあぶったイカとかイワシとかシーフードが多い”“シーサイドな” とシティポップ用語で演歌を語るのがウケました。八代亜紀さんと言えば、TMCで拝見しました。超大物演歌歌手であり、そしてジャズシンガーでもあります。女性シンガーは「舟歌」好きですよね。ego-wrappin'の中納良恵さんも歌ってたし、なんならステージお呼びして「雨の慕情」を一緒に歌ってました。
今回のステージ、土岐さんが民謡や演歌、昭和歌謡を取り入れたのは、きっと畠山さんがいるからですよね。胸を借りてというか、いい機会だと思われたのかと思います。一人ではなかなか思い切れないジャンルですよね。
その後2人で2曲歌ったあと、畠山さんお一人で3曲。「夜の庭」からの「幸せでいて」はコロナで人と実際に会うことが減ったせいか、会えた人への想いがあふれていて、いい曲です。また、ライブの日が3.11の翌日だったので、あの直後に発表された「わが美しき故郷よ」を歌ったことも納得いきます。畠山さんも故郷が被害に遭われたので、いろいろとコンサートされていましたね。
それに対して“故郷がどんどん変わって行く東京出身”である土岐さんの「HOME」は“帰る場所は人にあり”という曲なので、それぞれの故郷への想いが浮き彫りになった形です。
畠山さんの声や曲はなんとなく土の匂いがして、フォルクローレに感じる“温かみ”と“包容力”があります。そして土岐さんは歌詞から徹底的に“都会”の気配のするファニーボイス。対照的でもありつつ、共通点も多い。
お二人とも様々な方とコラボレーションするコミュ強なところが似てると思います。ソロ・シンガーってバンドで守られているボーカル担当の人と違って、いろいろな人とコラボレーションしなくては活動できないので基本的にコミュ強になりますよね。それもラジオパーソナリティだと知り合う機会も多い。お二人ともライブの数も多く、アルバムもコンスタントに出している。いいアーティストだと思います。
土岐さんの髪型が変わっていた件。直前のラジオ番組でお話されていました。前から変えたかったけど、事務所に止められていたが去年事務所を辞めたので…とのことで。ずっとボブで前髪あり。事務所はおそらくかわいい感じからあまりイメージチェンジさせたくなかったのでしょう。しかし、今回の髪型もやはりかわいかったです。60越えても70になってもかわいいものはかわいいんですよ。
Club Ex、2Fの席が気にはなっていたけど、近い方がいいかなと思って1F席をとったら、一番前の席で、正解でした。いつか2Fも行ってみたいと思います。どうでもいいことですが、お隣の「ステラボール」とおそらく椅子が一緒です。竹内まりやの時の記憶です。
土岐麻子(vo)
畠山美由紀(vo)
石井マサユキ(guitar)
鈴木正人(bass)
ハタヤテツヤ(piano)
Neon Fish:土岐麻子
I Saw the Light(Todd Rundgren):土岐麻子・畠山美由紀
おてもやん(熊本民謡):土岐麻子~大漁唄い込み (宮城民謡):畠山美由紀
舟歌(八代亜紀のカバー) :土岐麻子・畠山美由紀
圭子の夢は夜ひらく :土岐麻子・畠山美由紀
A View To Kill(Duran Duran):土岐麻子・畠山美由紀
Waltz for Debbie:畠山美由紀
幸せでいて:畠山美由紀
わが美しき故郷よ:畠山美由紀
HOME:土岐麻子
天国に一番近い島(原田知世):土岐麻子・畠山美由紀
en1.(I Can't Get No) Satisfaction(The Rolling Stones):土岐麻子・畠山美由紀
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