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数字から考える自宅兼カフェのメリットデメリット

こちらの記事(個人のカフェの難しさと対策を真剣に考察する)にてご質問頂きました。
daiki_blueさん、ご質問ありがとうございます。
記事のネタにさせて頂きました。

質問頂いた内容

大変参考になる記事をありがとうございます。
店舗兼住宅を考えておりますが、大きくデメリットになることはありますでしょうか?
・私生活と仕事の切替の問題
・場所を変えられない
など考えられますが、
特に家賃等の費用面ではメリットがあるように感じます。
よかったらご教示お願い致します。

ご質問のデメリットに対する回答

・私生活と仕事の切替の問題


住む場所と店舗の場所は近ければ近いほど有利です。
家が近い方が、通勤の時間がなくなるのでプライベートな時間はその分確保ができる、又は通勤の時間をお店の経営の時間に当てることができます。
店舗の中で生活する訳では無いので、僕だったら全く気になりません。

・場所を変えられない

これに関しても全くデメリットではありません。賃貸でも一度内装を作り込んでしまったら、場所は簡単に切り替えられませんから。

自宅兼カフェのメリットを数字で考える

さて、こっからが本題ですが、赤字が黒字になるポイント(損益分岐点)をベースに考えていきましょう。

カフェの経費は、主に家賃、水光熱費、消耗品、食材費、その他雑費です。

ここで、損益分岐点の計算が役立ちます。計算方法はこちらの記事個人のカフェの難しさと対策を真剣に考察する)も参考にしてください。

損益分岐点の計算方法は、固定費÷限界利益率です。
限界利益率は「1から変動費率を引いた数字」となります。

カフェの一般的な数字で考えます。
原価30%、水光熱費5%、消耗品1%その他雑費1%で考えましょう。
合算した変動比率37%なので、「1から37%を引き算した限界利益率は63%」です。

ここからのシミュレーションはこの限界利益率63%を使ってシミュレーションしていこうと思います。

損益分岐点

さて、損益分岐点は、固定費÷限界利益率(ここでは63%)なのですが、自宅兼カフェの場合、固定費はほぼ有りません

Wi-Fiを入れる等の通信費などで1万円程度でしょうか。自宅の使い回せばいいですよね。

ということで、原価100%を超える商品だけで営業しない限りは、赤字になることはありません。はっきり言って無敵です。

さて、これは当たり前のことなので、ここに自身の給与を乗せていきます。

ちなみに家賃があった場合
坪単価1万円、10坪だったとして家賃10万円です。
損益分岐点は15万8000円となります。
25日営業、客単価800円として1日7名で損益分岐点です。

手取り25万円程度欲しい場合

25万円を固定費と考えればいいわけですね。

限界利益率は63%なので、25万円÷0.63=39万7000円程度の売上で手取り25万円となります。
25日営業、客単価800円として1日19名となります。
8時間営業だとして、1時間に2.3人の来店が必要です。

ちなみに家賃があった場合
坪単価1万円、10坪だったとして家賃10万円です。
損益分岐点は55万6000円となります。
25日営業、客単価800円として1日27名の来店が必要になります。

さて、家賃の発生しないメリットは、数字的に見ても大きいのが感覚的にわかるかと思います。

手取り25万円+投資を回収することを考えると

自宅の場合、家賃取得費用もかからないので、この点も有利に働きます(通常は家賃の半年から1年分くらいが必要となります。)。
改装費用のみが発生するので、仮に300万程度を投資したとします。5年回収で考えると年間60万円の回収で、月間で5万円の回収が必要です。

つまり、考えるべきは、手取り25万円+投資回収5万円の計30万円を毎月捻出できるかどうか

この利益30万円を捻出する為の売上が、30万円÷0.63で売上47万6000円程度となります。

25日営業、客単価800円として1日24名の来店が必要になります。

ちなみに賃貸だった場合は、仮に物件取得費で100万程度かかったとして、総投資400万としても毎月の投資回収は6万6000円となります。
手取り25万+家賃10万+投資回収6万6000円=41万6000円の利益捻出が必要で、この利益を捻出する為の必要な売上が66万円となり、1日33名の来店が必要となります。

この時点で投資回収に必要な客数の差は1日9名となります。25日営業したら、月間で225名の差となります。

結論

自宅兼カフェは通常のカフェより圧倒的に有利で潰れにくい構造。
赤字にはならないが、生活費や投資を回収できるかはを捻出は立地によります。

特に重要なのは立地

さて、ここまで計算してみて、同じ条件であれば、もちろん自宅兼カフェの方が圧倒的に有利です。

ただ、その自宅立地が、目標客数を確保できる立地にあるかどうかということを判断することが一番重要です。

むしろ良い立地で持ち家だったら、成功する可能性は高いかと思います。

ファサードはしっかりと作り込む

そして、生活感を出さない為にファサード(入り口の見た目や雰囲気)をしっかりと作り込むことが大切だと思います。
これに関しては自宅を改装したカフェで長年営業されているお店を探してご参考にされれば良いかと思います。

多少の立地の不利はSNSの活用でひっくり返せる

現在では、SNSの普及により、立地の影響を受けずに集客できるように変化してきているので、そのツールを使いこなせるかどうかも重要です。

ただし、SNSで認知を上げてもお店に気軽に行ける距離にないと集客には繋がりませんので、結局は立地の良し悪しには直結してしまいます。

さて、長くなってしまいましたが、数字で見ることで、自宅兼カフェのメリットは非常に大きいことが感覚的におわかりいただけるのではないでしょうか。

少しでも参考になれば幸いです。

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本日は以上です。

                       まっつー@経営者2年目




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