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デパート催事出店あるある Part1

その1 普段とは違う客層


「デパートができた時に買い物の何が変わったか?」という話を聞いたことがある。
それまで商品とは使用価値で選ばれていた。つまり必要なものを目的に買いに行くということが普通であった。しかし、デパートは買う意思がなく、ただ眺めるだけということを可能にしたのである。
コーヒーと共にお菓子やコーヒー豆も物販として陳列していると、眺めにくるお客さんがやってくる。「よし、このまま視線があったときにお声がけしよう!」と思って待ち構えていたら、見事に私の顔をスキップして次の商品棚に視線を移していく。
このとき私は硬直した笑顔で立ち尽くすのみである。

その2 自社クレジットや優待券の使用率が高い


デパートは自社クレジットや友の会、株主優待券など様々なカードが使用される。レジの対応方法を出店日の朝に説明を受けるのだが、煩雑すぎて全く覚えることができない。フロアにはサポートスタッフがいるが、不思議なことに困っているときには必ずそばにいない。
「あれ?あれ?」とレジでエラーを出しまくっていると、「もう現金でいいですよ」と呆れられることに。
キャッシュレス化に対応できない中年のみじめさ。

その3 トイメンのマネキンさんとよく目があう


お客さんがまばらな催事だと手持ち無沙汰になる。自分のお店なら暇なときにする仕事もたくさんあるが、催事出店は売ること以外にやることがない。暇なので何の気なしにフロアを眺めるのだが、このときトイメンのマネキンさんとよく目があってしまう。お互い同じような状況なので仕方がないのだが、あまり頻繁に目があうと「いや、別にあなたを見ているわけではないんですよ・・」と一人で言い訳をするハメになる。

その4 バックヤードの景色がいい


これはお客さんから聞いた話だが、どこのデパートもバックヤードや休憩室は外の眺めがいいように設計されているらしい。通常のデパートには窓がないので一日中いると時間の感覚がなくなりメンタルに影響が出るとのこと。
なるほど、普段は物置で昼食をとっている身としては、2割り増しくらいで美味しく感じられた。

その5 催事出店者は必ず他の出店者の商品を買う


催事出店者はアウェー感を背負っている。そのせいか他の出店者と仲良くなりやすい。ウチが出るときは飲食の催事なので、お昼ご飯やおやつを他の出店者さんから購入することが多くなる。これは他の出店者も同じようなものなので、全体としてはちょっとした売上になっているのではないかと思う。デパートとしては、出店者がお客さんになるので2度おいしいのである。

その6 子連れで出店はNG


「当たり前でしょ!」と思うかもしれないが、手づくり市などは小規模店が多いので結構子連れで出店している人を見かける。この感覚でデパートの催事に子供を連れていくと責任者が出てきて烈火のごとく怒られることになる。
社会性のたかい手づくり市とは違い、デパートは資本主義経済の象徴のようなものなのだ。

その7 デパ地下に勝てない


催事というとお客さんでごった返すイメージがあるかと思うが、それは一部の人気がある催事(北海道展やバレンタインなど)のみで、意外と人はまばらだったりする。催事中にお昼ご飯を買いにデパ地下に降りてみると、人の多さに驚いてしまった。
どうせなら、こっちに出してほしい。

その8 シャワー方式


催事場は上の階に設定されていることが多い。これはシャワー方式といって催事目当てにきた人が、帰りに他のフロアで買い物をしてくれることを狙っているものと思われる。
コーヒーのイベントで出店したときに担当の人から聞いた話では、他のイベントよりも男性比率が高くなり、他のフロアでの購入率もよかったと教えてくれた。
堅実な女性とは違い、男性はわかりやすい。

その9 圧倒的に女性が多い


昔からデパートは女性の花形の職業として知られている。マネキンさんはもちろんのことフロアマネージャーにも多くの女性が見受けられた。どの人も仕事のできそうな人ばかりだ。当店も同じく女性比率が圧倒的に高く、男性としては肩身が狭い。
ガンバレ!デパート男子!!

その10 食品の内容表示が厳しい


食品の原材料や成分表示など細かくチェックが入る。この誰が見るのか不明な表示のためにかかる手間はものすごく大きい。これが嫌で出店をやめようかなと、心がくじけそうになることもしばしばである。コーヒー豆の原材料が「コーヒー豆」であることなど表記の必要があるのだろうか?

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