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関西人とオチ

「お父さん、ちょっと来て」

外で息子が呼んでいる。
仕事から帰ったばっかりで、ようやくソファに腰を落ち着けたところなのに・・・。はっきり言って、めんどくさい。

「なに〜?」
「いいから早く!」

しぶしぶ外に出てみると張り切った顔で息子が言う。

「ちょっとそこで見といてや!」

そう言うなり、スケボーに座り込んだ。手には水圧を加えて噴射する仕組みの水鉄砲を手にしている。そしてゆっくりと下り坂になっている家の前をスケボーで進み出した。進みながら手にした水鉄砲にシュポシュポと圧力を加え、勢いよく噴射している。

ゴロゴロゴロゴロ・・・
シュポシュポ、シャー・・・
ゴロゴロゴロゴロ・・・
シュポシュポ、シャー・・・

スケボーはゆるい下りをのろのろと進み、5、6mこの謎の行動が続く。
そうしてようやく立ち止まり、立ち上がった息子がこちらを振り返って、まさかのドヤ顔。

「・・・・・」

いったいどこに見所があったのか?
オチが用意されているわけではないことを瞬間的に悟ったわたしは
「おお、ええやん」と、とりあえず中身のない返事を返したのである。

私が子供だった時代は、もっとオチとか見所を用意していたと思うのだが・・・。水鉄砲の噴射の勢いでスピードが上がるとか。
関西人の面白さのツボも時代とともに変化したのだろうか?

まあ、そんなこと言っといてこの話もオチは用意してないんだけど。

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