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紅白を観て、今年は2025年を生きねばと思った

毎年年末は家族で紅白を観る。
「この人の歌は良かった」「あの人はちょっと緊張してた」などと、暖かい部屋で夕ご飯を食べながら偉そうに語るのが恒例だ。

中高生の頃まで、「今年流行った曲」として選ばれた曲はほとんど知っていた。この日本で生活していて、これらの曲を知らない自分など想像できなかった。

そこから少しだけ歳をとり、流行の曲は「知っている曲」から「聴いたことある曲」になった。そして最近は、「聴いたことがない曲」がだいぶ増えてしまった。

流行を追うことが偉い訳ではない、ということは分かっている。しかし、無意識のうちに流行に乗っていた時代は終わり、意識しないと置いていかれる立場になってしまったのだ。

少し前、久々に映画「プラダを着た悪魔」を観た。こんなシーンがあった。 ファッションに無頓着な新人アンディに、一流ファッション誌の編集長ミランダが言う。

「とても皮肉ね。 “ファッションと無関係”と思ったセーターは、そもそもここにいる私たちが選んだのよ」

ミランダらファッション業界が生み出したトレンドが次第にブームになり、市場に出回り、それを知らず知らずのうちにアンディは手に取っていたのだ。流行は誰かの手によって作られている。世界と、その未来を作っている人は、僕らの遥か先の世界を生きている。

紅白を観て、僕の世界は2018年くらいで止まっているような気がした。止まっている場合ではない。でも、未来を生きるのは僕には少し大変そうだ。今年はせめて、2025年を生きられるように頑張ってみようと思う。

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