業の秘剣 第六片 大王にはいったい何が
――目録は当たったようだ――
キケウスはほくそ笑む。
心臓に剣を刺せば入れ替わりは起こるが、他の場所に刺せば鋭利な刃物となる。
東の大王を討ち取ったときそこにあったのは秘剣で胸を自ら刺し、さらに腹を数カ所刺した死体だった。
秘剣は他の心臓はもとめても自らの心臓は求めないようだ。
試しに己の心臓に刃先を向けてみると…はは、感じるのは恐怖…他の心臓に刃先を向けているのとは違う。
しかし刃こぼれをさせるわけにもいかないから慎重に扱わなくては。
しかし謎は残っている。
もう一つの大なる謎、圧倒的な力を誇った東の大王の軍力はいったい何処から…
いくら永遠を手にしたといっても軍力がなければ意味がない。
この秘剣、一曲も二曲もありそうだ。
東の果ての大王の力の理こそ…
――まさに魔に秘められるが如し――
序章完