そっと息をひそめ、ゆっくりと未来を思う
この今見ている景色も昔とは変わってしまった。
もしかして人はいつも思い出の中に生きているのかもしれない。
とある友人が昔言っていた。
「捨てられない思い出が増えることが歳を重ねるということなのかなぁ。」
思い描いているあの場所に戻りたいと何度も思う。
しかし少し懐疑的になってしまうのだ。
「あの場所に戻りたいのではなくて、あの思い出の中に戻りたいのかもしれない。」
こんなことをふと思うと、過ぎ去る時の逆らえない強い力にそっと息をひそめ、ゆっくりと未来を思う。
この音楽はなんだろうか、ふと流れてくる詩が美しい。
まるで琴線を狙い澄ましたように登場したこいつは、きっと働きもんだ。
「はは、ただ懐かしい音楽をたまたま聴いただけなのに何を不意打ちくらってるんだ。」
あの懐かしい日々を少し頭に描き、眠りにつく。
忘れてしまった思い出も知らずに夢であえるかもな。