CAEソフトウェアの日本語対応
現在、日本で使われているCAEソフトウェアの大多数は、主に海外で開発されています。これらのソフトウェアのメニューやマニュアルは、多くが英語で提供されています。近年、製品のメニューには日本語が取り入れられることが増えました。しかし、マニュアルに関しては、まだ英語のみで提供されることが多いです。英語に得意な方にとっては問題ないかもしれませんが、私を含めた多くのエンジニアにとって、日本語のマニュアルがあると非常に役立ちます。
ソフトウェアベンダーの日本の販売拠点は、ユーザーの便宜とビジネスのために、マニュアルの日本語化が必要だと考えています。しかし、欧米にある本社や開発拠点では言語の壁が理解されにくく、日本でもCAE分野に十分対応できる翻訳業者は非常に少ないので、予算や人材の制約が厳しいベンダーが多いです。そのため、日本語ネイティブのCAEエンジニアによる翻訳やレビューが行われたマニュアルは少ないです。複数あるマニュアルのうち、使用頻度の高いマニュアルのみ日本語版が提供されるという形になることもあります。
日本語マニュアルがないときには、英語マニュアルを読むしかありません。簡単な操作説明ならよいのですが、日本語でも難しい込み入った仕様を、英語から理解するのは時間がかかります。しかし、最近の機械翻訳技術の進歩で状況は少し改善されています。かつては実用的でなかった機械翻訳も、今ではDeepLやChatGPTなどのツールによって、より良い日本語訳が得られるようになりました。機械翻訳は間違った訳も多いですが、必要に応じて英語の原文をチェックするなどして、うまく利用するとよいように思います。